宇宙の歩き方

The Astrogators' Guide to the Charted Space.

宙域散歩(8) ヴィラニ・メイン1 ヴォーダン星域

2012-07-09 | Traveller
 これまでは帝国の「最辺境」であるスピンワード・マーチ宙域やトロージャン・リーチ宙域の紹介をやってきましたが、いよいよ回廊(コリドー)を越えて、帝国の「中央」へ旅をしたいと思います。
 まずは第一帝国発祥の地、ヴランド宙域からです。


 ヴランド宙域の歴史は、太古種族を除けば既知宙域で最も古く、約1万年の歴史を誇ります。-9800年頃に亜光速宇宙船で探検を始めたヴィラニ人は、-9235年のジャンプドライブの開発で、一気にその領土を広げていきました。
 その手助けの一つとなったのが「ヴィラニ・メイン」です。ジャンプ-1で行き来できる星のつながりを「メイン」と呼びますが、幸運にもヴィラニ人の故郷ヴランドは最大規模のメインに属していました。ヴィラニ・メインはヴランド宙域の大部分だけでなく、さらにリシュン宙域の一部、コリドー宙域のリムワード側、ダグダシャアグ宙域の一部、グシェメグ宙域の大部分、そしてレフト宙域やヴァージ宙域の端まで広がる、総計1014星系にも及ぶ巨大なものです。
 かつてのヴィラニ人はこのアルシュカア・サガラア(Arshukaa Sagalaa, 古代ヴィラニ語でのこのメインの呼び方)を足掛かりに「星々の大帝国(ジル・シルカ)」を築き、暗黒時代(Long Night)でもほとんどの世界が恒星間交易を諦めませんでした。現在でも、帝国で最も歴史があり最も大きなこのヴィラニ・メインは、最も富んで、結束の強い地域です。

 今回紹介するヴォーダン星域は、そんなヴィラニ・メインのコアワード方面の終点に位置します。第246艦隊が警備する帝国国境から、中立地帯を挟んで数パーセク先にはもうヴァルグル領が存在する、スピンワード・マーチ宙域で言うならアラミス星域に似たような環境ですが、全てが帝国領であるアラミス星域と違って、中立とはいえヴァルグル世界どころか堂々と海賊の基地すらあるこちらは、より活発なヴァルグルの(合法非合法両方の)活動が想像できます。
 資料が少ないのが難点ですが、覚えておくべき異星人がヴァルグルぐらいしかいないので、意外と帝国知識の少ないプレイヤー向けの地域かもしれません。何よりも、1万年という壮大な歴史の重みは、たかだか数百年程度(笑)のスピンワード・マーチ宙域では味わえないものです。もちろん資料が少ない分、レフリーの発想力が試されますが…。 
(※ヴランド宙域にはヴィラニ人の他に人類系群小種族アンスウェリン人(Answerin)やサーゲシュ人(Thaggeshi)がいますが、ゾダーン人やダリアン人よりは覚えておく必要性は薄いと思います。彼らの故郷はヴォーダン星域から少し離れていますし)



シキラル Sikilar 1107 B5328DH-9 非農・貧困 G Im
 第一帝国期にドーム都市によって入植されたシキラルは、低重力なので隠居世代向けに人気のあった世界でしたが、暗黒時代という「長い夜」が深まったことで、シキラルは完全に恒星間の接触から切り離されました。
 ドーム都市はいつしか宗教化した技術者階層による丸暗記的な知識によって維持されましたが、結局、技術はやがて失われていきました。
 暗黒時代が終わっても、より高い技術力を持つ外世界人はほとんどシキラルにやってきませんでしたが、(記録に残っている名前では)デューサ(Dhusa)は、この地を訪れて自身の「魔法」で民衆を威圧し、宗教独裁政権を築き上げました。それ以来、彼が率いる聖職者階層は恐怖による服従心を人々に浸透させていきました。
 現在、地元民は外世界人を天使として崇拝し、許可なしで「天使と」話すことは許されていません。全ての商取引は聖職者によって取り扱われ、彼らがテクノロジーを独占しています。
 この星の信じられないほど高い治安レベルでもアンバーゾーン指定をされなかったのは、外世界人がこの星の厳しい禁忌の影響を受けないからです。しかし、帝国の一般的な民衆にはシキラルに広がる文化は受け入れがたいものです。

リウォー Liwar 1110 C550000-A S 砂漠・低人・非工・貧困 G Im
 特に何もない不毛な星系の中で、自動化された燃料補給ステーションが旅行者に貢献しています。一般的な銀行のカードや帝国貨幣の両方とも、機械は認識することができます。
 これらの機械は、訪問者との接触を避けたがる世捨て人(hermit)によって管理・補修されています。
(※UWPによれば、この星系の人口は「4人」です。文中の「hermit」は単数形ですから、偵察局基地にいるのは3人ということに…?)

エリム Erim 1201 D573685-3 低技・非工 G Na
 エリムは帝国国境から離れた後進世界です。ヴィラニ人とヴァルグルが入り交じっている住民は、平均気温57度のこの惑星の薄暮帯でどうにか暮らしています(※惑星エリムは常に同じ面を恒星に向けています)。
 世界は第一帝国時代には交易や技術を外世界に大きく依存していましたが、暗黒時代を通して住民は古い技術や文化を守り通しました。古めかしい姿ですが、宇宙港は今でも機能的です。
 ヴァルグルの移民が約400年前にこの星にやってきた時、ヴィラニ系の住民は(どうすることもできなかったとはいえ)平和的に共存することを望んで彼らを歓迎しました。
(※後にこの星はヴァルグルの侵入者の支配下に置かれるのですが、その際、ヴァルグル系住民はヴィラニ系住民の助命嘆願を行い、その結果、社会構造はそのままで侵入者の支配下に収まることができました)

アングルー Anghurr 1202 E4308AA-6 C 砂漠・非農・貧困 Va
 暗黒時代の間にヴィラニ人植民地が滅びた後、ヴァルグルの移民がここに入植しました。彼らは第三帝国と商取引で経済のパイプを太くすることを望みましたが、ヴァルグル戦役(210年~348年)によって両種族の間に憎しみが生じたため頓挫しました。
 近年、"一匹狼の"アングルーは、この世界をヌガス連合(Ngath Confederation)と手を組むことによって繁栄に導こうとし、政治的キャンペーンを行いました。彼は地滑り的に勝利し、世界の名前を(習慣に従って)彼自身と同じに変えました。終身大統領は彼の公約を支援するために厳しい法律を制定し、海賊船の基地を整備しました。
 惑星経済が好調である限り、住民は彼を支持し続けるでしょう。
(※おそらく終身大統領よりもアングルーのカリスマが高くなったためにこのようなことになったのだと思います。ヴァルグル社会では時としてこういった事が起こりえます)

ヴォーダン Vhodan 1208 A75898A-C 肥沃・高人・高技 G Im 星域首都
 星域首都であるヴォーダン星系は、最も古いヴィラニ人植民地の一つです。ヴィラニ人によるヴォーダンの最初の植民地化は、-8007年に始まりました。
 ヴォーダンの生態系は植物だけから成り、ヴォーダンの気候は植物を青々と、巨大に成長させます。ヴォーダン産の野菜はヴランド宙域の至る所で有名です。
 ヴォーダンは伝統的なヴィラニ文化に染まっています。第一帝国の間、ヴォーダンはヴィラニ・メインの主要な世界で、ナアシルカ(Naasirka)、シャルーシッド(Sharurshid)、マキドカルン(Makhidkarun)の主要な管理・生産拠点でした(※この3つを総称して「ヴィラニ3部局」と言います)。
 ヴォーダンの文化は、人類の支配(第二帝国)や暗黒時代において、驚くほど影響を受けませんでした。ソロマニ人によって首都ヴランドが陥落すると、ヴォーダンは孤立主義に転向して早々に恒星間社会から離脱しました。ソロマニ人はテラからヴランドまでの拡大に力を入れて、ヴランドから先のヴィラニ社会の統合は後回しにしたため、実質的にヴォーダンの人々は、暗黒時代を自ら先取りして第二帝国期を過ごしました。
 その内省的な性向のため、ヴォーダンは第三帝国の拡大期においても、恒星間社会に復帰するのが遅くなりました。
 今日でさえ、一部の専門家はヴォーダンがヴランドよりもヴィラニ的であると主張するほどです。一つの理由として、ヴォーダンの技術の発達がヴランドよりも保守的なことです。ヴォーダンはTL12をこの500年間ずっと保ち続けているのです。

デラアン Deraan 1403 B526649-B 非工 Na
 周囲から孤立した、氷に覆われたこの星の入植が始まったのは、第三帝国が成立してからです。
 独立心旺盛なこの星の住民は、帝国への加盟よりも中立のままでいることを望みました。ヌガス連合から流入してくる海賊船に対しても、単独で抵抗しています。

ディイロン Diiron 1405 B89A8AA-B 海洋 G Im
 ディイロンの浅い海の底に眠っていた豊かな鉱物資源は、第一帝国成立以前からかなり利用されていました。-6500年頃まではディイロンは住むには適した星でしたが、残念なことに、鉱物の精製後の廃棄物に関して環境保護の方策が欠如していたため、高濃度の汚染が住民を苦しめました。人類に有害な不純物によって、数世紀後には作業員のための複雑な保護服にかかる費用が鉱業の収益性を悪化させるほどでした。住民は環境保護を重視する指導者を立てて支持し、採掘活動をやめさせましたが、その前に採算が合わずに鉱業は衰退していました。
 汚染の原因である鉱業がなくなったため、放っておいてもゆっくりと環境は回復していきました。現在ではかつてのような「第一級の」鉱業世界ではなくなりましたが、採掘活動は細々と再開されています。地域文化は環境と開発のバランスを取ったものに進化し、うまく環境に配慮するようなビジネスであれば歓迎されています。
 大気汚染はまだ残っていますが、フィルタマスクで簡単に除去できる程度です。地元住民は、帝国偵察局に完全な汚染除去のための惑星改造を請願しています。

ティマット Timat 1406 B98A679-8 NS 海洋・非工・富裕 G Im
 ティマットは、燃えるような色をした希少な有機結晶宝石である「星の涙(Star-tears)」の採取のために入植されました。この宝石は、シモック(Simhok)というきらきらと輝く毛並みを持つ温血飛行生物から採れ、樹脂で覆ってから販売されます。
 シモックは餌の魚類から、過剰に鉱物成分を摂取しています。そして血中のバランスを取るために、結晶の「涙」を分泌します。それは空気中ですぐに固化する過飽和状態の液体です。しかしこれが海中に落ちればたちまち溶けてしまうので、脆い宝石を保護するために柔らかいジェルで覆われた浮島(floating platform)の上空にシモックを誘導することが必要です。
 ガス惑星デアー(Deah)の衛星であるティマットは、3つの国に分かれた小国分裂状態ですが、それぞれの国同士の関係は良好です。星系全体の問題は、三国から代表が送られる議会で話し合われます。その「クリスタル集会(Crystal-gathering)」や、小規模の製造業、水産養殖産業は「深海船国家(the nation of deep-sea ships)」であるフェルホルツ国(Felholz)に集まっています。
 残りの2つの国はそれぞれ海底火山を領有し、そこから噴出するマグマは海底に鉱石や放射性物質をもたらします。海底都市では重工業が営まれ、噴火に伴う周期的な地震に耐えられるよう造られています。宝石やこれらの産業により、ティマットの一人あたりの所得は宙域平均を上回っています。
 海軍基地や偵察局基地がデアーの衛星で守りを固め、自前で宇宙船を借り上げた地元住民が燃料補給所でもあるデアー周辺の哨戒活動を行うことで、この世界の富は守られています。

グウシムカ Guusimka 1407 E539A77-C 高技・高人 G Im
 グウシムカ星系の赤色主星であるシムカ(Simka)は、-6625年に奇妙な変動と高い電磁波の放出を始めました。このことがヴィラニ人研究者の興味を引き、星系内に観測用の小さな入植地を築くことを促しました。
 世紀を越えた研究の結果、ヴィラニ人はこの星の変わった活動のデータをまとめました。シムカは約150年間高い電磁波を放出しては約2400年間通常状態に戻る、という周期変化を起こすのです。そして-4045年、ー1466年にはまた同じ活動を始めました。次回は1115年からと予測されています。
 この正確な周期変化により、この星は現在の天体物理学の教材に必ずと言っていいほど採り上げられるようになりました。実際、古代ヴィラニ語でグウシムカとは「赤い時計」という意味です。
 第三帝国時代の初期に、この世界の再調査によって莫大なコバルトの鉱脈が発見されました。科学者を含む地元住民とLSP社の合意により採掘が始まりましたが、合意の最も重要な面は、世界の乱開発を防ぐために宇宙港をこれ以上拡張しないことでした(鉱石を運ぶための「着陸地点はいくらでもある」のですから)。後にコバルトに加えて弗化物や塩化物の堆積物が発見され、事業の発展によってグウシムカに数百万人がやってきましたが、合意は何世紀もの間履行され続けました。
 10年ほど前、とある新しい企業はその合意を破ってCクラス宇宙港を建設しようとしました。しかし工事が始まるたびに、伝統主義者は建築現場を襲撃して破壊しています。

マラン Maran 1408 B552978-F N 高技・高人・貧困 G Im
 ヴィラニ人が-5420年にジャンプ-2ドライブを発明した直後、この星系の大まかな探査により、最も内側の軌道にあるガスジャイアントを周回する、居住に適した惑星が発見されましたが、統合戦争(Consolidation Wars, -5400年頃~-4045年)が始まるまでは、マランは無視されたままでした。
 -5035年に、イグシイルディ(Igsiirdi, ヴィラニ3部局を束ねる組織)の調査員が星系の完全な再調査を行い、小惑星帯に金属の鉱脈が発見されました。
 マランの豊かな生態環境は、先住の知的種族と共存する形でヴィラニ人も適応できることがわかりました。この星で最大の動物は家畜化することができ、その天然繊維は最初の輸出品となりました。
 町はマランの主要な川と氷冠に沿って建設されました。マランはそれ以来ずっと、高いテクノロジーレベルとゆっくりと増加する人口を維持してきました。現在の30億人の住民のうち、6割は人類で、残りはヴァルグルや群小種族です。
 ソロマニ人との接触の後(主星の「エドモンド星(Edmund's Star)」はこの頃からの名前です)、流入した軍国主義カルトが世界を分断してしまいました。現在では、世界はそれぞれ10国ほどの衛星国を持つ5大国に分けられていますが、軌道宇宙港都市メリヴァ(Meliva)は公式に中立を宣言しています(※このメリヴァだけで1億人が住んでいます)。
 近年、いくつかの国ではスパイや破壊活動家が毎週のように逮捕されています。帝国当局は「外国」からの干渉を疑っていますが、人種が混在した社会ではあらゆる「異星人」を疑うのは不可能です。しかしマラン星系の海軍基地は、念のため非人類を立入禁止としています。
(※この星の知的種族がどのようなものかは不明です)

オディナガ Odinaga 1505 A2016A9-B 真空・非工・非農・氷結 G Im
 オディナガは、可住域の外を周回するガスジャイアントであるファトゥー(Fatooh)の衛星です。大地は氷と岩の混合体で、オディナガの全ての住民は地面の氷を掘って作られた8つの都市に住んでいます。
 それぞれの都市は大きな鉱脈の上に建てられています。これらの鉱脈は、星の形成の初期にオディナガに衝突したより小さな衛星の残骸です。惑星はこの影響によって変形し、まだ完全なる球形には戻っていません。時々起こる「氷震(ice-quakes)」は、惑星が元に戻ろうとしている作用によるものです。また主星コジ(Koji)を回る惑星からの潮汐力によってもそれは増やされます。
 オディナガの全ての氷が水というわけではありません。凍っている揮発性の混合物は都市の産業のために、必要に応じて採掘されます。
 40年ほど前、その必要な資源をめぐって都市の間に不和が広がり、世界は分裂状態になりました。その時、カーリン卿(Lord Carin)が公正さと指導力で人々を結びつけ、論争を解決しました(※この史実は連続ドラマとして、マキドカルンのエンターテイメント部門によって映像化されました)。しかし彼には家族がいません。誰も彼ほどは有能ではないため、後継者の地位には誰も指名されていません。
 オディナガの豊かな文化は、他の世界でもホロクリスタルや本といった様々な記録媒体で知ることができます。最近の文学と演劇は特に賞賛されていて、オディナガの2人の詩人は、芸術への貢献によってナイト爵を授けられたほどです。また、ダンスや音楽パフォーマンスも、広く売られています。
 海軍による防衛力の不足にも関わらず、むしろそれが功を奏したのか、オディナガはこれまで近隣のヴァルグルとほとんどトラブルを経験しませんでした。

アウドゥムラ Audhumla 1509 A98A300-D 海洋・高技・低人・非工 G Im
 第一帝国の間、ヴィラニ人はこの世界に価値を認めず、全く開発しませんでした。しかし「人類の支配」期にこの地に赴任したソロマニ人知事は、違った物の見方をしました。スカンジナビア人の子孫である知事は、先祖の大地を思い出させる氷に覆われた島々を見て、世界に「アウドゥムラ」(※北欧神話の創世伝説に出てくる雌牛の名前)と名付け、スカンジナビア文化を受け入れることを条件に移民を歓迎しました。
 第二帝国の終焉で、政権は様々な部族集団に分裂しました。長い年月を経て古い文化に戻った彼らでしたが、技術的には退行しませんでした。
 略奪の目標を探している海賊団は、攻略が容易でないアウドゥムラを避けます。武器の訓練は男女両方で早い年齢から始まり、部族間の相互防衛協定は、外世界からの侵略に対して共同で即時に報復することを約束しているからです。

ギャンギリーボ Gamgilebo 1604 B000756-A 小惑・非農 G Cs
 ヴィラニ・メイン上にあるギャンギリーボの小惑星帯は、数千年前にヴィラニ人鉱夫によって最初に入植されました。-7500年頃のこの星は鉱物生産星系として有名でしたが、現在でも鉱夫たちが星系内の広大な小惑星帯で豊かな資源を採掘しています。
 しかし二千年近くに及ぶ暗黒時代の間に、鉱夫たちの社会はほとんど廃れてしまいました。幸いにも第三帝国の時代になると生産活動は再開し、それ以来ずっと好調です。採掘された鉱石は、シャルーシッドが地元の鉱業組合から買い上げています。
 ここ数世紀、星系の内側の小惑星帯でも限定的に採掘が始まりました。この地帯は金属の密度が低く、大部分は役に立たない石ばかりでした。しかし長期間の探査によって、いくつかの豊かな鉱脈が発見されました。
 ギャンギリーボ星系で最も興味深いのは、非常に大きなガスジャイアントのゲーテス(Getes)です。この300年ほど偵察局がこの奇妙な惑星を観測してきた結果、内部で核融合の兆候が見つかりました。偵察局の天体物理学者はゲーテスが新星になる寸前であると考えていて、より詳しい観測を続けています。いつの日か、三連星星系であるギャンギリーボにはさらに恒星が1つ増えることでしょう。

ダンナー Dannar 1606 C2006A8-C 高技・真空・非工・非農 Im
 ダンナーはヴォーダン星域の中でも鉱業の盛んなもう一方の世界です。周囲の星系から最低2パーセク離れている孤立した星であり、さらに燃料補給用のガスジャイアントも水界もなかったため、ヴィラニ・メイン沿いにあるにも関わらず、この星へ開発が及んだのは第三帝国の時代になってからでした。
 スターンメタル・ホライズン社がこの星に投資を行いましたが、黒字化するまでにはかなり時間がかかりました。乏しい氷と揮発性物質はまず地元住民によって使用され、さらにそれらの多くは輸入に頼っています。燃料費は高騰していて、非精製燃料が1トンあたり1000クレジットもします。
 宇宙鉱夫たちの間の噂では、星系内に太古種族以前の時代の神秘的な遺物があるということです。

リイネル Riinel 1608 E746651-8 農業・肥沃・非工 G Im
 リイネルの大気は薄い上に酸素比率が低く、内燃機関はきちんと機能しません(低酸素環境に対応したものは高価です)。そして薄い大気と37度の地軸の傾きは、季節の極端な違いを生み出します。
 重要な鉱物資源に欠けていたため、この星系は何千年もの間植民地化の候補から外されていました。やっと896年にミゲル・リイネルという名の裕福な冒険家が帝国植民省から購入し、彼は残りの生命をこの星の開拓に捧げました。農業が可能となり、十分な量の輸出ができるようになるまでには随分と時間がかかりましたが、彼はある程度の成功を収めました。
 リイネルは宇宙港の建設が集落の本質を失わせると考えたので、限られた商業用の着陸床を除いて彼は増設を禁じました。また、ここでの生活は「冒険」を旨としたので、軟弱な人々は必要とされませんでした。生活の質は非常に質素でした。
 彼の死後、その哲学は次の世代までは受け継がれましたが、植民第三世代は違った物の考え方をしていました。彼らは科学技術を否定することなくリイネルの生活様式の本質を守る方法がある、と感じていました。そしていくつかの集落は、惑星環境を損なわずに文明を進歩させる研究を担うことになりました。帝国偵察局はこの変化によりリイネルを封建的技術主義社会と分類し直しましたが、これが的確かどうかは議論の余地があります。
 若干の技術進歩はありますが、宇宙港の開発禁止の掟は今も残っています。ただし旅行客は、地元住民が決して外世界嫌いでもなければ後進的でもないことに注意すべきでしょう。


(※文中に登場する「ヌガス連合」については、詳しいことはわかりませんが、どうやら海賊団が巨大化して恒星間国家となったようです)


【参考文献】
・The Flaming Eye (Digest Group Publications)
・Vilani & Vargr (Digest Group Publications)
・Rebellion Sourcebook (Game Designers' Workshop)
・Traveller in the DED Zone
ジャンル:
その他
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