以下の文章は
「極力公式資料に基づく最新の1105年設定」を解説したものです。
「非公式設定をも取り込んだ古い1115年設定」は
こちらです。
【国家(主要国)】
カーリル合州国 Carrillian Assembly
総人口:141億人
公用語:銀河公用語(リム方言)
リーヴァーズ・ディープ宙域で最も技術的に進んだこの独立国の起源は、517年まで遡ります。当時、ドレシルサーとファールナーの星々の領土紛争が宙域全体を不安定化させ、フトホァーの和約は崩壊の瀬戸際に立たされていました。アスランの後援を受けた第三帝国が和平仲介(と威圧)に動き、519年に中立の小惑星星系カーリル(2330)で開かれた一連の会談によって、経済連携と共同防衛のための単一国家建設の合意に至りました。新国家の首都にはこの調印の地、カーリルが選ばれました。
その後合州国には楽観的で平等主義な気風が定着し、交易地域の拡大とともに加盟星系を増やし、そして国内全体の技術水準を劇的に進歩させました。800年には緩衝地帯で最先端のTL13に到達し、周辺星系に対する圧倒的優位を得ました。
しかし1000年になると、合州国の急成長には陰りが見えるようになりました。この頃、カーリルのほとんどの会社は一握りの大企業に収斂し、これは確かに市場の効率化と経済成長に寄与はしましたが、一方で富の偏在によって社会不安を増幅させました。対外的には、ソロマニ・リム戦争が引き金となって第三帝国かソロマニ連合が合州国の主権を脅かすのではないかと思われました。これらの状況は、安定と現状維持を重視する愛国党(Assemblist party)と、経済軍事の両面で周辺星系を取り込もうとする拡大党(Expansionist party)の対立を先鋭化させていきます。
1102年の総選挙は、経済の低迷、政治腐敗、相次ぐ労働争議が争点となり、検事出身で若く颯爽としたイーノ・ダルドリーム(Eno Daldreem)が率いる野党拡大党が僅差で勝利して悲願の政権交代を実現しました。拡大党新政権はこの機を逃さず、愛国党の復権を阻む法案を次々と可決していき、1103年と1104年の憲法改正で国家元首たる「大法官(High Justice)」への権限集中を加速させました。これらの改革には多くの加盟星系から非難が寄せられましたが、ダルドリーム大法官は意に介していません。加えて政権は帝国やソロマニ連合の脅威に対抗するため、イェホソー氏族や29選(※おそらくイェーリャルイオー)氏族に接近しています。
イスライアト支配圏 Islaiat Dominate
総人口:1450億人
公用語:イスライ語
リーヴァーズ・ディープ宙域とエァリーオシーゥ宙域の狭間に広がる人類系国家です。首都イスライアト(0221)はテラに似て過ごしやすい世界であり、恒星間戦争初期に地球人によって入植されました。その後イスライアト入植地は近隣星系にも拡大を続けましたが、暗黒時代が訪れると彼らは衰退する技術を守るために周囲から収奪を始め、-1000年には数星系を支配する立派な《略奪者国家》となっていました。
ところがアスランのロァホール氏族がディープに進出し始めると、イスライアトは次第に守勢に立たされるようになりました。-900年頃にトローヱァエァウィ氏族の家来となることで彼らは対抗しましたが、これによってイスライアト社会は大きく変容し、人類とアスランの伝統が融合した全く新しい文化を花開かせました。特に芸術や建築分野は見事な文化的偉業として名高いです。またこの頃に「アリエル教(Arielism)」が創始され、イスライアトの人々に広まりました。
その後、アスランの間で文化粛清(-50年~50年)が起こるとロァホール氏族は逆境に立たされて弱体化し、フトホァーの和約(380年)の頃になるとイスライアトはロァホール氏族に対して領土の割譲と人類の家来の解放を認めさせるまでになりました。このような経緯もあり、イスライアト領のほとんどの星系にはアスラン風の名が付いています。
前述の通りイスライアトはトローヱァエァウィ氏族と強い結びつきを持ちますが、他のアスラン氏族とも友好的です。一方で他の人類国家には宗教観の違いから若干の警戒心があります。
首都イスライアトこそ先進技術世界ですが、他の星はアリエル教の影響で前星間技術に留め置かれています(唯一の工業世界ですらTL7です)。国内には小規模なTL13艦隊が配備されていますが、主な任務は海賊とイホテイ対策です。陸軍は現地の技術で運用されるため千差万別ですが、要人警護のためにTL14の精鋭部隊を持っています。
イスライアトの終身政治指導者であるイスライアトコー(Islaiatko)(※コーとはアスランの言葉で「長」を意味します)は貴族らによって選ばれます。現職のアザール10世(Azar X)は1094年に就任し、国家の近代化を進めています。一方で精神的指導者である大神官ラジン(High Priest Razin)は、(イスライアト建築の最高傑作として知られる)マイジャーラ大寺院にあって政治への干渉は控えめですが、保守的なラジンと改革者アザールの間には大きな軋轢があると言われています。
(※元来ここは群小種族ヰスライ(Yislai)の国とされていましたが、長年ヰスライの設定が作られなかったことで人類国家になったようです。なお飛び抜けて人口が多いように見えますが、イスライアト(900億人)とマイジャーラ(500億人)でほとんどです)
カレドン公王国 Principality of Caledon
総人口:300億人
公用語:銀河公用語(カレドン訛り)
カレドンとスコティアン・ディープの両星域の大部分を占める、リーヴァーズ・ディープ宙域最大の独立国です。直轄領に加えて4つの属領星系と、「ダグラス大公国」も(事実上の)傘下に持ちます。隣国の第三帝国とは緊密な関係を持ち、しばしば「商業王国」と形容されます。建国以来、2度の内戦期を除けば比較的安定した国です。
現在の公王国を構成する地域は、恒星間戦争末期の(主に西欧系の)地球人入植地を起源とします。当時の地球連合に不満と不安を抱えていた人々は、著名な銀行家チャールズ・スチュアート・スコット(Charles Stuart Scott)の資金提供を受けて人類未踏の新天地への移民団を組織し、カレドン(1815)やその周辺に入植しました。その後長らく未知の環境との苦闘が続き、やがて長い夜(暗黒時代)が訪れるとジャンプ技術は失われました。
-200年頃、カレドンを訪れたダイベイのある小国の貿易商からジャンプドライブを入手すると、いわゆる《略奪者》たちの無法を抑止するため、-102年にジェミスン・ダンダス(Jamieson Dundas)によってカレドン公王国は建国されました。建国直後、公王国はイルサラ帝国の侵攻に遭ってエァ星域を失いましたが、スコティアン・ディープ星域の中核への攻撃は跳ね返しました。その後、250年代に公王国はイルサラ支配下の星系での反乱を支援するなど反攻に転じ、第三帝国との共同戦線もあって、最終的にイルサラ帝国を滅亡に追いやりました。
309年から328年にかけて公王国は第一次内戦に見舞われ、この影響でダンシニー(1624)などが公王国から離脱してダンシニー連合を結成しました。800年代には探検と拡張の新時代の幕が上がり、公王国は商業利益を大幅に拡大しました。
1024年、コリン公王(Prince Colin)が世継ぎなく死去したことで「王朝危機(第二次公王国内戦)」となり、クラヴァース大男爵マクスウェル提督(Admiral Earl Maxwell of Claverse)とエドワード・キャンベル卿(Edward, Lord Campbell)が王位を争いました。マクスウェル卿は有力な家柄である一方、キャンベル卿は身分は低くとも財界の支持を受けていました。これは、かのダンバートンの戦いに勝利し、マクスウェル卿を国境外に追放するのに十分でした。翌年004日、エドワードはカレドンの公王として戴冠しました。
現在のカレドン公王国は、貴族院(上院)・代議院(下院)・大元老院の三院制議会の上に国家元首として公王(Prince)を置く立憲君主国です。公王国のほとんどの星系は外交・防衛・貿易規制を国に委ねつつ、自治を大いに保っています。現在はエドワードの孫で名君との評判高いキース(Prince Keath, Lord Campbell)が王位に就いていて、その嫡男のフレイザー(Fraser)は公王国海軍に中佐として務めています。
公王に忠誠を誓い、自領を治めるのが世襲の貴族たちです。称号は下から騎士(Knight)、領主(Lord)、辺境伯(Margrave)、子爵(Viscount)、伯爵(Count)、大男爵(Earl)となっていて、公王は絶対君主ではなく国を代表する貴族として(憲法の定める範囲内で)君臨しています。カレドンは古めかしい封建社会ではありますが、爵位は平民にとって手が届かないものではありません。王室への卓越した貢献が認められれば、誰でも貴族に採り立てられる可能性はあるのです。
公王国は第三帝国やダンシニー連合とは友好的な関係を築いていますが、ソロマニ連合に対しては警戒心を抱いています。また、公王国とカーリルの企業同士による熾烈な競争で両国はますます対立を深めていて、キース公王はカーリル合州国の政変を注視しています。
カレドン政府には王立郵便公社(Royal Mail Service)やカレドン研究所(Caledon Research Institute)や公王国偵察局(Principality Scout Service)のように、第三帝国を手本にした組織がいくつも存在します。同様に、カレドン国防軍(Caledonian Defence Forces)は陸軍・海軍・海兵隊の三軍制が採用されています。基本的にTL12(精鋭部隊はTL13)で編成される国防軍は帝国軍と共同訓練を実施し、同じ戦闘教義を採用しています。和約によって緩衝地帯の内側への軍艦の直接売却は厳しく制限されていますが、帝国とはジャンプ-3の旧式艦の設計図を共有していて、国防軍「独自」の艦艇を建造することができます。
近年、公王国は貴族同士の派閥争いに揺れています。現王朝が下剋上によって誕生したという前例もあり、貴族たちはより安定した権力基盤を求め、そして対立派閥同士の抗争も目立つようになってきました。小規模な反乱や私兵の増強、政治的謀略は明らかに増加傾向にあり、そう遠くない将来に新たな危機を迎えるかもしれません。
(※Earlの一般的な訳語は「伯爵」ですが、カレドンには同じく「伯爵」と訳されるCountもあるため、Earlの元来の意味である「Baronの中のBaron」から「大男爵」を造語しました)
和諧同盟 Union of Harmony
総人口:330億人(アスラン6割、ウレーン極少数)
公用語:トロールなど様々(おそらく中国語も)
リーヴァーズ・ディープ宙域とダーク・ネビュラ宙域の境界上にある、3星域にまたがる独立国です。この国には人類とアスラン、そしてウレーンが住んでいます。国民の多数派はアスランですが、政治の実権は人類が握っているため、周辺からは人類国家とみなされています。
同盟の起源は、恒星間戦争時代に(主に華人系の)地球人がファースト・ロー(1037)に建設した入植地にまで遡ります。またウレーンは、-1400年頃にアスランと接触して協力関係を築きました。そしてアスラン国境戦争が勃発すると、人類は「天的聯盟(Celestial League)」の旗の下に集って抵抗していましたが、フトホァーの和約の締結によってこの近辺が緩衝地帯になると、明確な「敵」を失った聯盟は徐々に内部分裂を起こして崩壊していきました。
時は流れてソロマニ自治区が設置されると、ソロマニ人は交易と「伝道」を兼ねて緩衝地帯の人類星系を訪れるようになりましたが、それは旧天的聯盟やウレーンが(人類と)住む星々も例外ではありませんでした。結果的にソロマニ主義は浸透しませんでしたが、やがてソロマニ連合との交易関係を深めるべく人類が主体となって再結集の機運が高まり、856年に現在の「和諧同盟」が誕生しました。同盟は複数首都制を採用し、1つは旧聯盟の首都だったギュスターヴ(0737)に、もう1つはウレーンの母星であるウル(ダーク・ネビュラ宙域 0603)に置かれました。
同盟は領土規模の割に人口が少なく(加えて総人口の約4割が宇宙港のない1星系に住むという歪さが拍車をかけています)、産業基盤が弱いこともあって近隣世界との貿易に依存していますが、距離と人口比の事情で、ソロマニ系企業よりもアスラン系企業の方が優勢に活動しているのが現実です。一方でソロマニ寄りの外交方針によって、アスラン氏族との間に若干の緊張と抑止力を生んでいます。
(※Celestial Leagueは現設定ではCelestime Leagueとなっていますが、意図と意味が不明なので旧設定のままにしています)
【国家(中小国)】
カーター技術立国 Carter Technocracy
総人口:43億人
公用語:銀河公用語(エンリス訛り)
マーフィー星団のドリンサール側に位置する、カーター(1740)とその植民地ジェファーソン(1840)・グリフィン(1839)で833年に建国された小国です。ここの経済は、首都カーターから8パーセク圏内の人類やアスランに、この近辺では最先端のTL11製品(宇宙船や兵器を含む)を輸出することで成り立っています。
建前上は代議制民主主義国ですが、工業家党(Industrialist Party)の一党支配が続いています。党は主要企業全ての取締役会に加わり、行政機能も完全に支配しています。1088年から政権を握る、工業家党党首であり技術立国書記長のドーラン・トレント(Doran Trent)は広く人気を集めており、元企業幹部の経歴を活かして政府のあらゆる舵取りを厳格に制御し、支持者には様々な「便宜」を図っています。
カーターは何世紀にも渡ってそれなりの繁栄と独立を享受していましたが、現政権はソロマニ連合やカーリル合州国の影響力増大を危惧しています。小規模ながら良く訓練された陸海軍を保有しており、海賊行為や近隣星系からの侵入を防ぐには十分です。
(※「エンリス」がどこなのか、そもそも地名なのかも不明です)
ダンシニー連合 Confederation of Duncinae
総人口:1.5億人
公用語:銀河公用語(カレドン訛り)
リーヴァーズ・ディープ宙域中央部にある小さな独立国です。人口は少なく、初期星間技術しか持ちませんが、5つの農業世界と3つの富裕世界を持ちます。ちなみに、隣接するコベントリー(1723)は正式な領土ではありませんが、760年から連合の流刑星とされています。
現在の連合領の多くの星々は第二帝国時代に入植され、暗黒時代に技術を失ったものの、-200年頃にカレドン系の貿易商と再接触して技術を取り戻しました。帝国暦100年代にはカレドン侵略を目指すイルサラ帝国の支配下に置かれてしまいましたが、257年にダンシニー(1624)、ラナルド(1526)、フルトン(1524)の住民はカレドンの支援を受けて反乱を起こしました。イルサラ帝国の滅亡後、これらの星は公王国に加わったものの、第一次公王国内戦(309年~328年)の発生で避難民が流入し、それを機にダンシニー連合が分離独立しました(※避難民を遮るためでなく、避難民らが中立を宣言するための独立と思われます)。
連合は「母国」カレドンとあらゆる面で双方に利益のある密接な関係を構築し、第三帝国とも属領経由の農産物輸出等で交流を深めていますが、一方で、隣のマールハイム大公国との緊張は徐々に高まっています。
ダンシニー連合は、星系自治権と個人の自由が(公共の福祉に反しない限り)非常に重んじられる緩やかな繋がりの星間国家として統治されています。技術と能力の制約でジャンプ-2宇宙船の建造しかできませんが、海賊対策の小艦隊を配備しています。
マールハイム大公国 Grand Duchy of Marlheim
総人口:85億人
公用語:プラット語(略奪者俗語語派)
8つの世界を支配する拡大主義・全体主義国家で、最後の《略奪者》の一人であるカタリーナ・タン提督(Admiral Katarine Tang)によって-347年に建国されました。当時彼女は消耗した艦隊が身を隠すのに丁度いい根拠地を欲していましたが、暗黒時代の荒波に疲弊したマールハイム(1230)の住民が強力な守護者を求めているのを知ると、マールハイムの「救世主」として初代大公に即位しました。《略奪者》としての残忍で冷酷な悪名とは打って変わって、彼女は大規模な防衛力を整備して文明文化を守り、統治者としての名声を高めていきました。カタリーナ大公の後継者たちは《略奪者》やアスランやイルサラ人の襲撃を何度も撃退し、フトホァーの和約の際には(調印当事者ではないものの)第三帝国との間で外交交渉に奔走しました。この功績で大公国は繁栄する帝国に迎え入れられるものと期待していましたが、実際には緩衝地帯に「見捨てられる」格好となり、大いに失望しました。
800年代に入るとようやくTL11に回復し、ジャンプ-2の小艦隊を編成できるようになりました。すると大公国は、第三帝国・アスラン・ソロマニ連合といった列強から脆弱な土着文化を「保護」するという名目で、近隣星系に積極的に進出していきました。まずドラン(1129)を植民地化し、セント・デニス(1031)を征服しました。831年には高人口世界ペンダン(1231)に侵攻しましたが、技術の優越で損害こそ少なかったものの併合までには時間を要しました。拡大が再開されたのは1000年代になってからで、テオドーラ(1030)、ファスク(1028)、ミラク(1127)を相次いで併合し、1091年にはレストロウ(0926)が大公国への加盟を申請しました。
現在のフェリクス大公(Grand Duke Felix)はさらなる領土拡張に強い関心を持ってはいますが、今は併合星系の抵抗勢力(特にテオドーラとミラクは未だに軍政下にあります)を抑え込むことを優先しています。また緊張の度合いを増しているダンシニー連合との関係も今後の課題です。
なお、全体主義国のマールハイムが「文化の守護者」であるのは建前ではなく、意外にも芸術や出版分野を建国以来手厚く保護しています。
(※ちなみにペンダン星系は-1950年頃に入植され、-1010年にはアスラン(のおそらくイホテイ)の侵入を退けた、という故事があります)
ランヤード入植地 Lanyard Colonies
人口:1000万人
公用語:銀河公用語(リム方言)
元々ここは暗黒時代にアスランが開拓していましたが、フトホァーの和約によって放棄されました。その後、995年頃にソロマニ・リム戦争でダイベイから逃れてきたソロマニ人が入植し、それぞれの星には最初の知事の名が付けられています。
当初ソロマニ連合は入植地の農水産物の品質を高く評価し、財政・技術の両面で支援を行いました。1008年までは各知事に統治は任されていましたが、連合はランヤードを宙域進出の足掛かりに考え、干渉を強めました。しかしダーク・ネビュラ宙域方面での苦戦から緩衝地帯への関心が冷め、1096年以降はランヤードへの干渉は形だけとなったようです。
【その他政府】(※UWPの国籍コードが与えられていない政体)
グラリン集権 Gralyn Assemblage
人口:1億人(ドロイン5%)
公用語:銀河公用語(グラリン訛り)
ドリンサール・ループにあるグラリン(1735)とその衛星オスコーオポィ、そして直轄領ボタニー・ベイ(1734)からなる政府です。加えて、農業世界アイヒー(1634)を治めるアイヒー開発公社(Aikhiy Development Trust)を、ヴェニス(1534)と共に営んでいます。
-1893年から人類はオスコーオポィのドロインと交流するためにそこに定住しましたが、やがて暗黒時代になると、自分たちの存在が交易利潤を生まず貴重な資源に負荷をかけるだけとなったのでグラリンに移住しました。両者は共同で《略奪者》やアスランに対する星系防衛網を構築し、暗黒時代を無事に乗り切りました(-250年には自力でジャンプ技術を回復させていたそうです)。ソロマニ・リム戦争後には、運営企業の撤退で進退窮まったボタニー・ベイを統治下に治めています。
現在のグラリンはその好立地を活かし、ドリンサール・ループを通じた交易で栄えています(密輸業者も同じ航路を利用していますが)。
(※ちなみに、アスラン世界ハテァリェ(1733)にある人類入植地の一つはグラリンからによるものです)
ダグラス大公国 Grand Duchy of Douglass
ダグラス(1617)およびペントランド(1616)・ラナルク(1518)は「ダグラス大公国」を名乗っていますが、カレドン公王国と緊密な政治的・経済的繋がりを持っています。つまりは、公王国の直轄領よりも自治権が少々強いだけの半独立国に過ぎません。事実、公王国海軍の3つの造船所の1つはダグラスにあります。
(※現行のT5SSでは国籍コードがカレドンと同一になっているのはともかく、ラナルクが公王国領となっている誤植が…誤植とは言い切れないぐらいに、両国は一体化されています)
カーン世界連盟 Khan World League
人口:30億人
公用語:ブラス語(略奪者俗語語派)
《略奪者国家》の生き残りであるカーン(0817)は、マリー(0716)、テンボ(0717)、サイン(0816)の3星系を厳しく統治していますが、1031年にイェディダー(0616)が離反したことでAクラス宇宙港を失い、艦の新造はおろか維持補修にすら苦労しているようです。
コラス統治領 Kolan Hegemony
人口:4億人
公用語:銀河公用語
コラス(2313)、クラット(2315)、ロック(2214)の3星系からなるこの「統治領」の法的地位は曖昧で、星図にどう記すかは制作者の考え方次第です。多くの星図では単なる中立星系で、時折第三帝国の領土や属領とするものもあります。そして当然、コラスでは「独立国」です。
この問題はアスラン国境戦争の後期まで遡ります。当時のコラスは6つの世界を治める《略奪者国家》でしたが、帝国はコラスを宙域進出の格好の足掛かりとして交渉を持ちかけ、コラス領を帝国に併合するが主権を残す、という合意に至りました。しかし時が立つにつれてガッシュ(2216)がコラスから独立し、ジェリム(2416)とメル(2414)も帝国の工作で吸収されました。次はロックの番だとの噂も絶えませんが、それでもコラスは主権を振りかざし、伝統に従って領地を治めています。
清浄教区 Purity Union
人口:80億人
公用語:銀河公用語
ピューリティ(2440)とその属領パーガトリー(2239)は、清浄教が治める「教区」とされています。厳格な祭政一致社会ゆえにこれらの星系はアンバーゾーンに指定され、ソロマニ連合による併合の試みもうまくいっていません。
教団は女性の預言者たちに導かれ、男性は不浄な二級市民扱いです。軍隊に入れるのも女性のみですが、その練度は高く、教団に絶対的に忠実です。
(※狂的な信仰心の裏には、不信心者は極寒の「煉獄(パーガトリー)」に送られてしまう、というのもあるようです)
【アスラン氏族】
ロァホール氏族 Loakhtarl clan
リーヴァーズ・ディープ宙域史に大きな影響を与えたアスラン氏族ですが、今は最盛期の半分以下の勢力しかありません。
古のクーシュー(ダーク・ネビュラ宙域 1226)では野心的な小氏族に過ぎませんでしたが、宇宙時代になると他の氏族や人類との競争を避けてエァリーオシーゥ宙域の奥深くに移住しました。そこで数世紀をかけて29選入りを伺うほどの勢力にまで成長しましたが、やがてリーヴァーズ・ディープ宙域での企業活動を隠れ蓑にして他氏族の進出を妨害していた「アスランらしからぬ振る舞い」を咎められ、最終的にはディープ宙域からの完全撤退を余儀なくされました。
トローヱァエァウィ氏族 Tralyeaeawi clan
アスラン4大氏族の一角を占め、巨大企業レァスティーラオと関係が深く、広大な領地と全氏族の中でも最大の人口を保有しています。その歴史は古く、かの「最初のトラウフー(-2083年)」や「フトホァーの和約(380年)」にも関わっています。そして、ソロマニ・リム宙域に初めて到達し、ムアン・グウィ(ソロマニ・リム宙域 1717)やテラ(同 1827)に至る貿易航路を最初に確立した氏族でもあります。
この氏族は人類や群小種族の登用に積極的で、「蛮族」を名誉あるフテイレに導く宣教師のような存在を抱えています。また寛容的な文化を持ち、形式に囚われず、上下関係も厳しくないため人類とは容易に付き合えますが、保守的な氏族からは大氏族に相応しくないと異端視されています。歴史的にイェーリャルイオー氏族とは常に対立していて、614年から693年にかけて氏族間大戦に発展したこともあります。
イェホソー氏族 Yehaso clan
本拠地:ロァオ(0237)
-1000年頃にイェーリャルイオー氏族から独立した氏族です(が、今も友好関係にあります)。ロァオ星系のエァロー地方を本拠にしてフリケ(0530)とヒシーホ(0232)を治め、トーレァ(1226)も事実上の属領としています。
【企業・団体】
カレドン・ハイランダーズ Caledon Highlanders
本拠地:カレドン(1815)
リーヴァーズ・ディープ宙域および隣接する帝国やソロマニ領内で活動する、人類の傭兵連隊です。可能な限りこの連隊はまとめて雇われ、最前線の先鋒や、民兵や新兵の訓練を担います。
この部隊は1098年に公王国海兵隊を退役したウィリアム・フレイザー大佐(Colonel Sir William Fraser)によって結成され、部隊の戦闘能力は常に高く評価されています。彼らはこの10年、宙域内の小規模戦をくぐり抜け、その合間に鉱山開発企業の警備や新規入植地への駐屯、小国の軍事顧問など多様な任務に就いています。
彼らは柔軟で効率的な組織であり、あらゆる状況で自己完結型の独立部隊として機能するようになっています。数少ない欠点は、財政面の弱さからくる最新式重火器の不足と恒星間輸送艦の欠如で、雇用主は自前で輸送手段を手配しなくてはなりません。
連隊は3個歩兵大隊、開拓大隊、砲兵連隊、補給部隊で編成されています。開拓大隊は精鋭の偵察部隊で、本隊に先行して道を拓くことを目的としています。ハイランダーズの装備水準はTL13で、歩兵は熱迷彩型戦闘アーマーに磁気ライフル、RAM榴弾などを装備しています。彼らは交戦相手が自分たちよりTLで劣るように契約先を選びますが、幸いにもディープ宙域ではそれが普通です。
カレドン・ベンチャーズ Caledon Ventures, Ltd.
本社:カレドン(1815)
リーヴァーズ・ディープの全域で積極的に販路を広げている、比較的若い企業です。カレドン属領のダンマーロウ(0921)に交易拠点を置き、そこから他の貿易企業(特にアスラン企業ハテューウィ)が独占していた市場に風穴を開けようとしています。
同社は探検的な貿易任務のために、いくつものA2型外航貿易商船を運用しています。
カーリル運輸 Carellines Ltd.
本社:カーリル(2330)
ディープ宙域全域で事業を展開しているカーリル系商社で、費用を度外視してでも確実に利益を上げることで知られる成長企業です。そのやり口は海賊すれすれですが、ディープ宙域独特の「緩い」政治情勢に助けられています。同社はカーリル政府と強い政治的繋がりがあり、時には自社の利益になるような政策誘導も行います。
ダカアル・コーポレーション Dakaar Corporation
本社:ダカアル(1821)
本社のあるダカアル星系そのものを所有する星域規模企業です。同社は約300年前、ダカアルで豊富なランサナム鉱山を掘り当てた数人の独立鉱夫らによって設立されました。
傘下企業には、ダカアルのランサナム鉱山の運営や星域内他星系の鉱物資源開発を行う「ダカアル・ミネラルズ」、小規模な商船団を運行して貿易や事業を展開している「ダカアル・トレーディング」、宙域内の(帝国とカーリル領内を除く)Cクラス以上の宇宙港で貨物から宇宙船まであらゆる商取引を仲介する「ダカアル・ブローカーズ」、民間探査企業「ダカアル・サーベイズ」があります。ダカアル星系そのものは社の最大資産であり続けていますが、傘下企業が持つ知名度や利益の総計はそれを遥かに上回ります。
現在のダカアル社は、業績向上のためには非倫理・不道徳的商法どころか明らかな違法行為も厭わない悪徳企業です。経営理念は「逮捕されそうにないなら、やる価値はある」であり、実際、ドレールサール(2029)では盗品や非合法商品をテロリストや犯罪組織に何の躊躇いもなく売り渡していますし、20年前にカサンドラ(1924)の採掘権を失ったにも関わらず、今でも時折小惑星帯の違法採掘を行っています。
(※ダカアル・ミネラルズ社の悪行については「ラングルジゲー(知的種族)」「ラジャンジガル(星系)」の項目を参照のこと)
ハテューウィ Khtyuwi'
本社:ロァオ(0237)
イェホソー氏族の商社です。商圏は緩衝地帯全域(のアスランが開拓した星系)とされていますが、主にエァ星域です。同社はロァホーイ(1224)の香辛料トラオシエーロフロウ(シーズンゴールド)やトーレァ(1226)のリッス香(Risthscent)の販売で知られていますが、他にもガージパジェ(1124)のガラス製品や美術品を取り扱っています。現在、エァ星域の独占市場を巡って新興のカレドン・ベンチャーズ社と激しく争っています。
なお、イェホソー氏族とイェーリャルイオー氏族の関係から巨大企業トロソイェーロテールの子会社(や手先)と思われていますが、正しくは別会社です。
(※当初はこちらの方がトロソイェーロテールとされていましたが、後に『Book 7: Merchant Prince』で設定競合が起きたため、社名と設定が修整されました)
ローレァフテァ・フラヤーワォウヤー Larleaftea Hryawaowya
本社:ロァオ(0237)
数世紀の歴史があり、アスラン領内でも最高級とされるロァオ造船所を持つ独立系大手造船企業です。その造船所には数々のアスラン氏族や企業が様々な用途(通商、探査、軍事など)の宇宙船を求めて訪れています。同社製造の船には、エイアイケイオール(英雄)級強襲揚陸艦、トレイオトレ(武将)級戦闘指揮艦、ストヤーオーゥ(勇敢な斥候)級索敵艦などがあります。
その品質の高さからリーヴァーズ・ディープ宙域で有名な企業ですが、他にダーク・ネビュラ、エァリーオシーゥ、イオファハの各宙域に支社を置いています。
スコティアン・ディープ貿易社(SDTC) Scotian Deep Trading Company
本社:スターリング(1415)
800年代にレジャップール(1218)のジャイヘ貿易で財を成し、1024年の王朝危機の際には当時の経営者ロバート・アームストロング(Robert, Lord Armstrong)がキャンベル卿(後のエドワード公王)に味方したことで、同社はスコティアン・ディープ星域に響き渡る名声と権力を得ることができました(※この記述から、アームストロング卿が領主(ロード)となったのは戦後と思われます)。
SDTCは公王国外にも多くの交易拠点を持っています。
テレーイホーイ Teahleikhoi
本拠地:(おそらく)ラウ(0234)
約150年の歴史を持つ連隊規模の典型的なアスラン傭兵部隊で、その名は「夕闇の兵士達」などの意味を持ちます。TL14で編成された部隊はリーヴァーズ・ディープ宙域各地で作戦に従事しており、正規の氏族戦争から人類相手の「掟なき戦い」まで、1個中隊で十分な小規模戦から連隊全体の連携が問われる大規模戦まで、様々な任務を遂行できます。
著名な造船企業であるローレァフテァ・フラヤーワォウヤー製の艦艇は部隊の機動力と補給能力を支え、活動に不可欠な存在です。部隊は中隊規模輸送艦9隻、指揮艦3隻、そして大規模作戦用の5000トン大型輸送艦を保有し、特に最後のものは戦闘機中隊や後方支援部隊も運ぶことができます。
部隊はアスランに限らず様々な政府に雇われていますが、それには歴代(の未婚女性)経営者の出身であるイーフルァ氏族の意向が含まれており、氏族の影響力拡大に貢献しています。
(※イーフルァ氏族は、本拠地がラウ星系であることと、ディープ以外にエァリーオシーゥ宙域とイオファハ宙域に領地を持っていること以外に詳細な設定はありません)
【参考文献】
・Ascent to Anekthor (Gamelords)
・Pilots Guide to the Drexilthar Subsector (Gamelords)
・Book 7: Merchant Prince (Game Designers' Workshop)
・Double Adventure 6: Night of Conquest (Game Designers' Workshop)
・Journal of the Travellers' Aid Society #12 (Game Designers' Workshop)
・Travellers' Digest #16 (Digest Group Publications)
・Traveller Chronicle #5, #6, #7 (Sword of the Knight Publications)
・GURPS Traveller: Alien Race Vol.2, 4 (Steve Jackson Games)
・GURPS Traveller: Humaniti (Steve Jackson Games)
・Traveller20: The Traveller's Handbook (QuickLink Interactive)
・Deep and the Dark (Mongoose Publishing)