宇宙の歩き方

The Astrogators' Guide to the Charted Space.

ソロマニ・リム戦争風ミニゲーム「ソロマニ・リム戦役」

2014-04-04 | Mini Game

 このゲームは、『インペリウム』(GDW/ホビージャパン/国際通信社)の時代から3400年が過ぎた西暦5522年初頭(帝国暦1001年後半)、「ソロマニ・リム戦争」の末期戦を簡易に再現したものです。ヴェガ星域を解放してディンジールまで進出した帝国海軍(Imperial Navy)は、最終目標である地球侵攻(Invasion Earth)を前にしてうるさく蠢動するソロマニ連合艦隊(Solomani Grand Fleet)の殲滅を狙い、ソロマニ軍はその地球侵攻を少しでも先に引き伸ばし、有利な講和条件を帝国から引き出すべく重要星系の奪還を目指します(※ソロマニ・リム戦争の経緯についてはこちらのヒストリカル・ノートを参照してください)。

 このゲームは、国際通信社のゲティスバーグ戦役』のルールを丸々利用しています。あらかじめダウンロードし、できればオリジナル版も遊んでみてください。

マップ カード

【遊び方】
 上のマップとカードを(クリックして)ダウンロードし(無圧縮版が必要な方はマップ上マップ下カード上カード下の4つの画像をそれぞれ結合してください)、A4の厚紙等に印刷します(※マップはハガキと同じ比率で設計したのでハガキへの印刷も可能ですが、可読性が大幅に落ちるのでやめておいた方が良いでしょう)。マップからユニット・カウンターを、そして6枚のカードもそれぞれ切り離します。また、カードは1枚が62mm×88mmのB8(トランプのポーカーサイズ)となるよう作ってあります。

 6面体ダイスを2個用意します。できれば色違いの物であれば良いですが、同色であっても「誰が何の目を出したか」が明確になるよう運用すれば問題ありません(加えて戦闘解決用のダイスが5個あれば便利です)。

 赤色の帝国軍ユニット7個をDINGIRに、青色のソロマニ軍ユニット3個をKIDASHIに配置します。GAME TURNマーカーはターントラックに置きます。4個あるソロマニカウンターは、1個は勝利点トラックの駒に、残る3個は「一度勝利点が得られた星系」に置く印として使ってください(※1点・1点・1点・2点と獲得した場合のみカウンターが足りなくなりますが、ご容赦ください)。3個あるBATTLEマーカーは、戦闘が発生した星系に置くとわかりやすくなるかもしれません。
 あとは『ゲティスバーグ戦役』のルールを適時読み替えて(北軍→帝国軍、町→星系、等)遊んでください。

【注意点】
 マップ上のオレンジ色の文字や、マップ外に向けて引かれている航路はただの飾りなので、ゲーム上何の意味も持ちません。よって、TERRAと書かれている場所にユニットを止めることはできませんし、HATHOR星系を守ると決めて敗れたユニットは「退路がない」ので全滅します。

 ソロマニ軍の「ウルフ任務部隊」が除去されてからでも「大提督イワン・ウルフ」の効果を使用することは可能です。

【史実風の艦隊配置にするには】
 帝国軍の戦艦戦隊を2個ずつ、巡洋艦戦隊を1個ずつDINGIRとLAGASHに配置し、余った巡洋艦ユニットをDINGIRに置いて始めます。同じカードに書かれた艦隊は別々の星系に配置すると良いでしょう。ただしゲームバランスが帝国軍側に傾くことが予想されます崩れる可能性があります。

【デザイナーズ?・ノート】
 前作『Grenzkrieg: SPINWARD』を公表した後、次回作はソロマニ・リム戦争でいこうと決めていました。「ソロマニの国章は島津家の家紋と同じだよな」というしょうもない理由から、ゲームジャーナル34号付録の『西南戦争1877』が使えないかな、と目星をつけていたのですが、しかしそのまま利用すると「もし地球陥落後に休戦しなかったら?」という仮想戦になってしまうことと(地球を模す予定の熊本城に官軍がいるので)、ゲーム自体にバランスに難点を抱えていること、何よりもルールが借り物なのでGJ34号を持っていないとプレイできない、という根本的な問題が解決できず、かといってオリジナルでゲームを作れるほどの才能はないので、このままゲーム化プロジェクトは棚上げになっていました。
 ところが、今年になって『ゲティスバーグ戦役』の存在を(遅ればせながら)知り、その簡素かつ評判の良いゲームシステムに魅せられるとともに、「これでソロマニ・リム戦争ができるんじゃね?」と宙域図に当てはめてみると……なかなかいい感じに再現できるではないですか。特に、昔も今も(?)交通の要所であるアジッダ星系を一大決戦地であるゲティスバーグの位置に置けそう、と判った時には「もうこれはやるしかない」と思いました。
 かくして暇を見つけては、ああでもないこうでもないとグラフィックツールをいじり倒し(99%完成したのに一から作り直しもしました(大汗))、『トラベラー』の公式設定に記された恒星の位置関係から足りない部分の非公式設定をでっち上げ(マップ上に記された恒星の半分は推測ですので、鵜呑みにしないでください)、そもそもソロマニ・リム戦争自体が和訳資料に乏しいので先にヒストリカル・ノートを用意し……と、作業を続けてようやく公開にこぎつけました。
 どうでもいいことですが、マップ上にテラを置かなかったのは、一時的とはいえ帝国軍がテラを「踏む」のは興冷めかな、というこだわりからです(少なくとも今回のゲーム内ではテラは両軍にとって重要な目標ではないですし)。こだわりといえば、帝国軍ユニットは全てGDWの『Invasion: Earth』に入っている艦隊だったりしますし、ソロマニ軍の各艦隊指揮官や両軍の総司令も『トラベラー』の史実上の人物を登場させてます。使用したフォントも『トラベラー』シリーズのどこかで見たようなやつを揃えてみました。この辺は「版権物ゲーム」として軽視できない部分ですしね。『インペリウム』をやりこんだ方には、3000年の時の流れをマップの差異に見出だせるようにもしてみました(「越すに越されぬシリウスの関」がもはやただの通過点に!)。
 前作同様ルール部分は丸々流用なので、正直言ってオリジナル版を遊んでも同じことではあるのですが、独ソ戦や南北戦争は興味なくても『トラベラー』のなら、という方もいないこともないでしょうから……(汗)。あくまで「ソロマニ・リム戦争風の」簡易なゲームですが、これを入り口に他ジャンルの色々なゲームにも興味を持っていただけたら作ったかいがあったというものです。
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