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散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

ネコババ

2005-10-27 02:29:40 | 思考錯誤
三文記事のなかには面白いものがあるので、収集している。
その記事を読みながら想像をめぐらすのも面白い暇つぶしである。
そのスクラップブックを開くと一枚の切抜きが足元に落ちた。
こんな事もあったっけ。

ある地域でこそ泥が数件連続発生した。
盗まれたのは財布などの小さな革製品で、机の上から、棚の上から、サイドボードの上から消えてゆく。
何しろ小物だし、最初は皆盗まれたとは思わずに”どこかに置き忘れた””どこかで落とした”かも知れないと、捜したり呆然としたり、口座ストップの為に銀行に電話かけたり奔走していた。
そのうちに、近所の事であら貴方も?私も!となり、これはなんだか自分たちの過失ではないと気づいたのだった。

ある日、財布を失った家々の玄関ベルがなった。
家人が応対に出ると、そこには顔を赤面恐縮し方を縮めた女性が、見覚えのある財布を差し出しながら立っていたのだ。

さて、
彼女はどこで財布を見つけたのか?
彼女が犯人だったのか?
出来心で彼女はこそ泥をしてしまったのか?
何故家人在宅中の家に入っても気づかれずにいたのか?
後悔して自供し全て返却することにしたのか?

犯人は誰だったでしょう?

ある時、彼女は見知らぬ財布を咥えて意気揚々帰宅した猫を目撃した。
犯人は彼女の愛猫だったのだ。
驚いて色々な猫のお宝を集めて出来た山の中を捜すと、財布が他に2、3が転がっている。
何が彼女をそうさせたか?
何故“猫”がそういう“もの”を愛するようになったのかは知る術がないので謎だが、実に面白い奴だ。
もしかして猫界では名高い”スリの○×△”とか異名が付いている名猫なのかもしれない?
それともオリヴァー・ツイストのフェイギン見たいな奴の飼い猫で、盗猫として仕込まれ、こき使われていたのにうんざりして逃げ出し、ボロきれのように他猫の餌をくすねながらも彷徨っていたところ、心ある女性に拾われ改心し堅気になったけど、つい昔の癖が出てしまったということもある。。。ないか。
新聞の写真で見る限り頬に傷もなく、耳も齧られている様子の無い普通の猫だったけどね。
飼い主の女性は財布を発見して中身を確認しカードなどから調べて、持ち主に返す事が出来たわけだけど、冷や汗ものだったろうなあと想像する。
一件落着で解ってみれば盗まれた方もあんまり珍しい話なのでローカル新聞社に電話をし、めでたくトピックスとなったという話だった。

これは私の住む町の話です。