宇宙の歩き方

The Astrogators' Guide to the Charted Space.

宙域散歩(23.5) リーヴァーズ・ディープ宙域(国家・企業・団体)

2014-06-04 | Traveller
【国家(主要国)】
カーリル合集国 Carrillian Assembly
 カーリル合集国はリーヴァーズ・ディープ宙域で2番目に大きい人類統治の独立国です。正規加盟星系に加えてヤルーファール(2228)を属領として持ちますが、ここへ対しては直接統治は行っていません。
 合集国は519年、当時ドレシルラー星域とファールナー星域のいくつかの世界の衝突が大規模な戦争に拡大する恐れがあった際に、帝国がこの地域をアスランとの緩衝地帯として維持しようと対立の平和解決を「望んだ」ことから、その歴史は始まりました。和平会議はカーリル(2330)のブレア・ロックという小惑星で行われ、各星系間の通商や防衛に関する取り決めが調印されました。首都をカーリルとする新国家が誕生し、中央議会はそのままブレア・ロックに置かれました。その後、後進世界だったカーリル・ベルトは合集国で最も人口が多く、活力ある世界に発展しました。
 合集国は500年間に渡ってディープ宙域のトレイリング方面の安定に貢献してきました。その間彼らは領内の通商と発展の促進に専念し、勢力圏の拡大はしようとはしませんでした。しかし1090年代に、領土拡大を訴える排他主義的な急進改革勢力である進歩党の勢力が増し、1103年には若手海軍士官によるクーデター未遂事件で当時のコリン大統領が暗殺されました。ジュザーク提督(Admiral Juzark)は戒厳令を宣言し、首都を管理下に置きました。
 この危機の間に海軍、保守党、進歩党による譲歩合意がなされ、ジュザーク提督の退任と同時に、合集国最高裁判所(Assembly Supreme Court)の首席裁判官(Chief Justice)であるダルドリーム氏を大統領に据えることとなりました。
 ダルドリーム「大統領」には議会制民主主義への復帰が期待されていましたが、実際にはそうなりませんでした。ダルドリーム大判官(High Justice Daldreem)は憲法条文を様々な口実として戒厳令を続けた、カリスマ的ではありますが冷酷な指導者であったのです。彼は進歩党が掲げる拡張政策と、保守党が掲げる中央集権政策に同時に乗り出し、現在ダルドリームとその取り巻きは完全に議会を掌握しています。
 1109年、イルドリサール(2326)で発生した暴動は、悪名高き「宇宙港の虐殺」にまで拡大しました。それ以来この星は騒乱状態に陥っています。
 1110年、自由党の党首ハーレイ・リビドン(Halley Libidon)は合集国議会においてダルドリーム大判官に「信任投票」を求めました。それに対しダルドリーム大判官は議会を解散し、代議員を「イルドリサールのテロリストから保護する」ことを目的として自宅軟禁しました。リビドン党首はそれ以降、合集国の民主主義回復を訴えて遊説を続けていましたが、1113年に欠席裁判でイルドリサール叛徒への支援の罪で有罪判決を受けました。彼は逮捕を逃れ続けていますが、同時に彼の首にかけられた賞金額も増え続けています。
 1114年、報道機関は公共情報局(Office of Public Information)の統制下に置かれ、カーリルの3つの報道機関を除いて全て公式に閉鎖されました。

イスライアト支配圏 Islaiat Dominate
 非人類群小種族ヰスライは、リーヴァーズ・ディープ宙域とエアリーアシーウ宙域に跨って31の世界を統治しています。
 彼らは拡大初期のアスランから-1227年にジャンプドライブを入手し、速やかに自らの国家を拡張していきました。しかし《略奪者》の領域と接触した彼らはエアリーアシーウ宙域方面への拡張に転じました。現在はアスランの属国として、リーヴァーズ・ディープ宙域に大きな影響力を保持しています。
 なお、領域内の星系は意図的に技術水準が低く抑えられています(※と、資料にありますが、宙域内の他星系と比べて極端に低いわけでもないので、首都イスライアト(TL13)との技術格差が固定するように新技術の開発が抑制されているのかもしれません)。

カレドン公王国 Principality of Caledon
 カレドン星域及びスコティアン・ディープ星域の大部分を支配するカレドン公王国は、リーヴァーズ・ディープ宙域で最も大きな(人類統治の)独立国家です。しばしば「商業王国」と呼ばれ、その貿易規模と富で有名な公王国は、カレドン(1815)の貴族ジェミスン・ダンダス(Jamieson Dundas)によって-102年に建国され、公王国内戦(309年~328年)と王朝危機(1024年)の時代を除けば、比較的安定していました。
 現在の公王国がある地域は、恒星間戦争の末期に入植が始まりました。主に西ヨーロッパ系の地球人移民たちは、ヴィラニ帝国の「吸収」を続けて膨張していく地球連合に危惧を抱いた、政治的な一団でした。彼らは、衰退する第一帝国が抱えていた「重荷」を地球連合が支えきることはできない、と思っていたのです(そしてその正しさは後に証明されます)。
 著名な銀行家であったチャールズ・スチュアート・スコットに導かれ、彼らは両勢力から遠く離れた新天地を求めて探検を行い、やがてカレドンと周辺の数星系に入植しました。しかし植民星の荒々しい環境下で苦闘を続ける日々の中で、やがてジャンプドライブ技術は失われていきました。
 暗黒時代末期、とあるシレア人貿易商人と接触したことにより技術水準は回復し、それからまもなくして、いわゆる《略奪者》の海賊行為や無法を阻止する存在として公王国は興りました。
 高度技術時代を迎えたカレドンは、封建的社会への回帰を選択しました。世襲貴族は指導者として個人の忠誠を集める存在ですが、貴族は普通の一市民から全く手の届かないほどではありません。国家に顕著な貢献をした個人には、王権者たる公王から貴族の称号(士爵(ナイト)、男爵(ロード)、辺境伯、子爵、伯爵)が与えられます。世襲の公王は専制君主ではなく立憲君主として統治し、その権力は3つの立法府(貴族院、上院、下院)によって監視されます。各星系政府には地方法を制定する権限が持たされ、公王国政府は主に恒星間の外交、戦争、通商を担います。
 近頃の公王国では、貴族の間にある程度の派閥争いが起こっています。目下であるはずの男爵が玉座を求めて目上の伯爵を打倒した、という前例がある関係で、貴族たちはより安定した支持基盤を得る方向に走り、時として対立貴族家との暴力抗争にまで発展します。それによる治安の悪化は私兵の増強を招き、政治工作や扇動が増えたことにより、それほど遠くない将来に新たな危機を迎えるかもしれません。

和諧同盟 Union of Harmony
 人類国家である和諧同盟は、リーヴァーズ・ディープ宙域とダークネビュラ宙域に跨って21の世界を統治しています。この国は暗黒時代から続いた旧「天的聯盟(Celestial League)」の星系が再結集して、856年に結成されました。歴史的経緯によって和諧同盟はソロマニ連合と強い関係を持ち、ここ160年間に渡ってアスランとの紛争を最小限に抑え込めた理由となっています。
 和諧同盟は首都ギュスターブ(0737)に強力な中央政府を置き、そこから直接に加盟世界を統治しています。現在和諧同盟は、トレイリングおよびリムワード方面への進出を狙っていると噂されています。
 ちなみに、和諧同盟はしばしば「非人類種族ウレーンの治める神聖ウレーン国(Ulane Hierate)」と誤ってライブラリに記載されています。これは俗に『ウレーンの偽情報(Ulane Hoax)』と呼ばれる悪戯によるものです。1108年091日、ワリニア(ダイベイ宙域 0507)のダイベイ大学でコンピュータを学んでいた学生の小集団がXボート網に侵入し、偽のデータをXボートで帝国中に広めたのです。これにより各地のライブラリ上でアスランの首星クズの座標が書き換えられるなどされましたが、彼らを最も有名にしたのが「神聖ウレーン国」に関する詳細で巧妙な偽の記述でした。
(※なお、犯行に加担した学生たちは1117年までに全員が逮捕され、後に重い実刑判決を受けました。帝国当局は公式に偽情報を全て除去したと発表しましたが、頻度は減ったとはいえ誤ったデータを目にしてしまう可能性は残っています)


【国家(中小国)】
カーター技官国 Carter Technocracy
 カーター(1839)は元々植民地としてジェファーソン(1840)を領有していましたが、1027年に隣接するグリフィン(1839)が宇宙船建造技術を回復したことから両政府は交渉の機会を持ち、技術と通商における共有の合意に達しました。そして5年後、「カーター技官国」の旗の下にこれらの協定を正式に調印しました。
 現在のこの国は、加盟3星系で最も聡明と見られているカーターのカルヴァン・トマージュ大統領(President Calvin Tomage)によって導かれています。また、ソロマニ連合とは通商と技術提携の面においてのみ国交を維持しています。
 カーター技官国は、国境を拡大することには現在のところほとんど関心を持っていません。

ダンキニー連合 Confederacy of Duncinae
 ダンキニー連合は、公王国内戦(309年~328年)による避難民によって結成されました。そのため現在でも「母国」とは経済や文化交流で密接な関係を持っています。
 首都をダンキニー(1624)に置く連合は、各加盟星系の地方自治権が強い、ゆるやかな統治を行っています。なお、ダンキニー連合は刑務所星系のコベントリー(1723)を管理していますが、正式な加盟星系には数えていません。
 1108年にトーマス・バーナム提督(Admiral Thomas Birnham)を中心として海軍の一部が決起した、俗に言う「08年反乱(Rebellion of '08)」が発生しましたが、政権は短命に終わり、失脚した彼はコベントリーに追放されました。
 現在連合は「マクベス号事件」によってマールハイム大公国との緊張が増しています。事件後の1114年038日に行われた連合評議会議長(President of the Confederacy Council)選挙は、強硬派のロジャー・ヴェイン前マールハイム大使(Roger Vane, the former ambassador to Marlheim)が当選し、大公国に対して厳しい姿勢を採っているからです。

ディエンバッハ管理区 Dienbach Grÿpen
 帝国暦200年代にリーヴァーズ・ディープ宙域に進出した第三帝国は、ナイトリム星域の大部分の星系を併合しました。しかしオークニー(2919)及びその植民地であるメイデン(2920)に住む知的種族ダーフィガッサク(Derfi'gassak)は極度の外世界人嫌いのため、帝国への併合どころか接触すら拒みました。
 その時点から両星系は帝国偵察局によって進入禁止星系として隔離され、カギシュ(3019)の偵察局基地から見守られています。ダーフィガッサクは、これ以上の領土の拡大も帝国加盟も望んではいないようです。

オケアヌス領 Domain of Oceanus
 オケアヌス(3130)の政府は893年、拡大する人口に対応する農産物供給源を求めてメッカ(3129)に入植を行いました。その後、1063年に地殻が不安定となったオケアヌスで大災害が発生してほとんどの産業は壊滅し、世界は荒廃しました。
 現在、帝国は領内に安定を取り戻すために両世界で援助活動を行っています。

グラリン政府 Gralyn Assembly
 ドリンサール・ループ上にあるこの国には、グラリン(1735)、その衛星アスコアポイ、ボタニー・ベイ(1734)、そしてクテアリー(1733)にあるグラリン入植地が加盟しています。同時にこの国は、農業世界のアイキー(1634)を運営するアイキー開発信託社(Aikhiy Development Trust)をヴェニス(1534)と共同経営しています。
 -2000年頃、第二帝国の探検隊はアスコアポイにて原住民のドロインと接触し、両者には友好関係が結ばれました。その後-1893年までにアスコアポイには大使館や研究施設や交易所を兼ねた小さな入植地が建設され、-1780年には人類の人口は1000人になっていました。しかし第二帝国の崩壊により入植地は孤立し、退避命令を嘆願しに中央へ向かった偵察艦すら帰ってきませんでした。
 この頃からドロインにとって人類の存在は、収益源だったものが資源を浪費するだけの厄介者となってしまいました。さらには自分たちに牙を剥いて入植地を拡大し続けるのではないか、とも疑われました。解決策として選ばれたのは、衛星アスコアポイが周回する惑星クラルン(人類の発音ではグラリンと訛ります)への移住でした。クラルンはドロインには寒すぎる惑星ですが、人類には許容範囲内でした。かくして人類はグラリンに移り住み、定期便が両星を結び、ドロインの技術支援で人類は入植地を拡大していきました。
 暗黒時代の終わり頃、グラリンとアスコアポイは《略奪者》たちに対抗するために共同で惑星防衛艦網を構築しました。これは非常に効果的で、《略奪者》を迂回させるだけでなく、アスランの入植も阻みました。
 第三帝国時代のグラリンは、帝国とアスランの緩衝地帯であることを活かし、両勢力間の交易で利益を得ています(※同時にドリンサール・ループは帝国とソロマニ連合間の密輸ルートでもあります)。
 ボタニー・ベイにはグラリンの流刑植民地が693年に建設されましたが、その300年後にはグラリン本星の人口密度を低減させるために移民が始まりました。アスランの入植星系でもあるクテアリーには727年に入植が始まっています。アイキーを巡ってはヴェニスとの対立が先鋭化したので、両政府は1073年に開発信託会社を共同で設立して紛争を回避しました。
(※国名を「Gralyn Union」とする資料もありますが、それは『Traveller: The New Era』の帝国暦1200年の世界の話です)

ダグラス大公国 Grand Duchy of Douglass
 ダグラス大公国を代々治めているダグラス家は、公王国成立以前はカレドンの支配貴族でしたが、ダンダス家との権力闘争に敗れて現在のダグラスに亡命しました。その後、帝国暦103年に公王国との間に協定が結ばれて周辺2星系とともに独立国となりました。そういった経緯から、隣接するカレドン公王国とは緊密な政治面・経済面での協力関係を持ちます。ただいかに大公国が自治を喧伝していても、実際には属国として公王国の制御下にあることは否めません。通貨こそ独自のものを使用していますが、ダグラス軍はカレドン軍との一体化が進んでいて、実質的にカレドン軍の指揮下にあります。

マールハイム大公国 Grand Duchy of Marlheim
 マールハイム大公国は拡張主義的な全体主義国家です。首都はマールハイム(1230)に置かれ、現在の元首はユパール・ユガルド・ズダーラク女大公(Grand Dutchess, Yparu Ygald Zdarlaku)です。
 -300年頃にマールハイムとその植民地ペンダン(1231)のみで建国された大公国でしたが、次第に貴族が《略奪者》たちと癒着を始め、《略奪者》の時代が終わった400年代後半には元《略奪者》が貴族となっている有様でした。最後の「大公」が538年に後継者を遺さずに亡くなると、元《略奪者》の貴族たちが国を五分割して「縄張り争い」を続けました。
 932年、ユセフ・ズダーラク(Ysef Zdarlak)主任中尉が「自国」の元首を暗殺し、その後は権力と陰謀と金銭を駆使してマールハイムを統一しました。937年005日に自ら「マールハイム大公」に即位すると、出身の治安部隊を動かしてズダーラク家の独裁体制を固め、戦時体制を続けるために近隣星系を次々と征服していきました。最近では1101年にレストロウ(0926)を併合し、1114年にはエマリーン(1133)に侵攻しています。
 外交関係では、亡命した政敵を匿ったとして帝国やカレドン公王国やダンキニー連合を強く非難し、特に1113年にミラク(1127)で発生した「マクベス号事件(MacBeth Affair)」以来、大公国はダンキニー連合と断交し、連合からの全ての通商を封鎖しています(※また政敵にでっち上げた罪状の中に「アスランとの密通」を挙げ、国内に居た少数のアスランに対して弾圧も行ったので、反アスラン的な政策も採っていると思われます)。
 暗黒時代が明けた頃のマールハイムでは、銀河公用語の文法や《略奪者》の俗語だけでなく古代サイエやアスランの単語をも取り込んだ「カダール語(Kdaar)」が話されていました。しかしズダーラク家の独裁体制が確立すると、大公国政府は言語局(Linguistic Bureau)を設置して、新たに「マールダール語(Marldaar)」の普及を促進しました。これはカダール語を統治の都合に良いように改変したもので、「個性」や「異議」といった単語は存在せず、「反体制派」や「改革者」といった単語には侮蔑的な意味が付加されました。ただし大公国の支配階層は銀河公用語を流暢に話せます。

カーン世界連盟 Khan World League
 連盟はカーン(0817)から厳しく統治される《略奪者国家》の生き残りの一つです。隣接するイェディダー(0616)も連盟の一部でしたが、1031年に反乱を起こして離脱しました。また連盟は、ヘルンネ(0917)の帝国偵察局基地から監視されています。
 ちなみに連盟では《略奪者》の俗語から派生した独特な言語(言わば「カーン語」)を公用語としているので、銀河公用語での意思疎通に支障が出る可能性があります。

コラス統治領 Kolan Hegemony
 コラス(2313)を中心として、クラット(2315)、ロック(2214)の3星系は、実質上帝国の一部ではありますが、ナイトリム星域の帝国当局(※カレドン星域の帝国領はナイトリム星域から統治されています)からは行政的に独立しています。これはアスラン国境戦争末期からの長年の取り決めです。
 コラスはその当時《略奪者国家》の生き残りの一つで、現領土に加えてガッシュ(2116)、ジェリム(2416)、メル(2414)も傘下に収めていました。帝国はコラス領を宙域進出のための優れた橋頭堡として利用し、コラス領に自治権をもたせる形で条約が調印されました。時は流れて、ガッシュは統治領からも帝国からも離れ、ジェリムとメルは帝国が直接統治するようになりました。また、最近ではロックも統治領から離れようとしている模様です。それでもコラスは伝統に則って自治を強調し、領地を支配しています。
 なお、コラス出身の帝国軍人は優れた兵士としての高い評判を得ています。

ランヤード入植地 Lanyard Colonies
 この入植地はソロマニ連合市民によって995年に入植された星系群で、彼らは農産物や水産物の輸出のために連合の支援を受けていました。それぞれの星系には、その星を治めた最初の知事の名が付けられています。
 星系統治は、1008年まではそれぞれの世界の知事に任されていましたが、以後ソロマニ連合はこの星団をリーヴァーズ・ディープ宙域進出の前哨拠点と捉え、干渉を強めていきました。それは1096年に頂点に達しましたが、現在では連合の影響力は象徴的なものに落ち着いています。

清浄派同盟 Purity Union
 ピューリティ(2440)に入植が行われたのは、827年にソロマニ連合内の厳格な宗教集団「清浄派修道会(Order of Purity)」によってでした。当時彼らは隣接するアクウシル星域(ダークネビュラ宙域)でソロマニ当局の弾圧に遭っており、当時タラシスと呼ばれていた新天地に逃げ延び、星系名を今のものに変えました。
 883年、信仰を巡る議論の末、当時の修道会の長は異端信徒を極寒の世界であるアカスタス(2239)に追放しました。同時にこの流刑星の名をパーガトリィ(煉獄)と変え、人々を信仰に忠実にさせるために「煉獄」への恐怖心を利用するようになりました。
(※ソロマニ連合は宗教を否定はしていないので、弾圧に遭ったのは教義がソロマニ主義と相容れなかったか、治安維持上の理由が考えられます)

トリェトライ政府 Tlyetrai Assembly
 -75年に群小種族トリェトライは、母星ホア(0310)から亜光速船でルイワイウアー(0209)とトゥリン(0409)に入植を果たしました。以来何世紀もの間、植民地との交流は亜光速船のみによって細々と行われ、植民星は自治を謳歌していましたが、1086年にホアのトリェトライはようやくジャンプ能力を持つ宇宙船を入手し、技術水準で劣るルイワイウアー植民地の「再統合」を行いました。しかし「統一国家」を維持するその宇宙船は既に壊れ始めており、この国の先行きは不透明です。
(※一方、ホアとTLが同じであるトゥリン植民地は抵抗に成功して独立を守りました。現在トゥリン政府は防衛力を強化しており、その一環で外世界からの宇宙船は地表への直接着陸は許可されないため、必ず軌道宇宙港に停泊しなくてはなりません)


【企業・団体】
カレドン・ベンチャーズ Caledon Ventures, Ltd.
 カレドン(1815)に本社を置くカレドン系貿易会社の同社は、若い企業ながらもリーヴァーズ・ディープ宙域各地に積極的に交易を拡大していきました。アスラン系企業(特にトラサヤーラヘル)が独占しているエア星域各地の市場に風穴を開けるべく交易所を設置し、またその一方で数隻のA2型自由貿易商船による探査・通商任務を実施して、新市場の開拓によって会社を発展させています。

カーリル運輸 Carellines Ltd.
 冷徹で活発な貿易企業として知られるカーリル運輸はカーリル(2330)を本社とする国営企業で、利益のためなら「経費」を度外視する社風です。彼らの活動は海賊行為すれすれでありますが、リーヴァーズ・ディープ宙域独特の「緩い」統治情勢が彼らの業績向上を助けています。

ダカール・コーポレーション Dakaar Corporation
 ダカール(1821)に本社を置く同社は、ダカール星系自体の所有者でもあります。傘下企業には、ダカールのランサナム鉱山や他星系の鉱物資源開発を担う「ダカール・ミネラルズ」、小船団を運用して貿易を行う「ダカール・トレーディング」、リーヴァーズ・ディープ宙域の多くの世界で貨物の買い手と売り手を結びつけている「ダカール・ブローカーズ」、自社探査組織である「ダカール・サーベイズ」があります。
 ディープの独立星系に本拠を置く大企業にありがちなことですが、同社は業績向上のために非倫理的で不道徳な、明らかに非合法な活動にも手を染めています。「逮捕されそうにないなら、試す価値はある」という経営方針を持つ、かつての《略奪者》にも匹敵する悪辣な企業なのです。

スコティアン・ディープ貿易社 Scotian Deep Trading Company
 スターリング(1415)に拠点を置いていた貿易企業であるSDTCは、874年に交易所を建設したレジャップール(1218)でのジャイヘ貿易により急速に拡大し、1024年の王朝危機の際にはキャンベル卿(後のエドワード公王)を支援することによってスコティアン・ディープ星域内における権力と名声(経営者のロバート・アームストロングは、この功績により男爵位を授けられています)を得ました。
 しかし1108年のレジャップールでの反乱をきっかけに業績は傾き、1113年末にカレドン・ベンチャーズによる買収を受けて同社は吸収合併されました。

メデル・メガマート Medel's Mega Mart
 ジェリム(2416)に本社を置く帝国企業のメデル・メガマートは、リーヴァーズ・ディープ宙域とダイベイ宙域に展開する大型倉庫店の安売りチェーン店です。同社はシェイマス・メデルによって815年に創業され、帝国領内の大部分のA・B・Cクラス宇宙港世界、および非帝国の人口1億以上のAクラス宇宙港世界に合計約300店舗を出店しています(※創業300周年の1115年に300店目をカイスネス(リーヴァーズ・ディープ宙域 1217)に出店する見込みです)。
 同社の仕入先は基本的に地元世界からですが、星系外の高TL商品も一部取り扱っています。地元企業がないような世界では貨物船を借りて外部から商品を仕入れ、複数の宇宙港があるような世界では複数店舗を出店していることもあります。

ヴィルヘルム工業 Vilhelm Industries
 916年創業のヴィルヘルム工業は5世代に渡る家族経営企業で、現在の取締役会長兼最高経営責任者はウィリアム・モーガン・ヴィルヘルム2世(William Morgan Vilhelm II)です。彼はジェリム(2416)経済界の重鎮でもあります。
 同社はTL10~13の宇宙船の製造を主とし、同時に各地の不動産も多く取得しています。同社の活動範囲はリーヴァーズ・ディープ宙域とダイベイ宙域ですが、帝国領内だけでなく独立星系やソロマニ領も含まれています。
 この50年で同社は経営を多角化させ、数々の有望な中小企業を買収しています。また最近では、海軍武官のウィリアム・モーガン・ヴィルヘルム3世伯爵(※2世の末子ですが、海軍への功績により伯爵号を授与されています)とのパイプを通じて、帝国海軍から多くの契約を受注しています。
(※伯爵になるには皇帝の決裁が必要なので(男爵までなら大公の権限で授与できる)、よほど大きな功績を挙げた可能性もありますが、おそらくは知らずに設定を盛り過ぎたのでしょう。海軍の頂点ともいえる宙域艦隊提督も貴族界では男爵級の人事に過ぎないので、武官として勤続20年程度のウィリアム3世氏には士爵あたりが適切ではないかと思われます)

カレドン・ハイランダーズ Caledon Highlanders
 公王国海兵隊大佐だったウィリアム・フレーザー卿(Colonel Sir William Fraser)が退役直後の1098年に結成したこの傭兵部隊は、リーヴァーズ・ディープ宙域に加えて隣接する帝国やソロマニ領内でも、高い戦闘技術を持つ部隊という評判を得ています。
 しかし財政面に不安を抱える彼らは、現代戦に向いた装備(特に砲門や機甲車両)を十分に整える事が難しく、交戦相手が自分たちより技術面で劣るような勢力と多く契約しています。ただ幸運にも、ディープ宙域ではそういった状況は一般的です(※彼らはTL13で武装しています)。彼らは地元軍の最先鋒として戦う傍ら、徴兵された新兵や地元民兵の訓練も担当しています。
 ちなみに部隊の礼服は古代地球のスコットランド連隊(Black Watch)の流れを受け継ぎ、伝統的なキルト装束となっています。一方、野戦服は一般的な迷彩模様です。

テアーレイコイ Teahleikhoi
 リーヴァーズ・ディープ宙域で名高いアスラン傭兵部隊であるテアーレイコイ(「夕暮れの兵士団」などの意味)は、ウータア星域に本拠を置いています。約150年前に結成されたこの傭兵部隊は、イヤールア氏族(Iyhlua clan)の未婚女性が経営する企業の下にあります。
 同社の活動範囲はダークネビュラ宙域とリーヴァーズ・ディープ宙域で、アスラン氏族同士の戦争だけでなく、アスラン以外の恒星間政府とも契約していますが、これにより同社は氏族の影響力を広げているのです。
 テアーレイコイはラーレアフテア・ハリャワオウャ製の宇宙船を13隻保有しており、この高性能な船によって恒星間に展開する部隊の柔軟な機動性や制宙権や補給が支えられています。
(※名をTehleikhoiとする資料も存在します)

ラーレアフテア・ハリャワオウャ Larleaftea Hryawaowya
 最良のアスラン系造船会社としてリーヴァーズ・ディープ宙域中で有名な同社は、ロアア(0736)に造船所を構えており、その造船所には数々のアスラン氏族や企業が様々な用途(通商、探査、軍事など)の宇宙船を求めて訪れています。

トラサヤーラヘル Tlasayerlahel
 アスラン四大メガコーポレーションの中でも最大手であるトラサヤーラヘル(直訳すると「恒星間商社」)はイェーリャルイホ氏族の影響下にあり、同社の経営はイェーリャルイホ氏族の女性に委ねられています。氏族男性は経営方針を会社に示しはしますが、日々の管理はより適正のある女性によって行われています。
 トラサヤーラヘルは当初、イェーリャルイホ氏族領内の運輸を担うために設立されましたが、氏族の拡大に伴って同社も成長しました。現在ではアスラン領内全宙域の主要世界間の貨物や旅客の輸送を担っています。
 リーヴァーズ・ディープ宙域の成熟市場を求める同社は、カレドン系企業と激しく競争しています。


【参考文献】
・Ascent to Anekthor (Gamelords)
・Pilots Guide to the Drexilthar Subsector (Gamelords)
・Book 7: Merchant Prince (Game Designers' Workshop)
・Double Adventure 6: Night of Conquest (Game Designers' Workshop)
・Journal of the Travellers' Aid Society #12 (Game Designers' Workshop)
・Travellers' Digest #16 (Digest Group Publications)
・GURPS Traveller: Alien Race Vol.4 (Steve Jackson Games)
・GURPS Traveller: Humaniti (Steve Jackson Games)
・Traveller20: The Traveller's Handbook (QuickLink Interactive)
・Into the Deep #1,#2,#3,#4 (Brett Kruger)
・TAS-Net Library Data
・Traveller Wiki
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その他
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