1100年代のジュリアン保護領を舞台とした旅や冒険に最適なのが、メンダン宙域と考えられます。ここは保護領国境であり、仮想敵であるガシカン第三帝政と〈帝国〉の両方に近いからです。ただしこの宙域は今でも〈帝国〉に対する根強い反感があるため、プレイヤー・キャラクターは始めからアシミキギル連合などのジュリアン市民としてしまう方が楽でしょう。
宙域の中心はメンダン・メインと呼ばれる、宙域を横断する長大な星系群であり、第三帝国と保護領の中枢を結んでガシカンまで通じています。以下に紹介するクーピッド星域はそのメインからは外れていますが、多様性に満ち、メンダン全体が今置かれている政治的・軍事的な葛藤の中心にあります。
(※メンダン宙域の星系設定は、設定者がUWPを「これは1065年当時のもので今は違うし、しかも帝国偵察局には偽情報を一部掴ませた」という体で設定を起こした上に、後のT5SSでUWPが更に改変されたため、現行のUWPと設定が噛み合わなくなっています。今回は設定やUWPをなるべく帳尻を合わせましたので、公式ではなく、あくまで独自設定だと思ってください)
クーピッド星域 Kupid Subsector
メンダン宙域のFに位置するクーピッド星域には30の星系があり、総人口は約11億人です。最も人口が多いのはクーピッドの10億人で、最も高いテクノロジーレベルはイリシ、クーピッド、カキグンの13です。
ジュリアン保護領の傘下に16星系が属し、その内9星系がメンダン共同体に加盟しています。中立星系のうち、9星系が人類世界、4星系がヴァルグル世界、1星系がドロイン居住世界です。
(※基地コード:K=海軍基地、M=軍事基地、C=海賊基地 なお、「軍事基地」とは海軍基地機能を持たない基地の総称のため、例えば保護領内の基地Mの星系にあるのは「遠護局基地」です)
(※国籍略号:JP=ジュリアン保護領、Jm=メンダン共同体、Na=人類系中立星系、Va=ヴァルグル系中立星系、Dr=ドロイン居住世界)
シュルカル Shurkar 0917 C599255-9 M 低人 G Na ヴァルグル2割
ここには恒星間国家の一員となることを長い間拒んできた小さな入植地があります。約400人の住民は全員が同じ「ヘレテック教団(heretech)」に属しており、傷んだ体の一部を同等の機械に置き換えて延命するサイバネティクス技術を信奉しています。住民は機能的な宇宙船を何隻か所有していて、補修部品や材料をレリジェム(メンダン宙域 0718 A562310-B)で定期的に入手しています。
この星は優れた防衛設備と人口の少なさ、そしてこの奇妙な風習が故にこれまでヴァルグル海賊の標的とならずに済んでいます。それどころか、戦闘で体の一部を失った海賊の中にはサイバー化して欲しさに信者となる者すらいます。
(※レリジェム星系もTL11のため、サイバー化技術には少し届いていません。「レリジェムはサイバー化技術だけ進んでいる」とするか、同じバンメシュカ星域には高技術星系が3つあるので、そのどれかから輸入されたものをレリジェムのAクラス宇宙港で買い付けている、とすれば筋が通ります)
アギランニラ Ugirunnir 0919 B9D8775-8 G Va
アギランニラは広大で寒冷な世界なため、人類よりは寒さに強いヴァルグルのみが居住しています。ガシカン第二帝政の時代には、人類に支配されない安住の地を求めた多くの逃亡ヴァルグルの避難先となりました。
この星系では様々な自治体がばらばらに形成されており、それぞれが最適と思われる手法で統治を行っています。自治体相互の協力関係は希薄ですが、紛争も少ないです。そして、同じヴァルグルでも海賊はここでは歓迎されません。
ジュリアン保護領がメンダン共同体を吸収して以降、この星の貿易量は増加し、人類に対する否定的な見方も和らいできています。
(※超濃厚大気に関する設定はありませんのでレフリーが用意する必要がありますが、大気D世界は「高地に居住している」が定番です)
アウハ・アー Oukh Ull 0920 C8575AB-8 C 農業・非工・緑地 A G Va 人類5割
この農業星系のヴァルグル住民は人類の農場主の奴隷でしたが、ガシカン第二帝政の崩壊とともにヴァルグル海賊がここを襲撃し、結果的に奴隷たちの反乱を手助けしました。
それ以来、海賊の長であるヴァイグヴォラ(Vaegvar)はこの星の慈悲深い独裁者となり、若い農民たちに海賊になるよう勧めています。実際、ヴァルグル海賊団アイキ・アイゴ(Aek Aeg)の構成員の多くは、この星の出身者が占めています。
キガバラ Kigabala 1116 C200365-8 M 真空・低人 G Na ヴァルグル4割
キガバラはユーカジューク(Uekdhuegh)率いるヴァルグル海賊に制圧された小さなドーム型入植地で、7000人の住民は命の危険に晒されています。
ちなみにユーカジュークは、ガシカン第二帝政の残滓に破壊と破滅をもたらすことを目的とした大海賊団アイキ・アイゴの幹部でもあります。
(※政治6の解釈でこのような設定ができたと思われます。現行設定ではクーピッド(1316)の統治下にありますが、こちらだけメンダン共同体入りしてないのもおかしいため削除しました)
イリシ Irisi 1315 A530463-D 高技・砂漠・非工・貧困 G Jm ヴァルグル4割 クーピッド統治
イリシはクーピッドの植民地として約150年の歴史があり、悪環境ながらも繁栄を続けています。
クーピッド Kupid 1316 A99A978-D K 海洋・工業・高技・高人 G Jm ヴァルグル1割
この星域におけるメンダン共同体の中心星系である海洋世界のクーピッドは、天然資源と固有の水生生物に満ちています。気流を利用して繁殖する海棲生物によって大気は汚染されており、特定の季節には(ほとんど害はないとはいえ)肺感染症を防ぐためにフィルタマスクを装着することが推奨されています。
このクーピッドからジャンプ-1で行き来可能な小星系群を総称して「クーピッド星団(Kupid Cluster)」と呼びます。
(※設定上ここを星図上の貿易・通信路が通らないのは不自然であり、旧設定では確かに通っていたのですが、現在の設定ではおそらく誤植でイリシを経由しているので独自に修正しました)
ウマスル Umasur 1317 B888449-A M 非工 G Jm ヴァルグル3割
この星は、破滅的な混乱状態から近代的な星系へと変わりつつあります。地表には天然資源が豊富にあって大きな可能性を秘めていますが、産業インフラが整っていないためにこれまで発展を阻まれていました。TL10の新しい技術は地元の人々の再訓練に焦点を当てながら慎重に導入され、限定的な移民と出産への補助金支給によって人口は数十年前と比べて遥かに増加(※人口4が6に)しています。
(※旧設定ではTL7でした。また前述した通り、ここに限らず保護領内の基地コードMは「遠護局(ファーガード)基地」を表します)
ギイヌルムウ Giinurmuu 1417 B200411-C K 高技・真空・非工 G Jm ヴァルグル7割
ここは、3つのガス惑星の衛星に鉱物資源が見つからなければ入植すらされなかったであろう星系です。ここの実質上の「主要世界」は惑星でも衛星でもなく、ジャンプ点近くに建設された採掘基地「ギイヌルムウ・ステーション」です。
この星の採掘者のほとんどはメンデレス社の資源開発事業部に属していて、採掘基地は加工と出荷の拠点として稼働しています。ギイヌルムウ・ステーションには星系内の採掘船を修理するための小さな造船所があり、また、地元の鉱夫たちのための娯楽施設や居住区が用意されています。
カキグン Kakigun 1517 A7AA753-D 海洋・高技・非水 A G Jm ヴァルグル4割
惑星カキグンはメタンの異種大気で、住民のほとんどは希少な陸地の小さな都市に住んでいます。
この星は現在、スターレギオンの封鎖下にあります。ガシカンの工作員が仕組んだと思われる種族間の争いにより、憎しみの地雷原と化しているのです。メンダン共同体の代理人は対立派閥の武装解除や停戦に持ち込むことができず、スターレギオンの介入を要請しました。しかしそれ以降も状況は悪化しており、技術レベルや文化的行為が著しく低下しています。かつて栄華を誇ったAクラス宇宙港も、今ではCクラス相当のサービスしか提供できなくなっています。
(※ここは旧設定ではTL7のレッド・トラベルゾーンでした。レギオンの介入でアンバー程度にまで抑え込まれているが、生産水準は実質TL7まで低下していると解釈すべきでしょう)
サミット Summit 1518 C9D87CC-6 M A G JP ヴァルグル3割
サミットは大型な世界で、いくつかの巨大山脈の頂上部に居住可能な地帯が存在します(そしてこれが星系名の由来です)。地元の人々にはヴァルグルに対する古風な偏見が今もあり、保護領から追い出されないためにもそれを抑え込むよう星系政府は強権的で、治安レベルも高く保たれています(※将来の民主化と規制緩和は公約されています)。その努力もあって反ヴァルグル感情は低下しつつありますが、特にヴァルグルの旅行者は今も注意が必要な星であることに変わりはありません。
ディダグド Didagud 1617 D647577-6 農業・非工 G Jm ヴァルグル3割
この星の大気汚染の原因は、発電や暖房で石炭に大きく依存しているためです。メンダン共同体はディダグドを星域中に農産物を広く供給できる可能性のある星と見て、大気を浄化するために水力発電などを導入するよう働きかけています。
ディダグドには未だに様々な国家が混在していますが、農産物輸出が定期的に行われるようになってから、星系政治にも安定した影響が出始めています。
(※星域設定補足:中立星系にある各種基地ですが、それらの多くの星の人口規模では単独で維持できるとは思えません。特にアマアズ(1411)は旧設定では基地コードMでしたが、誤植によってか「宇宙港Cなのに海軍基地があったニイムダル(1320)」と入れ替えられたのか、人口1なのにも関わらず海軍基地を持たされています。解釈としては「ガシカン第二帝政時代の遺構」としてしまう手もあります)
【ライブラリ・データ】
ケンギコン Kengighon 0122 C30078B-9 C 真空・非農 A G Va 人類2割
メンダン宙域で未だに奴隷制がある世界の一つです。かつてはヴァルグルには厳しい、時に無慈悲な扱いがなされていましたが、1110年に起きた反乱でヴァルグルは人類を奴隷にし、これまで受けた仕打ち以上に残忍な扱いをしています。この事件に対し、ガシカンやジュリアンが介入すべきなのか、またどのように行うべきかを巡って、今でも多くの論争を引き起こしています。
クフェッラン Kferrun 1126 E568000-0 未開 A G JP
スターレギオンは「安全保障上の理由」で、この何もないはずの星系になぜか介入を行いました。
実は古い星図ではこの星系に数百万人のヴァルグルが居住していたことになっており、ここで生物兵器の人体実験が行われたのではないかとの疑惑が浮上しています。その中には、ガシカン第二帝政が狼滅計画で使用したものも含まれているはずだと。
スターレギオンはこれらの疑惑を古い情報自体が元々誤りだと説明していますが、陰謀論者は駐留部隊が(保護領では極めて異例の)人類のみで構成されているのがその証拠であると指摘しています。
デキイ Dekhii 1321 A57A89C-A 海洋 A G JP ヴァルグル7割
ヴァルグルと人類がほぼ半々に土地を分け合っているデキイでは、両種族がこの海洋世界の唯一の島の支配権を巡って、約100年間も争っています。
ルムダ Lumda 1329 A4009A6-D 工業・高技・高人・真空・非農 G Jl ヴァルグル4割 ルムダ首都
ルムダ星系はルムダ寡婦産国の首都であり、ルムダ星域の中心です。この星に最初に入植した時は豊富な鉱物資源目当てでしたが、ジュリアン戦争の際に周辺星系から資本が引き揚げられた結果、行政の中心地にまでなったのです。
(※各種設定との兼ね合いで、現行の政治7を旧設定のAに差し戻しました)
ラスラ Lasla 1634 A532ABA-E 高技・高人・非農・貧困 G Jp ヴァルグル4割 ピルバリシュ首都
ラスラはピルバリシュ星連の首都ですが、かつてのジュリアン戦争の際には〈帝国〉占領地域での抵抗運動やゲリラ活動を支える秘密拠点として活躍しました。メンダン・メイン上にあることから現在では貿易や商業の中心地となっており、メンデレス社の輸送通信事業部本部や、帝国事業部の主要支社が置かれています。近隣のヴァルグル国家からのほとんどの物流は、このラスラを経由してウホンジ平等国など保護領各国へと向かっていきます。
オジロケ Ozrake 1822 B533776-9 M 非農・貧困 A G Jv ヴァルグル3割 ヴグロラ首都
この星系にある7国のうち、5国はヴグロラ統治国に加盟していますが、残る2国は統治国にも保護領にも正式加盟していないため、保護領も手を出せません。
ちなみにオジロケには「ハフェスト・ロッキ種族間関係研究所(Khfesto Rrak Institute of InterSpecies Relations)」という、人類やヴァルグルを社会学的に研究する有名な学術機関があります。
ググド Gugud 2330 D6638AE-6 A G Ja ヴァルグル6割
この星では、種族ごとに職業に制限があります。例えば、人類は医学や科学や工学に関連する高度技術の専門職に、ヴァルグルは弁護士や経営者や管理職、販売やサービス業などに就いています。他種族の仕事をすることは違法であり、厳しく取り締まられます。
エサソラ Esusar 2435 A79A658-D K 海洋・高技・非工 G Ju ヴァルグル3割 ウホンジ首都
ウホンジ平等国の首都であるエサソラは、海上に浮かぶ唯一の都市に200万人の人々が住んでいます。人口の7割は人類ですが権力はヴァルグルの方が強く、社会の役職の6割はヴァルグルが占めています。これらのヴァルグルの多くは、かつて〈帝国〉から逃れてきた難民の子孫のため、反帝国感情が保護領の他国よりも残っているのが実情です。
この星系の経済面での影響力の強さは、ウィンドホーン宙域方面との貿易によるものです。
シャイジ Thaedh 2634 B578888-A K G Ju ヴァルグル3割
数百年前からヴァルグルと人類が入植し、それぞれが別々の地域に居住していますが、一つの星系政府が統治を行っています。ヴァルグル地域は順調に発展してTL10の恩恵を十分に得られていますが、人類地域は発展途上であり、しかもヴァルグル側からの援助を拒み続けています。
メンダン Mendan 2909 A768988-E K 高技・高人 G Jm メンダン首都
第一帝国時代のメンダンは、商業・軍事・文化のあらゆる面でメンダン・メインを通じてヴィラニ人統治の中心的な役割を果たしていました。
ガシカン第二帝政の崩壊後、メンダンおよびメンダンが統治する世界の多くは第三帝政ではなくジュリアン保護領との提携を選びました。これらの世界は現在「メンダン共同体」を形成しており、メンダンはその首都となっています。
保護領に加盟して以来、種族間の憎しみの過去を克服するための強い努力が一定の成果を上げています。保護領の他の国家との貿易量の増加と、メンダン自身の影響力が相まって、宙域のコアワード方面全体に寛容さが広がっています。近年、メンダンは社会問題に積極的なメンデレス社と手を組み、人々の寛容の模範となるように影響力の高い役職にヴァルグルを積極的に登用しています。
ニイマグ Niimag 3016 C565731-8 M 農業 JP ヴァルグル6割
ヴァルグルが多数派の世界ですが、人類は貴族、ヴァルグルは召使いとして共存しています。人類はヴァルグルの福祉を真剣に考え、ヴァルグルは誇りを持って人類に忠誠を捧げています。よって、ヴァルグルを「解放」しようなどとする外世界人に対しては激しく抵抗します。
(※元々はユーリジ(1124 C42276B-9)の設定でしたが、内容とUWPが全く噛み合わなくなってしまったので、この星に独自に移植しました)
【参考文献】
・Challenge #49 (Game Designers' Workshop)
・Julian Protectorate (Angus McDonald)
・Zhodani Base
宙域の中心はメンダン・メインと呼ばれる、宙域を横断する長大な星系群であり、第三帝国と保護領の中枢を結んでガシカンまで通じています。以下に紹介するクーピッド星域はそのメインからは外れていますが、多様性に満ち、メンダン全体が今置かれている政治的・軍事的な葛藤の中心にあります。
(※メンダン宙域の星系設定は、設定者がUWPを「これは1065年当時のもので今は違うし、しかも帝国偵察局には偽情報を一部掴ませた」という体で設定を起こした上に、後のT5SSでUWPが更に改変されたため、現行のUWPと設定が噛み合わなくなっています。今回は設定やUWPをなるべく帳尻を合わせましたので、公式ではなく、あくまで独自設定だと思ってください)
クーピッド星域 Kupid Subsector
ギルール 0911 C776431-7 M 非工 G Na ヴァルグル2割 ウドゥビ 0913 C5657BC-6 M 農業 A G Na ヴァルグル1割 アルキム 0914 C564696-6 M 農業・非工・富裕 G Na ヴァルグル2割 シュルカル 0917 C599255-9 M 低人 G Na ヴァルグル2割 アギランニラ 0919 B9D8775-8 G Va アウハ・アー 0920 C8575AB-8 C 農業・非工・緑地 A G Va 人類5割 ヴァッチャーショ 1011 B420634-8 砂漠非工非農貧困 G Dr ドロイン4割 ニピトガ 1012 E774433-5 低技・非工 G Va 人類1割 イングシイム 1113 C72547B-7 M 非工 G Na ヴァルグル6割 キガバラ 1116 C200365-8 M 真空・低人 G Na ヴァルグル4割 シャーウトー 1118 D550244-6 砂漠・低人・貧困 G Na スペクタクル 1119 D548426-7 非工 G JP ヴァルグル5割 カキミル 1211 BADA554-A K 海洋・非工 G Va ヴウォバウー 1218 CAB9686-9 非工・非水 A G JP ヴァルグル4割 キイリシャル 1220 A100499-C 高技・真空・非工 A G JP ヴァルグル1割 ミコニー 1313 C583541-9 非工 G Na イリシ 1315 A530463-D 高技砂漠非工貧困 G Jm ヴァルグル4割 クーピッド統治 クーピッド 1316 A99A978-D K 海洋工業高技高人 G Jm ヴァルグル1割 ウマスル 1317 B888449-A M 非工 G Jm ヴァルグル3割 ニイムダル 1320 C000412-8 M 小惑・非工 JP ヴァルグル6割 アマアズ 1411 B7CA131-9 K 海洋・低人・非水 G Na ギイヌルムウ 1417 B200411-C K 高技・真空・非工 G Jm ヴァルグル7割 ダクド 1513 E969000-0 未開 G Jm カキグン 1517 A7AA753-D 海洋・高技・非水 A G Jm ヴァルグル4割 サミット 1518 C9D87CC-6 M A G JP ヴァルグル3割 オッハイル 1520 B300745-A 真空・非農 G JP ヴァルグル2割 クビリイン 1613 B568556-C K 高技・農業・非工 G Jm ヴァルグル2割 コッシュニヒ 1615 C430100-C 高技砂漠低人貧困 G Jm ディダグド 1617 D647577-6 農業・非工 G Jm ヴァルグル3割 クヌークスング 1619 A69A534-C 海洋・高技・非工 G JP ヴァルグル5割
メンダン宙域のFに位置するクーピッド星域には30の星系があり、総人口は約11億人です。最も人口が多いのはクーピッドの10億人で、最も高いテクノロジーレベルはイリシ、クーピッド、カキグンの13です。
ジュリアン保護領の傘下に16星系が属し、その内9星系がメンダン共同体に加盟しています。中立星系のうち、9星系が人類世界、4星系がヴァルグル世界、1星系がドロイン居住世界です。
(※基地コード:K=海軍基地、M=軍事基地、C=海賊基地 なお、「軍事基地」とは海軍基地機能を持たない基地の総称のため、例えば保護領内の基地Mの星系にあるのは「遠護局基地」です)
(※国籍略号:JP=ジュリアン保護領、Jm=メンダン共同体、Na=人類系中立星系、Va=ヴァルグル系中立星系、Dr=ドロイン居住世界)
シュルカル Shurkar 0917 C599255-9 M 低人 G Na ヴァルグル2割
ここには恒星間国家の一員となることを長い間拒んできた小さな入植地があります。約400人の住民は全員が同じ「ヘレテック教団(heretech)」に属しており、傷んだ体の一部を同等の機械に置き換えて延命するサイバネティクス技術を信奉しています。住民は機能的な宇宙船を何隻か所有していて、補修部品や材料をレリジェム(メンダン宙域 0718 A562310-B)で定期的に入手しています。
この星は優れた防衛設備と人口の少なさ、そしてこの奇妙な風習が故にこれまでヴァルグル海賊の標的とならずに済んでいます。それどころか、戦闘で体の一部を失った海賊の中にはサイバー化して欲しさに信者となる者すらいます。
(※レリジェム星系もTL11のため、サイバー化技術には少し届いていません。「レリジェムはサイバー化技術だけ進んでいる」とするか、同じバンメシュカ星域には高技術星系が3つあるので、そのどれかから輸入されたものをレリジェムのAクラス宇宙港で買い付けている、とすれば筋が通ります)
アギランニラ Ugirunnir 0919 B9D8775-8 G Va
アギランニラは広大で寒冷な世界なため、人類よりは寒さに強いヴァルグルのみが居住しています。ガシカン第二帝政の時代には、人類に支配されない安住の地を求めた多くの逃亡ヴァルグルの避難先となりました。
この星系では様々な自治体がばらばらに形成されており、それぞれが最適と思われる手法で統治を行っています。自治体相互の協力関係は希薄ですが、紛争も少ないです。そして、同じヴァルグルでも海賊はここでは歓迎されません。
ジュリアン保護領がメンダン共同体を吸収して以降、この星の貿易量は増加し、人類に対する否定的な見方も和らいできています。
(※超濃厚大気に関する設定はありませんのでレフリーが用意する必要がありますが、大気D世界は「高地に居住している」が定番です)
アウハ・アー Oukh Ull 0920 C8575AB-8 C 農業・非工・緑地 A G Va 人類5割
この農業星系のヴァルグル住民は人類の農場主の奴隷でしたが、ガシカン第二帝政の崩壊とともにヴァルグル海賊がここを襲撃し、結果的に奴隷たちの反乱を手助けしました。
それ以来、海賊の長であるヴァイグヴォラ(Vaegvar)はこの星の慈悲深い独裁者となり、若い農民たちに海賊になるよう勧めています。実際、ヴァルグル海賊団アイキ・アイゴ(Aek Aeg)の構成員の多くは、この星の出身者が占めています。
キガバラ Kigabala 1116 C200365-8 M 真空・低人 G Na ヴァルグル4割
キガバラはユーカジューク(Uekdhuegh)率いるヴァルグル海賊に制圧された小さなドーム型入植地で、7000人の住民は命の危険に晒されています。
ちなみにユーカジュークは、ガシカン第二帝政の残滓に破壊と破滅をもたらすことを目的とした大海賊団アイキ・アイゴの幹部でもあります。
(※政治6の解釈でこのような設定ができたと思われます。現行設定ではクーピッド(1316)の統治下にありますが、こちらだけメンダン共同体入りしてないのもおかしいため削除しました)
イリシ Irisi 1315 A530463-D 高技・砂漠・非工・貧困 G Jm ヴァルグル4割 クーピッド統治
イリシはクーピッドの植民地として約150年の歴史があり、悪環境ながらも繁栄を続けています。
クーピッド Kupid 1316 A99A978-D K 海洋・工業・高技・高人 G Jm ヴァルグル1割
この星域におけるメンダン共同体の中心星系である海洋世界のクーピッドは、天然資源と固有の水生生物に満ちています。気流を利用して繁殖する海棲生物によって大気は汚染されており、特定の季節には(ほとんど害はないとはいえ)肺感染症を防ぐためにフィルタマスクを装着することが推奨されています。
このクーピッドからジャンプ-1で行き来可能な小星系群を総称して「クーピッド星団(Kupid Cluster)」と呼びます。
(※設定上ここを星図上の貿易・通信路が通らないのは不自然であり、旧設定では確かに通っていたのですが、現在の設定ではおそらく誤植でイリシを経由しているので独自に修正しました)
ウマスル Umasur 1317 B888449-A M 非工 G Jm ヴァルグル3割
この星は、破滅的な混乱状態から近代的な星系へと変わりつつあります。地表には天然資源が豊富にあって大きな可能性を秘めていますが、産業インフラが整っていないためにこれまで発展を阻まれていました。TL10の新しい技術は地元の人々の再訓練に焦点を当てながら慎重に導入され、限定的な移民と出産への補助金支給によって人口は数十年前と比べて遥かに増加(※人口4が6に)しています。
(※旧設定ではTL7でした。また前述した通り、ここに限らず保護領内の基地コードMは「遠護局(ファーガード)基地」を表します)
ギイヌルムウ Giinurmuu 1417 B200411-C K 高技・真空・非工 G Jm ヴァルグル7割
ここは、3つのガス惑星の衛星に鉱物資源が見つからなければ入植すらされなかったであろう星系です。ここの実質上の「主要世界」は惑星でも衛星でもなく、ジャンプ点近くに建設された採掘基地「ギイヌルムウ・ステーション」です。
この星の採掘者のほとんどはメンデレス社の資源開発事業部に属していて、採掘基地は加工と出荷の拠点として稼働しています。ギイヌルムウ・ステーションには星系内の採掘船を修理するための小さな造船所があり、また、地元の鉱夫たちのための娯楽施設や居住区が用意されています。
カキグン Kakigun 1517 A7AA753-D 海洋・高技・非水 A G Jm ヴァルグル4割
惑星カキグンはメタンの異種大気で、住民のほとんどは希少な陸地の小さな都市に住んでいます。
この星は現在、スターレギオンの封鎖下にあります。ガシカンの工作員が仕組んだと思われる種族間の争いにより、憎しみの地雷原と化しているのです。メンダン共同体の代理人は対立派閥の武装解除や停戦に持ち込むことができず、スターレギオンの介入を要請しました。しかしそれ以降も状況は悪化しており、技術レベルや文化的行為が著しく低下しています。かつて栄華を誇ったAクラス宇宙港も、今ではCクラス相当のサービスしか提供できなくなっています。
(※ここは旧設定ではTL7のレッド・トラベルゾーンでした。レギオンの介入でアンバー程度にまで抑え込まれているが、生産水準は実質TL7まで低下していると解釈すべきでしょう)
サミット Summit 1518 C9D87CC-6 M A G JP ヴァルグル3割
サミットは大型な世界で、いくつかの巨大山脈の頂上部に居住可能な地帯が存在します(そしてこれが星系名の由来です)。地元の人々にはヴァルグルに対する古風な偏見が今もあり、保護領から追い出されないためにもそれを抑え込むよう星系政府は強権的で、治安レベルも高く保たれています(※将来の民主化と規制緩和は公約されています)。その努力もあって反ヴァルグル感情は低下しつつありますが、特にヴァルグルの旅行者は今も注意が必要な星であることに変わりはありません。
ディダグド Didagud 1617 D647577-6 農業・非工 G Jm ヴァルグル3割
この星の大気汚染の原因は、発電や暖房で石炭に大きく依存しているためです。メンダン共同体はディダグドを星域中に農産物を広く供給できる可能性のある星と見て、大気を浄化するために水力発電などを導入するよう働きかけています。
ディダグドには未だに様々な国家が混在していますが、農産物輸出が定期的に行われるようになってから、星系政治にも安定した影響が出始めています。
(※星域設定補足:中立星系にある各種基地ですが、それらの多くの星の人口規模では単独で維持できるとは思えません。特にアマアズ(1411)は旧設定では基地コードMでしたが、誤植によってか「宇宙港Cなのに海軍基地があったニイムダル(1320)」と入れ替えられたのか、人口1なのにも関わらず海軍基地を持たされています。解釈としては「ガシカン第二帝政時代の遺構」としてしまう手もあります)
【ライブラリ・データ】
ケンギコン Kengighon 0122 C30078B-9 C 真空・非農 A G Va 人類2割
メンダン宙域で未だに奴隷制がある世界の一つです。かつてはヴァルグルには厳しい、時に無慈悲な扱いがなされていましたが、1110年に起きた反乱でヴァルグルは人類を奴隷にし、これまで受けた仕打ち以上に残忍な扱いをしています。この事件に対し、ガシカンやジュリアンが介入すべきなのか、またどのように行うべきかを巡って、今でも多くの論争を引き起こしています。
クフェッラン Kferrun 1126 E568000-0 未開 A G JP
スターレギオンは「安全保障上の理由」で、この何もないはずの星系になぜか介入を行いました。
実は古い星図ではこの星系に数百万人のヴァルグルが居住していたことになっており、ここで生物兵器の人体実験が行われたのではないかとの疑惑が浮上しています。その中には、ガシカン第二帝政が狼滅計画で使用したものも含まれているはずだと。
スターレギオンはこれらの疑惑を古い情報自体が元々誤りだと説明していますが、陰謀論者は駐留部隊が(保護領では極めて異例の)人類のみで構成されているのがその証拠であると指摘しています。
デキイ Dekhii 1321 A57A89C-A 海洋 A G JP ヴァルグル7割
ヴァルグルと人類がほぼ半々に土地を分け合っているデキイでは、両種族がこの海洋世界の唯一の島の支配権を巡って、約100年間も争っています。
ルムダ Lumda 1329 A4009A6-D 工業・高技・高人・真空・非農 G Jl ヴァルグル4割 ルムダ首都
ルムダ星系はルムダ寡婦産国の首都であり、ルムダ星域の中心です。この星に最初に入植した時は豊富な鉱物資源目当てでしたが、ジュリアン戦争の際に周辺星系から資本が引き揚げられた結果、行政の中心地にまでなったのです。
(※各種設定との兼ね合いで、現行の政治7を旧設定のAに差し戻しました)
ラスラ Lasla 1634 A532ABA-E 高技・高人・非農・貧困 G Jp ヴァルグル4割 ピルバリシュ首都
ラスラはピルバリシュ星連の首都ですが、かつてのジュリアン戦争の際には〈帝国〉占領地域での抵抗運動やゲリラ活動を支える秘密拠点として活躍しました。メンダン・メイン上にあることから現在では貿易や商業の中心地となっており、メンデレス社の輸送通信事業部本部や、帝国事業部の主要支社が置かれています。近隣のヴァルグル国家からのほとんどの物流は、このラスラを経由してウホンジ平等国など保護領各国へと向かっていきます。
オジロケ Ozrake 1822 B533776-9 M 非農・貧困 A G Jv ヴァルグル3割 ヴグロラ首都
この星系にある7国のうち、5国はヴグロラ統治国に加盟していますが、残る2国は統治国にも保護領にも正式加盟していないため、保護領も手を出せません。
ちなみにオジロケには「ハフェスト・ロッキ種族間関係研究所(Khfesto Rrak Institute of InterSpecies Relations)」という、人類やヴァルグルを社会学的に研究する有名な学術機関があります。
ググド Gugud 2330 D6638AE-6 A G Ja ヴァルグル6割
この星では、種族ごとに職業に制限があります。例えば、人類は医学や科学や工学に関連する高度技術の専門職に、ヴァルグルは弁護士や経営者や管理職、販売やサービス業などに就いています。他種族の仕事をすることは違法であり、厳しく取り締まられます。
エサソラ Esusar 2435 A79A658-D K 海洋・高技・非工 G Ju ヴァルグル3割 ウホンジ首都
ウホンジ平等国の首都であるエサソラは、海上に浮かぶ唯一の都市に200万人の人々が住んでいます。人口の7割は人類ですが権力はヴァルグルの方が強く、社会の役職の6割はヴァルグルが占めています。これらのヴァルグルの多くは、かつて〈帝国〉から逃れてきた難民の子孫のため、反帝国感情が保護領の他国よりも残っているのが実情です。
この星系の経済面での影響力の強さは、ウィンドホーン宙域方面との貿易によるものです。
シャイジ Thaedh 2634 B578888-A K G Ju ヴァルグル3割
数百年前からヴァルグルと人類が入植し、それぞれが別々の地域に居住していますが、一つの星系政府が統治を行っています。ヴァルグル地域は順調に発展してTL10の恩恵を十分に得られていますが、人類地域は発展途上であり、しかもヴァルグル側からの援助を拒み続けています。
メンダン Mendan 2909 A768988-E K 高技・高人 G Jm メンダン首都
第一帝国時代のメンダンは、商業・軍事・文化のあらゆる面でメンダン・メインを通じてヴィラニ人統治の中心的な役割を果たしていました。
ガシカン第二帝政の崩壊後、メンダンおよびメンダンが統治する世界の多くは第三帝政ではなくジュリアン保護領との提携を選びました。これらの世界は現在「メンダン共同体」を形成しており、メンダンはその首都となっています。
保護領に加盟して以来、種族間の憎しみの過去を克服するための強い努力が一定の成果を上げています。保護領の他の国家との貿易量の増加と、メンダン自身の影響力が相まって、宙域のコアワード方面全体に寛容さが広がっています。近年、メンダンは社会問題に積極的なメンデレス社と手を組み、人々の寛容の模範となるように影響力の高い役職にヴァルグルを積極的に登用しています。
ニイマグ Niimag 3016 C565731-8 M 農業 JP ヴァルグル6割
ヴァルグルが多数派の世界ですが、人類は貴族、ヴァルグルは召使いとして共存しています。人類はヴァルグルの福祉を真剣に考え、ヴァルグルは誇りを持って人類に忠誠を捧げています。よって、ヴァルグルを「解放」しようなどとする外世界人に対しては激しく抵抗します。
(※元々はユーリジ(1124 C42276B-9)の設定でしたが、内容とUWPが全く噛み合わなくなってしまったので、この星に独自に移植しました)
【参考文献】
・Challenge #49 (Game Designers' Workshop)
・Julian Protectorate (Angus McDonald)
・Zhodani Base