宇宙の広大さが『トラベラー』の売りではあるのですが、プレイヤーが持てるようなジャンプ-1~2の低速船では逆にその広大さを持て余す局面もなくはないかと思われます。特にジャンプ-1のA型(R型)商船だと動く範囲をどうしても選ぶことになりますし。レフリーにしても設定(と準備)の乏しい星々に寄り道されないか、と不安にかられることもしばしでしょう。
じゃあ公式資料が豊富な星だけを押し込んで1星域作ればいいんじゃないの?…ということで、スピンワード・マーチ宙域の美味しいところだけを縮尺1/4で濃厚に抽出した、言わば「スピンワード・セクター」を作るに至りました。
……というのは後付けの理由で、この企画は2011年まで遡ります。当時、私は『第五次辺境戦争』を模したミニゲームの研究開発をやっていて(それが後に『Grenzkrieg: Spinward』として公開されます)、ミニゲームに相応しい規模の縮小版宙域図を制作した際の副産物として出来上がったのが1/4スケールのスピンワード・マーチ「星域」でした。
あくまでネタだったのでそれからどうすることもなかったのですが、先日「新訳最新版スピンワード・マーチ宙域」を制作した際に、資料探しの途中で懐かしいこれらのファイルが目に留まり、7年経って新資料も出てきた今ならもっと洗練した形で「星域図」が作れるんじゃないか?と思ったわけです。そして出来上がったのが、これです。
今回の企画は「Xボート網を形作るのに必要な星系」「惑星図など公式資料が多い星系」「シナリオの舞台となった星系」を中心にして、8×10ヘクスの星域図でスピンワード・マーチ宙域を再現したものです。80ヘクスに56星系を押し込んだのでかなり窮屈に見えますが、星系作成システムにおける「星域密度:濃密(1Dで3+)」で期待値から少し多めな程度です(とはいえ帝国内にこれだけ「濃い」星域はなかなか無いですが…)。1ヘクスは縮尺1/4なので当然4パーセク程度ですが、色々な所で空間の歪みが発生しているのはご愛嬌ということで。また、Xボート網の全体的な密度が上がることで星域図がA・Bクラス宇宙港や高人口世界や水のある世界ばかりとなるのも否めませんが、スピンワード・マーチ宙域は特にCクラス以下の宇宙港で低技術の世界が多くてSFゲームらしさが削がれていたのも事実であり、これは良し悪しでしょう。
実際にプレイに活用する人はいないでしょうけど、使うとするなら宇宙船のジャンプ能力に応じて1回の星系間移動で以下のような時間がかかることにすればいいでしょう。燃料消費についてはややこしくなるので、従来通りのジャンプ1回分と同じ量で済むとします。そして増槽による「ダブルジャンプ」は禁じ手です(本来ジャンプ-1では行けなかった星に行けるようになっているので、それで勘弁してください)。
ただ、隣の星まで2週間も4週間もかかるとなると、旅客輸送では冷凍(二等)寝台の活用が進みそうな気がします。その辺の調整を始めるときりがないので今回は見なかったことに……(大汗)。
では、ここからは各星系の設定資料がどこから得られるかを解説していきます。前提として、『GURPS Traveller: Behind the Claw』には宙域内全星系の設定が(量の多少はあれど)掲載されているので、本稿では基本的に省略しています。また、星系名の頭に「◎」印がある星系は、マングース版『Spinward Marches』に詳細設定が載っています。そして文中、『Journal of the Travellers' Aid Society』はJTAS誌、『Travellers' Digest』はTD誌と略しています。
◎クロナー 0101 A6369A5-D Z 高技 高人 810 Zh F8V 星域中心
ゾダーン領辺境方面の中心拠点として名高いですが、詳細な設定はと言うと『Behind the Claw』を経てマングース版『Spinward Marches』まで特にありませんでした。
ザマイン 0106 C897977-A 工業 高人 223 Da M3V
マイア 0107 A665A95-C M 高技 高人 緑地 110 Da K6V 国家首都 アスラン1割
基本的にダリアン連合領内で設定の記載があるのは『Alien Module 8: Darrian』(およびマングース版『Alien Module 3』)ぐらいです。
◎ミリアム 0109 B9998A6-A B A 514 Im G6V
ここには位置的にイメープ(B564500-B)を置くべきですが、マングース版『Spinward Marches』に詳細設定があるこちらを採用しました。
キャンドリー 0110 C593634-8 非工 R 920 Im F6V M3V ドロイン世界 太古種族遺跡
同じドロイン世界としては隣接するアンドー(C695735-9)の方が有名ですが、これだけ重大な設定がありそうな星なのに公式設定はほとんど存在しません。一方キャンドリーはGURPSの『Alien Races 3』に惑星図を含む詳細な設定があるため、こちらを採用しました。
シパンゴ 0201 A886865-C Z 高技 富裕 緑地 121 Zh G2V クロナー統治
マングース版『Spinward Marches』に海軍基地の規模が大きいことが記されている程度で、全くと言っていい程に設定が整備されていない星系です。ちなみに『Expedition to Zhodane』によると、第二次辺境戦争前まではここに帝国の星域首都が置かれていたそうです。
ニンジャー 0202 A311666-C Z 高技 非工 非農 氷結 410 Zh A4V 軍政
さほど設定はありません。マングース版『Spinward Marches』でもここは、「海軍基地の規模は哨戒艦や連絡艦程度が寄港する小さなもの」とだけ書かれているぐらいです。
ケリオン 0204 B554788-9 Z 農業 804 Zh G6V シェオル母星
星系自体の設定はほとんど無いのですが、知的種族シェオルについてはGURPSの『Alien Races 1』に詳細があります。
ノーシー 0206 B4326BB-C M 高技 非工 非農 貧困 A 620 Da M2V
◎ダリアン 0207 A463955-G 高技 高人 225 Da G1V D ダリアン人母星 アスラン数%
『AM8: Darrian』(およびマングース版『AM3』)を参照してください。ダリアン星系に関してはGURPSの『Humaniti』に惑星図が載っています。
カリン 0209 A767768-C A 高技 農業 富裕 緑地 A 410 Im G7V 軍政
JTAS誌19号掲載のアンバーゾーン・シナリオ「Small Package」の目的地となっています。
ウォンスター 0210 B555741-7 N 農業 A 910 Im M0V
Challenge誌38号掲載の「Boarding Party」の舞台…ではありますが、表題通りの乗り込み戦シナリオなので特に関係はありません。
(※なお、ミリアム、カリン、ウォンスターに関してはかつてTraveller Mailing Listsにてそれぞれ非公式設定が起こされています)
ファーリーチ 0301 A200400-B Z 真空 非工 A 415 Zh M3III M0V
シナリオ『Tripwire』に記載されているのが最も詳しい設定です(『Behind the Claw』での記述とは相容れないため、1105年設定なら『Tripwire』の方を採用した方が良いでしょう)。
◎ジュエル 0302 A777999-C A 工業 高技 高人 623 Im G7V
色々な資料で言及されることの多い星ではありますが、設定の掘り下げという意味では弱く、シナリオの舞台となったのは『Tripwire』ぐらいです。
ユートランド 0303 C573464-7 非工 410 Na M0V アーデン統治
シナリオ『Expedition to Zhodane』の序盤の舞台です。『Tripwire』にも記述があります。
◎アーデン 0304 B5549CB-9 高人 A 110 Na G4V M5V
「出国ビザ」型シナリオの元祖である「Stranded on Arden」(現在は電子版『Double Adventure 7』に収録)の舞台です。簡単ながら『Spinward Marches Campaign』『Tripwire』にも記載があります。また、宇宙港の様子についてはマングース版『Starports』に書かれています。
◎グラム 0306 A895957-C M 工業 高技 高人 603 Sw F2V M2V 国家首都
ナルシル 0307 B574A55-A M 工業 高人 224 Sw G6IV M0V
GURPS版『Sword Worlds』に惑星図込みの詳細な設定があります(※同名のマングース版に惑星図はありません)。
カラドボルグ 0308 B565776-A S 農業 富裕 710 Im F7V M0V M4V
ソードワールズ史に何度もその名が登場しますが、設定自体は『Behind the Claw』や『The Bowman Arm』に簡単にあるのみです(またGURPS版『Sword Worlds』には「カラドボルグ伯はルーニオン公の臣下」という記述があります)。またTD誌16号掲載のシナリオ「Sword of Arthur」の舞台でもあります。
◎ボウマン 0309 D000300-9 S 小惑 低人 831 Cs M0V
マングース版『Spinward Marches』や『The Bowman Arm』など様々な資料に記載はありますが、GDW版『Beltstrike』が最大最良の情報源です(※マングース版『Beltstrike』は別物なので間違えないでください)。
タルソス 0310 B584620-A 農業 非工 202 Cs K9V
GDWのモジュール『Tarsus』ひとつあれば全て事足ります。
ディノータム 0403 B739573-A N 非工 324 Im M2V
JTAS誌22号掲載のアンバーゾーン・シナリオ「Ventures Afar」の起点となり、『Spinward Marches Campaign』内の「Hundreds of Worlds」でも訪れています。
◎ガーダ=ヴィリス 0405 B978868-A S 512 Im M3V 傀儡政権
傭兵シナリオの代名詞『Broadsword(ブロードソード)』で有名な星であり、『Spinward Marches Campaign』内の「Hundreds of Worlds」にも関わっています。
(※ヴィリス本星が無いので「傀儡政権」に設定を変更しています。ガーダって何?というツッコミを回避するために、いっそのこと初めから星系名をタヌース(Tanoose)にしてしまうのも良いかもしれません)
サクノス 0406 A775956-C M 工業 高技 高人 801 Sw F9V M3V
グラムなどと同様に『Sword Worlds』が最大の情報源です。またTD誌20号掲載のシナリオ「The Hiawatha Gambit(ハイアワサ・ギャンビット)」の舞台でもあります(※1117年設定なのでそのまま流用はできませんが)。
◎ミスリル 0407 E568000-0 未開 001 Sw F4V 保護世界
シナリオ『Mission on Mithril(ミスリルでの使命)』で有名な星です。先日マングース2版対応のリメイク版『Mission to Mithril』も発売されました。
(※なお、Xボートはここを「飛び越して」いることに注意してください)
ダトリリアン 0408 E427633-8 非工 801 Na M1V
T20時代にAvengerから『System Guide 1: Datrillian』が出されていましたが、これが現在でも最大級の資料となっています。また、マングース2版の『Bowman Arm』にも簡単な設定紹介があります。
ウォルストン 0409 C544338-8 S 低人 302 Cs M2V ヴァルグル7割
惑星図を含む詳細な設定はマングース2版のシナリオ『High and Dry』(マングース初版時代は『Type S』)にあります(※惑星図を含まなければマングース2版の『Bowman Arm』にも記載があります)。またTD誌15号収録のシナリオ「Mistaken Identity」の舞台にもなりました。
◎パヴァビッド 0410 C6678D8-6 緑地 A 701 Na K7V
シナリオ『Divine Intervention』の舞台となる星です。神権政治の独立星系という興味深い設定なので採用しました。
イフェイト 0501 A646930-D B 工業 高技 高人 800 Im K4V 太古種族遺跡
過激派組織アイン・ギヴァーの活動が盛んなことで有名な星系ですが、意外にも詳細と言えるほどの設定はありません(各種資料を繋ぎ合わせるとそこそこの量にはなりますが)。JTAS誌掲載のアンバーゾーン・シナリオ「A Dagger at Efate(ダガーの帰還)」「The Birthday Plot」の舞台でもあります。
◎リジャイナ 0502 A788899-C A 高技 富裕 703 Im F7V BD M3V アミンディー母星2割 ヴァルグル数% アスラン数%
数々のシナリオ(『Imperial Fringe』『Kinunir(キンニール)』『Twilight's Peak(黄昏の峰へ)』『Secret of the Ancients』)の起点となり、まさに初期『トラベラー』の中心地だったこの星ですが、それが故にか設定の整備が進んだのは実はごく最近で、マングース版『Spinward Marches』を経て『Traveller5』の有料広報誌『Imperiallines』の第6号まで待たねばなりませんでした(※惑星図は先にDGPの『World Builders Handbook』に掲載)。
◎ダイナム 0503 D100535-A 真空 非工 201 Im A4V
本来Xボートが通過するのはダイナムン(B674632-9)の方ですが、シナリオ『Across the Brightface(焦熱面横断)』で惑星図を含む詳細な設定があるのでこちらをねじ込みました。JTAS誌8号ではアンバーゾーン・シナリオ「Crystals From Dinom」も掲載されています。GURPS『Star Marcs』には傭兵チケットが掲載されています。
ランス 0505 A879533-B A 非工 710 Im F5IV M1V
裂溝に浮かぶ交通・国防の要衝ですが、『Behind the Claw』以外にこれといった設定は載っていません。
アダビッキ 0507 A57189B-B N A 801 Im K8V M8V
古くはJTAS誌20号掲載の「偶然の遭遇」で登場する女艦長の故郷として設定されていたものの、これまで近隣のイアニック(E560697-5)やウォードン(B756486-B)と比べて設定量では押されていました。しかしマングース2版の『Lunion Shield Worlds』でようやく詳細な設定が用意されたのです。
マータクター 0510 B562732-B S 110 Im G1V
コンピュータゲーム『Star Crystal 1: The Volentine Gambit』の舞台となっていましたが、入手が容易な形で詳細な設定が用意されるのは『Traveller Compendium 2』収録のシナリオ「Spinward Fenderbender」までかかりました。
ヨーバンド 0601 C7C6503-9 非工 非水 220 Im M3V
シナリオ『Shadows(シャドウ)』の舞台として有名です(逆にこれが設定の全てでもあります)。
シオンシー 0602 X000742-8 小惑 非農 R 714 Im F6V
『Kinunir(キンニール)』収録のシナリオ「The Lost Ship」で訪れる星系です。レッドゾーン指定の理由は『The Traveller Book』では「小惑星帯の航行が危険なため」としていますが、それはもちろん表向きでしょう。『キンニール』やGDW版『Beltstrike』でも書かれていますが、この小惑星帯は太古種族の最終戦争で破壊された惑星の痕跡であり、『Regency Sourcebook』では遺物狙いの勇敢(もしくは無謀)な者が入り込んでいるとの記述があります。
(※ただ、この設定だと人口7は明らかに過剰です。1の誤植と拡大解釈してUWPを「X000100-8」と変更した方が良いかもしれません)
キーノウ 0603 C792348-7 S 低人 213 Im M3III M2V 刑務所
これまでは岩だらけの特に設定のない星でしたが、突如としてマングース版『Prison Planet』にて惑星図まで用意された刑務所星系となりました。現在の公式設定(T5SS)には認められてはいませんが、今回の企画でのみそれを反映させています。
ルーニオン 0606 A995984-D A 工業 高技 高人 810 Im G5V
LSPの宙域本社やルーニオン経済大学の存在などで知名度は高いものの、意外にもこれまで設定がほとんど用意されたことのない星系です。
マラスタン 0608 D868764-5 S 低技 農業 富裕 A 924 Im K7V 保護世界
『Mercenary(傭兵部隊)』では「部族抗争による内戦状態」だった星が『メガトラベラー』以降では「皇室御用達の自然保護星系」に変更されました…が、驚くべきことにGURPS版設定では「内戦状態」と「自然保護星系」の両方ともが有効とされています(水界8なので別大陸の話とすれば何とか…)。T5SSによる政治形態変更で内戦設定は使いづらくなりましたが、武闘派のレフリーがここを血生臭く演出しても決して設定無視ではないのです。
◎グリッスン 0609 A000986-F A 工業 高技 高人 小惑 非農 811 Im K9V
最初にここの設定が載ったのはTD誌15号でしたが、現在ではGURPSの『Planetary Survey 4』が最も詳細な資料となっています。
ジェセディピア 0701 C775300-7 低人 611 Im F4V ヴァルグル3割
『The Traveller Adventure(トラベラー・アドベンチャー)』で有名な星ですが、同時に『Alien Realms』収録のシナリオ「Prosperity for the Taking」の起点でもあります。正式に発売こそされませんでしたが『Traveller: Liftoff』の付属シナリオ「Escape from Outpost 14」の舞台もここでした。またJTAS誌18号では、この星原産の生物として「キノボリクモジシ(Tree Lion)」が紹介されています。
ディアン 0703 C9A769D-8 非工 非水 A 202 Im K5V
星系としての設定は『トラベラー・アドベンチャー』や『Behind the Claw』で簡単に触れられている程度ですが、GURPS版『Starports』でここのCクラス宇宙港が図解されています。
フューラキン 0704 A674210-D 高技 低人 810 Im G3V
シナリオ『Twilight's Peak(黄昏の峰へ)』で惑星図を含む詳細な設定が公表されています。
◎ライラナー 0705 A434934-F A 高技 高人 810 Im M2V
オラヴやアルベラトラといった歴代皇帝の出身地であり、ライラナー工科大学で名高いこの星ですが、マングース版の登場まで星系自体の設定はほとんどありませんでした。マングース版『Starports』では宇宙港の様子も記載されています。
キャレイ 0707 C579221-9 低人 910 Im M2V M2V
『Behind the Claw』以外に特に記述はありませんが、胞子植物で満たされた惑星という設定がSF心をくすぐります。
プリリッサ 0709 B985588-6 農業 非工 510 Im K4V
近隣には傭兵チケット「Thunder on Zyra」のザイラ(B555448-7)や、太古種族の遺跡を持つトラルサ(B590630-6)があるのですが、それらを押しのけて採用したのはひとえにここが騎乗動物キアン(Kian)の原産地だからです。キアンについてはJTAS誌9号か、マングース2版の『Garden Worlds』を参照してください。
ロビン 0710 C00059C-C 高技 小惑 非工 A 202 Im M2V
GDW版『Beltstrike』に設定が載っています。
◎ジュニディ 0801 B434ABD-B W 高人 A 210 Im F7V M2V ルルウィロリィ母星5割
『トラベラー・アドベンチャー』に詳しい情報が載っており、『Alien Realms』収録のシナリオ「Prosperity for the Taking」の舞台でもあります。
アラマンクス 0802 B657974-7 高人 緑地 210 Im G0V
『トラベラー・アドベンチャー』に惑星図を含む詳細な設定があります。また、『傭兵部隊』収録の「The Dream Ticket(夢のようなチケット)」、JTAS誌24号掲載のアンバーゾーン・シナリオ「Embassy in Arm」の舞台でもあります。
◎アラミス 0803 A6B0556-B A 砂漠 非工 710 Im M2V
『トラベラー・アドベンチャー』に都市地図を含む詳細な設定があります。
セレピナ 0804 B434456-9 A 非工 201 Im M2V
『Behind the Claw』ですら1行で済まされた程に設定のない星ですが、一方で「アラミス侯はセレピナ伯の臣下(よってアラミス圏は実はライラナー公領)」という設定もあったりします。あくまで非公式ですがファン作成のウェブサイトもあるので、そこから設定を拝借するのも良いかもしれません。
◎ヴェインジェン 0805 C686854-5 低技 富裕 緑地 520 Im G1V M0V チャーパー1割 研究基地γ
シナリオ『Research Station Gamma(研究基地ガンマ)』で有名な星です。後に『Alien Realms』収録のシナリオ「The Casteless」の舞台にもなりました。
◎モーラ 0806 AA99AC7-F A 工業 高技 高人 112 Im F0V 宙域首都
宙域首都でありながらGDW時代はほとんど手付かずだったこの星ですが、GURPSの『Behind the Claw』や『Starports』を経て、マングース版以降は一気に設定の整備が進みました。シナリオでは『Of Dust-Spice and Dewclaws』『A Festive Occasion』(『Traveller Compendium 2』に載録)の舞台となっています。
◎ネクシーン 0807 C97A443-8 S 海洋 非工 801 Im G9V M2V ネクシー人数%
GURPSの『Humaniti』にて惑星図(といっても海ばかりですが)を含む設定が記載されています。
カタルル 0808 B552665-B B 非工 貧困 201 Im M0V M9V 軍政
『Regency Sourcebook』などでカタルル基地がXボート等のパイロット訓練所として有名なことが記されていますが、それ以上の情報はこれまでありません。
◎トリン 0809 A894A96-F A 工業 高技 高人 101 Im G0V
現時点では『Behind the Claw』と『Spinward Marches』に設定を頼るのみです(合わせると結構な量になりますが)。
低速宇宙船でどこまでも行けて、小惑星あり海洋惑星あり非水惑星ありと様々な環境も体験でき(無いのは砂漠ぐらいでしょうか)、数々の冒険のネタもぎゅっと詰め込んだこの「スピンワード・セクター」。公式にこだわりつつ美味しいところだけ頂いてしまおうとしたのですが、いかがでしょうか?
じゃあ公式資料が豊富な星だけを押し込んで1星域作ればいいんじゃないの?…ということで、スピンワード・マーチ宙域の美味しいところだけを縮尺1/4で濃厚に抽出した、言わば「スピンワード・セクター」を作るに至りました。
……というのは後付けの理由で、この企画は2011年まで遡ります。当時、私は『第五次辺境戦争』を模したミニゲームの研究開発をやっていて(それが後に『Grenzkrieg: Spinward』として公開されます)、ミニゲームに相応しい規模の縮小版宙域図を制作した際の副産物として出来上がったのが1/4スケールのスピンワード・マーチ「星域」でした。
あくまでネタだったのでそれからどうすることもなかったのですが、先日「新訳最新版スピンワード・マーチ宙域」を制作した際に、資料探しの途中で懐かしいこれらのファイルが目に留まり、7年経って新資料も出てきた今ならもっと洗練した形で「星域図」が作れるんじゃないか?と思ったわけです。そして出来上がったのが、これです。
今回の企画は「Xボート網を形作るのに必要な星系」「惑星図など公式資料が多い星系」「シナリオの舞台となった星系」を中心にして、8×10ヘクスの星域図でスピンワード・マーチ宙域を再現したものです。80ヘクスに56星系を押し込んだのでかなり窮屈に見えますが、星系作成システムにおける「星域密度:濃密(1Dで3+)」で期待値から少し多めな程度です(とはいえ帝国内にこれだけ「濃い」星域はなかなか無いですが…)。1ヘクスは縮尺1/4なので当然4パーセク程度ですが、色々な所で空間の歪みが発生しているのはご愛嬌ということで。また、Xボート網の全体的な密度が上がることで星域図がA・Bクラス宇宙港や高人口世界や水のある世界ばかりとなるのも否めませんが、スピンワード・マーチ宙域は特にCクラス以下の宇宙港で低技術の世界が多くてSFゲームらしさが削がれていたのも事実であり、これは良し悪しでしょう。
実際にプレイに活用する人はいないでしょうけど、使うとするなら宇宙船のジャンプ能力に応じて1回の星系間移動で以下のような時間がかかることにすればいいでしょう。燃料消費についてはややこしくなるので、従来通りのジャンプ1回分と同じ量で済むとします。そして増槽による「ダブルジャンプ」は禁じ手です(本来ジャンプ-1では行けなかった星に行けるようになっているので、それで勘弁してください)。
ヘクス数 | ||||
1 | 2 | 3 | ||
ジ ャ ン プ 能 力 | 1 | 4週間 | ||
2 | 2週間 | |||
3 | 2週間 | 3週間 | ||
4 | 1週間 | 2週間 | ||
5 | 1週間 | 2週間 | 3週間 | |
6 | 1週間 | 2週間 | 2週間 |
ただ、隣の星まで2週間も4週間もかかるとなると、旅客輸送では冷凍(二等)寝台の活用が進みそうな気がします。その辺の調整を始めるときりがないので今回は見なかったことに……(大汗)。
では、ここからは各星系の設定資料がどこから得られるかを解説していきます。前提として、『GURPS Traveller: Behind the Claw』には宙域内全星系の設定が(量の多少はあれど)掲載されているので、本稿では基本的に省略しています。また、星系名の頭に「◎」印がある星系は、マングース版『Spinward Marches』に詳細設定が載っています。そして文中、『Journal of the Travellers' Aid Society』はJTAS誌、『Travellers' Digest』はTD誌と略しています。
◎クロナー 0101 A6369A5-D Z 高技 高人 810 Zh F8V 星域中心
ゾダーン領辺境方面の中心拠点として名高いですが、詳細な設定はと言うと『Behind the Claw』を経てマングース版『Spinward Marches』まで特にありませんでした。
ザマイン 0106 C897977-A 工業 高人 223 Da M3V
マイア 0107 A665A95-C M 高技 高人 緑地 110 Da K6V 国家首都 アスラン1割
基本的にダリアン連合領内で設定の記載があるのは『Alien Module 8: Darrian』(およびマングース版『Alien Module 3』)ぐらいです。
◎ミリアム 0109 B9998A6-A B A 514 Im G6V
ここには位置的にイメープ(B564500-B)を置くべきですが、マングース版『Spinward Marches』に詳細設定があるこちらを採用しました。
キャンドリー 0110 C593634-8 非工 R 920 Im F6V M3V ドロイン世界 太古種族遺跡
同じドロイン世界としては隣接するアンドー(C695735-9)の方が有名ですが、これだけ重大な設定がありそうな星なのに公式設定はほとんど存在しません。一方キャンドリーはGURPSの『Alien Races 3』に惑星図を含む詳細な設定があるため、こちらを採用しました。
シパンゴ 0201 A886865-C Z 高技 富裕 緑地 121 Zh G2V クロナー統治
マングース版『Spinward Marches』に海軍基地の規模が大きいことが記されている程度で、全くと言っていい程に設定が整備されていない星系です。ちなみに『Expedition to Zhodane』によると、第二次辺境戦争前まではここに帝国の星域首都が置かれていたそうです。
ニンジャー 0202 A311666-C Z 高技 非工 非農 氷結 410 Zh A4V 軍政
さほど設定はありません。マングース版『Spinward Marches』でもここは、「海軍基地の規模は哨戒艦や連絡艦程度が寄港する小さなもの」とだけ書かれているぐらいです。
ケリオン 0204 B554788-9 Z 農業 804 Zh G6V シェオル母星
星系自体の設定はほとんど無いのですが、知的種族シェオルについてはGURPSの『Alien Races 1』に詳細があります。
ノーシー 0206 B4326BB-C M 高技 非工 非農 貧困 A 620 Da M2V
◎ダリアン 0207 A463955-G 高技 高人 225 Da G1V D ダリアン人母星 アスラン数%
『AM8: Darrian』(およびマングース版『AM3』)を参照してください。ダリアン星系に関してはGURPSの『Humaniti』に惑星図が載っています。
カリン 0209 A767768-C A 高技 農業 富裕 緑地 A 410 Im G7V 軍政
JTAS誌19号掲載のアンバーゾーン・シナリオ「Small Package」の目的地となっています。
ウォンスター 0210 B555741-7 N 農業 A 910 Im M0V
Challenge誌38号掲載の「Boarding Party」の舞台…ではありますが、表題通りの乗り込み戦シナリオなので特に関係はありません。
(※なお、ミリアム、カリン、ウォンスターに関してはかつてTraveller Mailing Listsにてそれぞれ非公式設定が起こされています)
ファーリーチ 0301 A200400-B Z 真空 非工 A 415 Zh M3III M0V
シナリオ『Tripwire』に記載されているのが最も詳しい設定です(『Behind the Claw』での記述とは相容れないため、1105年設定なら『Tripwire』の方を採用した方が良いでしょう)。
◎ジュエル 0302 A777999-C A 工業 高技 高人 623 Im G7V
色々な資料で言及されることの多い星ではありますが、設定の掘り下げという意味では弱く、シナリオの舞台となったのは『Tripwire』ぐらいです。
ユートランド 0303 C573464-7 非工 410 Na M0V アーデン統治
シナリオ『Expedition to Zhodane』の序盤の舞台です。『Tripwire』にも記述があります。
◎アーデン 0304 B5549CB-9 高人 A 110 Na G4V M5V
「出国ビザ」型シナリオの元祖である「Stranded on Arden」(現在は電子版『Double Adventure 7』に収録)の舞台です。簡単ながら『Spinward Marches Campaign』『Tripwire』にも記載があります。また、宇宙港の様子についてはマングース版『Starports』に書かれています。
◎グラム 0306 A895957-C M 工業 高技 高人 603 Sw F2V M2V 国家首都
ナルシル 0307 B574A55-A M 工業 高人 224 Sw G6IV M0V
GURPS版『Sword Worlds』に惑星図込みの詳細な設定があります(※同名のマングース版に惑星図はありません)。
カラドボルグ 0308 B565776-A S 農業 富裕 710 Im F7V M0V M4V
ソードワールズ史に何度もその名が登場しますが、設定自体は『Behind the Claw』や『The Bowman Arm』に簡単にあるのみです(またGURPS版『Sword Worlds』には「カラドボルグ伯はルーニオン公の臣下」という記述があります)。またTD誌16号掲載のシナリオ「Sword of Arthur」の舞台でもあります。
◎ボウマン 0309 D000300-9 S 小惑 低人 831 Cs M0V
マングース版『Spinward Marches』や『The Bowman Arm』など様々な資料に記載はありますが、GDW版『Beltstrike』が最大最良の情報源です(※マングース版『Beltstrike』は別物なので間違えないでください)。
タルソス 0310 B584620-A 農業 非工 202 Cs K9V
GDWのモジュール『Tarsus』ひとつあれば全て事足ります。
ディノータム 0403 B739573-A N 非工 324 Im M2V
JTAS誌22号掲載のアンバーゾーン・シナリオ「Ventures Afar」の起点となり、『Spinward Marches Campaign』内の「Hundreds of Worlds」でも訪れています。
◎ガーダ=ヴィリス 0405 B978868-A S 512 Im M3V 傀儡政権
傭兵シナリオの代名詞『Broadsword(ブロードソード)』で有名な星であり、『Spinward Marches Campaign』内の「Hundreds of Worlds」にも関わっています。
(※ヴィリス本星が無いので「傀儡政権」に設定を変更しています。ガーダって何?というツッコミを回避するために、いっそのこと初めから星系名をタヌース(Tanoose)にしてしまうのも良いかもしれません)
サクノス 0406 A775956-C M 工業 高技 高人 801 Sw F9V M3V
グラムなどと同様に『Sword Worlds』が最大の情報源です。またTD誌20号掲載のシナリオ「The Hiawatha Gambit(ハイアワサ・ギャンビット)」の舞台でもあります(※1117年設定なのでそのまま流用はできませんが)。
◎ミスリル 0407 E568000-0 未開 001 Sw F4V 保護世界
シナリオ『Mission on Mithril(ミスリルでの使命)』で有名な星です。先日マングース2版対応のリメイク版『Mission to Mithril』も発売されました。
(※なお、Xボートはここを「飛び越して」いることに注意してください)
ダトリリアン 0408 E427633-8 非工 801 Na M1V
T20時代にAvengerから『System Guide 1: Datrillian』が出されていましたが、これが現在でも最大級の資料となっています。また、マングース2版の『Bowman Arm』にも簡単な設定紹介があります。
ウォルストン 0409 C544338-8 S 低人 302 Cs M2V ヴァルグル7割
惑星図を含む詳細な設定はマングース2版のシナリオ『High and Dry』(マングース初版時代は『Type S』)にあります(※惑星図を含まなければマングース2版の『Bowman Arm』にも記載があります)。またTD誌15号収録のシナリオ「Mistaken Identity」の舞台にもなりました。
◎パヴァビッド 0410 C6678D8-6 緑地 A 701 Na K7V
シナリオ『Divine Intervention』の舞台となる星です。神権政治の独立星系という興味深い設定なので採用しました。
イフェイト 0501 A646930-D B 工業 高技 高人 800 Im K4V 太古種族遺跡
過激派組織アイン・ギヴァーの活動が盛んなことで有名な星系ですが、意外にも詳細と言えるほどの設定はありません(各種資料を繋ぎ合わせるとそこそこの量にはなりますが)。JTAS誌掲載のアンバーゾーン・シナリオ「A Dagger at Efate(ダガーの帰還)」「The Birthday Plot」の舞台でもあります。
◎リジャイナ 0502 A788899-C A 高技 富裕 703 Im F7V BD M3V アミンディー母星2割 ヴァルグル数% アスラン数%
数々のシナリオ(『Imperial Fringe』『Kinunir(キンニール)』『Twilight's Peak(黄昏の峰へ)』『Secret of the Ancients』)の起点となり、まさに初期『トラベラー』の中心地だったこの星ですが、それが故にか設定の整備が進んだのは実はごく最近で、マングース版『Spinward Marches』を経て『Traveller5』の有料広報誌『Imperiallines』の第6号まで待たねばなりませんでした(※惑星図は先にDGPの『World Builders Handbook』に掲載)。
◎ダイナム 0503 D100535-A 真空 非工 201 Im A4V
本来Xボートが通過するのはダイナムン(B674632-9)の方ですが、シナリオ『Across the Brightface(焦熱面横断)』で惑星図を含む詳細な設定があるのでこちらをねじ込みました。JTAS誌8号ではアンバーゾーン・シナリオ「Crystals From Dinom」も掲載されています。GURPS『Star Marcs』には傭兵チケットが掲載されています。
ランス 0505 A879533-B A 非工 710 Im F5IV M1V
裂溝に浮かぶ交通・国防の要衝ですが、『Behind the Claw』以外にこれといった設定は載っていません。
アダビッキ 0507 A57189B-B N A 801 Im K8V M8V
古くはJTAS誌20号掲載の「偶然の遭遇」で登場する女艦長の故郷として設定されていたものの、これまで近隣のイアニック(E560697-5)やウォードン(B756486-B)と比べて設定量では押されていました。しかしマングース2版の『Lunion Shield Worlds』でようやく詳細な設定が用意されたのです。
マータクター 0510 B562732-B S 110 Im G1V
コンピュータゲーム『Star Crystal 1: The Volentine Gambit』の舞台となっていましたが、入手が容易な形で詳細な設定が用意されるのは『Traveller Compendium 2』収録のシナリオ「Spinward Fenderbender」までかかりました。
ヨーバンド 0601 C7C6503-9 非工 非水 220 Im M3V
シナリオ『Shadows(シャドウ)』の舞台として有名です(逆にこれが設定の全てでもあります)。
シオンシー 0602 X000742-8 小惑 非農 R 714 Im F6V
『Kinunir(キンニール)』収録のシナリオ「The Lost Ship」で訪れる星系です。レッドゾーン指定の理由は『The Traveller Book』では「小惑星帯の航行が危険なため」としていますが、それはもちろん表向きでしょう。『キンニール』やGDW版『Beltstrike』でも書かれていますが、この小惑星帯は太古種族の最終戦争で破壊された惑星の痕跡であり、『Regency Sourcebook』では遺物狙いの勇敢(もしくは無謀)な者が入り込んでいるとの記述があります。
(※ただ、この設定だと人口7は明らかに過剰です。1の誤植と拡大解釈してUWPを「X000100-8」と変更した方が良いかもしれません)
キーノウ 0603 C792348-7 S 低人 213 Im M3III M2V 刑務所
これまでは岩だらけの特に設定のない星でしたが、突如としてマングース版『Prison Planet』にて惑星図まで用意された刑務所星系となりました。現在の公式設定(T5SS)には認められてはいませんが、今回の企画でのみそれを反映させています。
ルーニオン 0606 A995984-D A 工業 高技 高人 810 Im G5V
LSPの宙域本社やルーニオン経済大学の存在などで知名度は高いものの、意外にもこれまで設定がほとんど用意されたことのない星系です。
マラスタン 0608 D868764-5 S 低技 農業 富裕 A 924 Im K7V 保護世界
『Mercenary(傭兵部隊)』では「部族抗争による内戦状態」だった星が『メガトラベラー』以降では「皇室御用達の自然保護星系」に変更されました…が、驚くべきことにGURPS版設定では「内戦状態」と「自然保護星系」の両方ともが有効とされています(水界8なので別大陸の話とすれば何とか…)。T5SSによる政治形態変更で内戦設定は使いづらくなりましたが、武闘派のレフリーがここを血生臭く演出しても決して設定無視ではないのです。
◎グリッスン 0609 A000986-F A 工業 高技 高人 小惑 非農 811 Im K9V
最初にここの設定が載ったのはTD誌15号でしたが、現在ではGURPSの『Planetary Survey 4』が最も詳細な資料となっています。
ジェセディピア 0701 C775300-7 低人 611 Im F4V ヴァルグル3割
『The Traveller Adventure(トラベラー・アドベンチャー)』で有名な星ですが、同時に『Alien Realms』収録のシナリオ「Prosperity for the Taking」の起点でもあります。正式に発売こそされませんでしたが『Traveller: Liftoff』の付属シナリオ「Escape from Outpost 14」の舞台もここでした。またJTAS誌18号では、この星原産の生物として「キノボリクモジシ(Tree Lion)」が紹介されています。
ディアン 0703 C9A769D-8 非工 非水 A 202 Im K5V
星系としての設定は『トラベラー・アドベンチャー』や『Behind the Claw』で簡単に触れられている程度ですが、GURPS版『Starports』でここのCクラス宇宙港が図解されています。
フューラキン 0704 A674210-D 高技 低人 810 Im G3V
シナリオ『Twilight's Peak(黄昏の峰へ)』で惑星図を含む詳細な設定が公表されています。
◎ライラナー 0705 A434934-F A 高技 高人 810 Im M2V
オラヴやアルベラトラといった歴代皇帝の出身地であり、ライラナー工科大学で名高いこの星ですが、マングース版の登場まで星系自体の設定はほとんどありませんでした。マングース版『Starports』では宇宙港の様子も記載されています。
キャレイ 0707 C579221-9 低人 910 Im M2V M2V
『Behind the Claw』以外に特に記述はありませんが、胞子植物で満たされた惑星という設定がSF心をくすぐります。
プリリッサ 0709 B985588-6 農業 非工 510 Im K4V
近隣には傭兵チケット「Thunder on Zyra」のザイラ(B555448-7)や、太古種族の遺跡を持つトラルサ(B590630-6)があるのですが、それらを押しのけて採用したのはひとえにここが騎乗動物キアン(Kian)の原産地だからです。キアンについてはJTAS誌9号か、マングース2版の『Garden Worlds』を参照してください。
ロビン 0710 C00059C-C 高技 小惑 非工 A 202 Im M2V
GDW版『Beltstrike』に設定が載っています。
◎ジュニディ 0801 B434ABD-B W 高人 A 210 Im F7V M2V ルルウィロリィ母星5割
『トラベラー・アドベンチャー』に詳しい情報が載っており、『Alien Realms』収録のシナリオ「Prosperity for the Taking」の舞台でもあります。
アラマンクス 0802 B657974-7 高人 緑地 210 Im G0V
『トラベラー・アドベンチャー』に惑星図を含む詳細な設定があります。また、『傭兵部隊』収録の「The Dream Ticket(夢のようなチケット)」、JTAS誌24号掲載のアンバーゾーン・シナリオ「Embassy in Arm」の舞台でもあります。
◎アラミス 0803 A6B0556-B A 砂漠 非工 710 Im M2V
『トラベラー・アドベンチャー』に都市地図を含む詳細な設定があります。
セレピナ 0804 B434456-9 A 非工 201 Im M2V
『Behind the Claw』ですら1行で済まされた程に設定のない星ですが、一方で「アラミス侯はセレピナ伯の臣下(よってアラミス圏は実はライラナー公領)」という設定もあったりします。あくまで非公式ですがファン作成のウェブサイトもあるので、そこから設定を拝借するのも良いかもしれません。
◎ヴェインジェン 0805 C686854-5 低技 富裕 緑地 520 Im G1V M0V チャーパー1割 研究基地γ
シナリオ『Research Station Gamma(研究基地ガンマ)』で有名な星です。後に『Alien Realms』収録のシナリオ「The Casteless」の舞台にもなりました。
◎モーラ 0806 AA99AC7-F A 工業 高技 高人 112 Im F0V 宙域首都
宙域首都でありながらGDW時代はほとんど手付かずだったこの星ですが、GURPSの『Behind the Claw』や『Starports』を経て、マングース版以降は一気に設定の整備が進みました。シナリオでは『Of Dust-Spice and Dewclaws』『A Festive Occasion』(『Traveller Compendium 2』に載録)の舞台となっています。
◎ネクシーン 0807 C97A443-8 S 海洋 非工 801 Im G9V M2V ネクシー人数%
GURPSの『Humaniti』にて惑星図(といっても海ばかりですが)を含む設定が記載されています。
カタルル 0808 B552665-B B 非工 貧困 201 Im M0V M9V 軍政
『Regency Sourcebook』などでカタルル基地がXボート等のパイロット訓練所として有名なことが記されていますが、それ以上の情報はこれまでありません。
◎トリン 0809 A894A96-F A 工業 高技 高人 101 Im G0V
現時点では『Behind the Claw』と『Spinward Marches』に設定を頼るのみです(合わせると結構な量になりますが)。
低速宇宙船でどこまでも行けて、小惑星あり海洋惑星あり非水惑星ありと様々な環境も体験でき(無いのは砂漠ぐらいでしょうか)、数々の冒険のネタもぎゅっと詰め込んだこの「スピンワード・セクター」。公式にこだわりつつ美味しいところだけ頂いてしまおうとしたのですが、いかがでしょうか?