本当は予定していなかったのですが、268、トリン、ルーニオンと来てグリッスンをやらないのも不自然ですので、今回のお題は「グリッスン星域」としました。これでスピンワード・マーチ宙域のリムワード側3星域が揃いますので、連動したキャンペーンもよりやりやすくなるかと思います。
言うまでもなく、この地域の資料はあまり多くはなく、星域首都グリッスンがGDW版『Alien Module 1: Aslan』のシナリオ「Syareahtaorl」の舞台に、あとGURPSの『Planetary Survey 4: Glisten』やトラベラーズ・ダイジェスト誌15号で紹介されたぐらいです。また、近年Avenger Enterprisesから『SITREP 1: Callia』『SITREP 2: Aster』が出版されています。
JTAS Onlineの方で作られた星域史の設定もあるようですが、一部が今までの公式設定と矛盾しているため今回はカットしました。こちらはこれでなかなか興味深いので、折を見て紹介する機会があればその時にでも。
現在約240億人が生活するグリッスン星域は、帝国の最辺境に位置し、長らく未開発地域としてルーニオン星域からパックス・ルーリン星域(トロージャン・リーチ宙域)への通路に過ぎませんでした。転機が訪れたのは941年のことです。この年、皇帝マーガレット二世によって268地域星域への進出が許可されると、グリッスン星域は辺境地域への植民の拠点として、投資・開発が行われるようになりました。
グリッスン星域の世界の多くを占める「グリッスン・アーム(Glisten Arm)」は、268地域星域から続くスピンワード・メインに属し、ベンドー星系まで続いています。また、ジャンプ-2の宇宙船で星域内の全ての星系にたどり着くことができます。
(※もう一つの星系集団は、歴史的経緯と人口により「ティレム星団」とでも呼ばれているのだと思います)
グリッスン星域には第214艦隊が星域艦隊として駐留し、グリッスンに司令部を置いています。しかしゾダーン連盟から遠いこともあり、配属される艦船は小規模もしくは退役間近の古いものが多く、また隣接する268地域星域の哨戒任務にも第214艦隊から分遣艦隊を送っているので、その「密度」は薄くなっています。
なお、現在のグリッスン女公爵(パックス・ルーリン伯爵、マータクター侯爵)はアヴァラヤ・アスタアルテ・ムクシスワラ(Duchess Avaraja Astaarte Muktheswara of Glisten)が務めています。
リディア Lydia 1733 E110430-6 非工 G Im
この変わった社会の起源は、歴史の中に埋もれてしまいました。惑星の住民のほぼ全ては、自然洞窟の中に築かれた単独の居住地に住んでいます。彼らは希薄な大気の中で居住地のドームをTL6で維持しており、その技術力はかろうじて十分という水準ですが、生命維持装置は愛情込めて手作りしていて非常に信頼性があります。
地元の人々は外世界に小さな関心を持ち、わずかに取引を行っています。訪問者や科学者は、この世界の環境でどうにか生育できるサボテンのようなアケンという植物(akenplants)を見に、研究しにやって来ます。アケンの根は岩を貫通することができ、植物のライフサイクルの副産物が地元の人々に応用されて使用されています。
かつては採掘コロニーで大規模な銀の採掘を行なっていましたが、1020年頃から採掘量は減少していきました。1035年には宇宙港が閉鎖され、住民のほとんどが外世界に移住しました。残ったのは熟練した「ゴミあさり」です。TL12の「遺跡」で回収されたジャンク品は、自由貿易商人と取引されています。
メリオル Melior 1736 D140466-7 砂漠・非工・貧困 A G Im 植民省が統治
惑星の表面に散らばって住んでいる人類とジョンカー人の間には摩擦があります。帝国植民省は宇宙港に少数の人員を置き、人口比で半々の両グループを法律で「支配」し、その数を慎重に維持しています。
多くの住民は遊牧民であり、家族単位で砂漠を旅しています。ラクダとほぼ同類の四足動物であるヤルヒ(Yalhi)は主要な輸出品です。
なお、旅行者が砂漠を旅する際には、襲撃を想定して大型オフロード車による車両警護が付けられます。
エジプト Egypt 1737 BAC6567-7 N 非工・非水 G Im 植民省が統治
941年に268地域星域が設定されると、エジプトはそれ以来新領土への植民地化の拠点となっています。異種大気を持ち生命のないエジプトは、帝国植民省の訓練基地となっていて、今後入植者が遭遇するかもしれない様々な環境シミュレーションを行えるドームが設置されています。施設では辺境世界で新生活を送ろうとしている帝国市民に対する再訓練サービスを提供しています。
アスター Aster 1739 C86A410-9 海洋・非工 G Im
寒冷気候であるアスターの表面は99%は氷で覆われていますが(残りの1%は氷から突き出た岩山の頂上です)、赤道ではその氷が溶けるに十分な気温変化があります。
グリッスン・ミネラロジカル社(Glisten Mineralogical,LIC)が北極で試験採掘を行なっており、アスターの住民の全てが鉱山の周りに集落を作っています。
氷土に未知の知的種族が住んでいるという噂がありましたが、帝国の調査チームの長期間の探査によって、最近否定されました。
カリーア Callia 1836 E150852-6 砂漠・貧困 Im
岩まみれの巨大砂漠と埃まみれの平野の惑星である、この星の人口の一部はジョンカー人が占めていますが(※その数は25万人とも90万人とも言われています)、砂漠の奥に住んでいてその姿は見えません。
大多数の住民は、技術者階層の者によって管理・制御されている掘り抜き井戸の周りに住んでいます。彼らは、外世界人かジョンカー人かに関わらず訪問者を好ましく思っていません。
ミトラス Mithras 1932 C8B5546-6 非工・非水 G Im 刑務所
周囲から孤立したこの星系は、帝国刑務所として使われています。大気は高密度かつ有毒で、マスク無しでは生きられず、火の使用は危険をもたらします。
刑務所施設外では「最高の環境でも」生存率の低い過酷なこの星で、受刑者たちは刑期ごとに別々に自治生活を送っています。また、良質のリハビリテーション施設(※おそらく麻薬からの)や、触法精神障害者のための機関も置かれています。
過酷な環境と充実した施設によってか、囚人の更生率は非常に高いです。また元囚人の帝国植民省の植民計画への志願者は突出しています。
世界は軌道上から海軍の小艦隊によって監視されています。また、宇宙船が許可を得ずに地上宇宙港に降りることはできません。
ヴァイス Weiss 1934 A626464-B 非工 A G Im グリッスンが統治
72000人の人口は、990年にこの地に入植したソード・ワールズ連合の反体制派集団の子孫です。最近の問題は、住民が帝国よりも先祖の国であるソード・ワールズ連合に親近感を持っていることです。昨今の両国間の緊張の高まりにより、グリッスン政府はこの星系の直接統治を1104年から行っていますが、現在、治安の良い宇宙港地区以外でゲルマン系の地元言語ではない銀河公用語を使用すると、トラブルに巻き込まれる場合があります。このため、トラベラー協会は現在ヴァイス星系をアンバーゾーンに指定しています。
惑星表面の水界のほとんどは2つの巨大な万年雪地帯に含まれ、かなり厳しい環境です。住民の居住区は宇宙港外側の加圧された温室に集中しています。
オーバーネール Overnale 1937 B45467A-9 農業・非工 G Im
オーバーネールは豊かな植物相を持ち、穀物を中心に、外来種の果物やその副産品を生産している農業世界です。
穀物の広範囲な収穫による余剰飼料を家畜に供給することで、世界中のたくさんの飼育用地でかなりの数の家畜の群れを飼育しています。またステーキに付きものの芳醇で深い色をしたワイン、のような飲み物を作るために、この星土着のウッフルベリー(uffleberry)が使われており、オーバーネールのもう一つの大きな輸出商品となっています(ただし純粋主義者はウッフルワインはワインではないと主張しています)。
クロウ Craw 1939 C573645-3 低技・非工 G Im
クロウ星系は非常に乾燥していて砂漠や岩だらけの荒地です。唯一の惑星上の水は北極の大きな海です。どの地域でも平均気温は高く、雨が少ないために植物はあまり生えていません。クロウは標準気圧の大気を持っていますが、植物が少ないことから酸素濃度は薄く、環境に慣れていない人は高山病を発症することがあります。また砂漠から空気中に流入する放射性物質を含む塵は、古代の核戦争による放射性降下物であるという証拠があります(ただし現地では関心を持たれていません)
そんな環境にも関わらず、星系には700万人が住んでいます。人口の3分の2は北極海の沿岸に住み、残りは世界中に適度の大きさの集落に分かれて住んでいます。
政府は民主主義体制ですが、地元経済は人口として数えられていない「原住民」を奴隷労働力として使用することで回っています。TL1~2の原住民はよく惑星の環境に適応しており、重労働でも入植者より優れた仕事をさせることができます。
奴隷制はもちろん帝国では違法ですが、帝国は介入を行っていません。なぜなら現在のシステムを破壊すればどちらかが餓死するか、激怒した原住民によって入植者が殺害されるであろうからです。最近になって、何人かの帝国の活動家がこの恥ずべき搾取の現状を調査すべく、クロウに到着しました。しかし、彼らの活動には困難な課題が待っており、社会の大きな変化はすぐには期待できません。
またクロウには、中規模の鉱物会社インスタースペック(InStarSpec)のチームがやって来ていて、最近Cクラスになった宇宙港を拠点に、外世界の高品質の武器で武装した同社の傭兵に守られながら活動しています。インスタースペック社は地元に手数料を支払い、小さな採掘基地から宇宙港を通して輸出を行なっています。地元住民は同社の事業が拡大してより多くの外世界技術がクロウにもたらされることを期待しています。
既に宙港街ではTL5~7の技術が奇妙に入り交じっています。
(※クロウの「原住民」については、"intelligent humanoids"や"little-studied indigenous sentient"という記述から、何らかの知的種族の可能性が高いとは思いますが、どういう種族かについては今のところ全くわかりません)
アキ Aki 2035 B443987–9 工業・高人・貧困 A G Im
この星系は、グラム(スピンワード・マーチ宙域 1223)の客船ロルフ・クラーケ(Rolf Krake)号の乗員乗客が、帝国暦-138年にミスジャンプで漂着したのが始まりです。彼らはこの星に、ヴィラニの戦士王ゴロシュ(Golosh)が持つ剣の名を付けました。帝国偵察局の船ギイルカ・ギルギ(Giirkha Girgi)号に「発見」され、同時に進入禁止星系に指定された帝国暦56年には、漂流者たちはテクノロジーこそ失っていたものの生き残りは6万人となっていました。そして進入禁止指定が解けた200年頃からは、帝国の植民者とソード・ワールズ系住民が混じり合い始めました。
現在のアキの住民は、5つの巨大都市に集中しています。広大な人工洞穴や世界唯一の海の底など、巨大都市はそれぞれ異なる場所に位置しています。驚くべきことに腐敗の欠如していることで知られる公務員官僚によって、全ては統治されています。食料と水は配給制です。都市の人口密度の高さから惑星は緊張状態にあり、このことによりアキはアンバーゾーン指定されています。
(※1119年153日付のTNSによれば、アキの夜は87時間あるそうです)
グリッスン Glisten 2036 A000986-F NS 工業・高技・高人・小惑・非農 G Im 星域首都
グリッスンは、星系の主星グリス(Gliss)から名付けられました。グリスにはガス惑星ナスミ(Nasmi)が周り、ナスミを挟むようにして存在する2本の小惑星帯のうち、内側の1本が「グリッスン」という名の主要世界となっています。グリッスン市民の大多数が小惑星上に構築された都市群に住み、少数の「半遊牧民的な」宇宙鉱夫たちがベルトを故郷であり根城としています。ベルターズと呼ばれる宇宙鉱夫の中には、政府の定めた規則や交通管制を無視する集団もあり、さらに「ベルターズは迫害されている」と抗議するベルター団体も付属しています。しかし、状況は実際には深刻ではありません。大半の宇宙鉱夫は法律を尊守し、本当に迷惑な鉱夫だけが警察や海軍にマークされています。
各都市はそれぞれ管理機構を持っていて、それらの全ては、効率的だが愚鈍なグリッスン調整局(Glisten Coordinating Authority)の一部を成しています。法律は緩やかですが官僚主義的で、どんな活動でもくどい管理が行われています。
グリッスン市にはAクラスの巨大なバンフィ宇宙港(Banfi Starport)があり、貿易やビジネスの中心となっているほか、行政首都としての役割を果たしています。他の都市は、農業や重工業、さらには芸術などに産業を特化させ、それぞれ独自の習慣、伝統、生活を持つ特徴的な社会となっています。この信じられないほどの多彩さは、グリッスンを観光客の人気スポットとしています。
大規模な工業団地と非常に高い技術を持つグリッスンは、星域を越えて輸出される高技術製品の重要な生産星系です。中でもグリッスンの造船所は広く知られています。そのほとんどが、プルヴィス・ベルト(Pluvis Belt)と名付けられた外側の方の小惑星帯に置かれています。そこには、LSPやビルスタイン・ヤード(Bilstein Yards)といった大企業から中小企業まで、様々な会社によって運営される造船所の数々が並んでいます。また、プルヴィス・ベルトには海軍基地があります。
グリッスンには、グリッスン惑星科大学(Glisten Institute of Planetological Studies、略称GLIPS)とグリッスン採掘学校(Mining School of Glisten)という高等教育機関があり、多くの学生を惹きつけています。採掘学校はメガコーポレーションなどから資金を受け、鉱物の調査・選鉱・処理や経営学を学んだ有望な卒業生を宙域中に輩出しています。
トレーン Trane 2038 C639422-B 非工 G Im 太古種族遺跡
トレーンは、地元で製造した銃火器から防衛関連製品まで様々な武器を、準軍事(※正規軍以外の傭兵部隊・地方警察などの組織)市場向けに輸出しています。ほとんどの住民は様々な武器を個人で所有して持ち歩いています。しかし社会は大体において協力的です。
トレーンの海にはたくさんの種類の水生生物が生息していますが、小さな節足動物のような生き物からは進化しませんでした。
セントリー Centry 2132 E222447-6 非工・貧困 Im
地表は広範囲に渡って激しい火山活動によって裂けていて、そしてそれは価値ある鉱物を生み出していますが、住民の生命を危険にさらしてもいます。
さらに大地には真菌類の広大な森が広がっています。これらの真菌類は化学工場で使うために採取されていますが、その胞子は低地で濃い雲を作り、人間の肺にとっては危険な物質です。そのため住民は噴煙を上げる火山クレーターに住んでいます。
住民はクラーチ(Crachi)と呼ばれる現住種族と居住区を共有しています。クラーチはテラの小さな類人猿と同程度の知性を持っています。彼らは地面に伏せたカニのような、8本の手足を持っています。彼らの重い甲羅は、体を惑星の過酷な環境から保護しています。クラーチは、真菌類を集める際に地元住民の助けとなるよう訓練されています。
ホロショー Horosho 2138 C3378A6-A S Im
1098年に前の民主政府が無血革命で倒れた際に、人民の要求と帝国当局の思惑が一致した結果、独裁者としてリッシュ・ダーバン(Lish Dervan)帝国海軍大尉が就任しました。自由を愛し、穏健な専制君主である彼女は、宇宙港をクラスCに拡張することで商船団との交易を活発にしています。
一方で、1102年にホロショー星系内でインペリアル運輸の貨物船が海賊に奪われた事件は、反海賊の機運を辺境星域に広めました。
ロマー Romar 2140 B450456-8 NS 砂漠・非工・貧困 G Im
ロマーは肌寒い気候と薄い大気を持っています。惑星はアスランやヴァルグルに珍重される「ダストスパイス」の産地です。
ロマーの人口には、少なくとも帝国暦454年以来住んでいるアスランの数が含まれています。
マラスタン Marastan 2231 D868772-5 低技・農業・肥沃・富裕 G Im 帝国保護世界
マラスタンは帝国の保護世界です。宇宙港とそれに付属する街への出入りは無制限ですが、世界の大部分は認可を受けた学者のみが入ることが許されます。これはこの星が、偵察局によって帝国内各地から収集された植物や動物の「陳列棚」となっているからです。これらのいくつかは既に本来の星系では絶滅してしまっていますが、マラスタンの慎重に隔離された環境でまだ生き残っています。
ティレム Tirem 2233 C7B5975-B 高人・非水 G Im
亜硫酸の海と寒さで危険なティレムの環境は、地元民に穏やかにうまくやっていくことを強いています。そのため、この世界の人々にとって例え商業競争でも激しい対立は忌み嫌われ否定されています。
ちなみに、991年まではこのティレムに星域首都が置かれていました。
サーリナ Tsarina 2236 D120636-5 砂漠・低技・非工・非農・貧困 G Im
この小さな世界の地形の多くは、短い周期の自転で生じる微風によって巻き上がる埃まみれの砂漠平野です。民衆はよそよそしい態度を隠さず、彼らのために贅沢な商品を運んでくる商人さえも不愉快に思っています。
ヴュルツブルク Wurzburg 2237 C795300-A S 低人・肥沃・非工 A Im
ヴュルツブルクは熱帯の気候と産業公害によって汚染された重い大気を持っています。
この星系は政府も法律もない滅びかけた世界です。このわびしい世界の上で、名ばかりの自由港だけが商取引を行っています。帝国偵察局が人員の上陸を見合わせている間に、傭兵と武器商人が地上宇宙港で闇取引を行っています。
その暴力的な無政府状態により、現在ヴュルツブルクにはアンバーゾーン指定がなされています。
バイコーン Bicornn 2331 E563576-2 低技・非工 Im
潜伏している人間サイズのクモ型半知的種族であるカーヴン(Krvn)に対して、住民は生き残りのための絶え間ない闘争の渦中にいます。
フュードン Ffudn 2334 A41489D-C 高技・氷結 G Im
フュードンはXボート網の重要な結節点です。政府は極端な警察国家にもかかわらず、外世界との商取引は活発に行っています。インペリアル運輸など、いくつかのメガコーポレーションはここに営業所を構えています。
惑星の大気が快適な気温を保つにはあまりに薄いため、惑星表面の水の多くは氷冠の中にあります。この現状を変える惑星改造の努力は、現在まで実っていません。
【参考文献】
・Supplement 3: The Spinward Marches (Game Designers' Workshop)
・Survival Margin (Game Designers' Workshop)
・GURPS Traveller: Behind the Claw (Steve Jackson Games)
・Planetary Survey 4: Glisten (Steve Jackson Games)
・Traveller: The Spinward Marches (Mongoose Publishing)
・Traveller Wiki
言うまでもなく、この地域の資料はあまり多くはなく、星域首都グリッスンがGDW版『Alien Module 1: Aslan』のシナリオ「Syareahtaorl」の舞台に、あとGURPSの『Planetary Survey 4: Glisten』やトラベラーズ・ダイジェスト誌15号で紹介されたぐらいです。また、近年Avenger Enterprisesから『SITREP 1: Callia』『SITREP 2: Aster』が出版されています。
JTAS Onlineの方で作られた星域史の設定もあるようですが、一部が今までの公式設定と矛盾しているため今回はカットしました。こちらはこれでなかなか興味深いので、折を見て紹介する機会があればその時にでも。
現在約240億人が生活するグリッスン星域は、帝国の最辺境に位置し、長らく未開発地域としてルーニオン星域からパックス・ルーリン星域(トロージャン・リーチ宙域)への通路に過ぎませんでした。転機が訪れたのは941年のことです。この年、皇帝マーガレット二世によって268地域星域への進出が許可されると、グリッスン星域は辺境地域への植民の拠点として、投資・開発が行われるようになりました。
グリッスン星域の世界の多くを占める「グリッスン・アーム(Glisten Arm)」は、268地域星域から続くスピンワード・メインに属し、ベンドー星系まで続いています。また、ジャンプ-2の宇宙船で星域内の全ての星系にたどり着くことができます。
(※もう一つの星系集団は、歴史的経緯と人口により「ティレム星団」とでも呼ばれているのだと思います)
グリッスン星域には第214艦隊が星域艦隊として駐留し、グリッスンに司令部を置いています。しかしゾダーン連盟から遠いこともあり、配属される艦船は小規模もしくは退役間近の古いものが多く、また隣接する268地域星域の哨戒任務にも第214艦隊から分遣艦隊を送っているので、その「密度」は薄くなっています。
なお、現在のグリッスン女公爵(パックス・ルーリン伯爵、マータクター侯爵)はアヴァラヤ・アスタアルテ・ムクシスワラ(Duchess Avaraja Astaarte Muktheswara of Glisten)が務めています。
リディア Lydia 1733 E110430-6 非工 G Im
この変わった社会の起源は、歴史の中に埋もれてしまいました。惑星の住民のほぼ全ては、自然洞窟の中に築かれた単独の居住地に住んでいます。彼らは希薄な大気の中で居住地のドームをTL6で維持しており、その技術力はかろうじて十分という水準ですが、生命維持装置は愛情込めて手作りしていて非常に信頼性があります。
地元の人々は外世界に小さな関心を持ち、わずかに取引を行っています。訪問者や科学者は、この世界の環境でどうにか生育できるサボテンのようなアケンという植物(akenplants)を見に、研究しにやって来ます。アケンの根は岩を貫通することができ、植物のライフサイクルの副産物が地元の人々に応用されて使用されています。
かつては採掘コロニーで大規模な銀の採掘を行なっていましたが、1020年頃から採掘量は減少していきました。1035年には宇宙港が閉鎖され、住民のほとんどが外世界に移住しました。残ったのは熟練した「ゴミあさり」です。TL12の「遺跡」で回収されたジャンク品は、自由貿易商人と取引されています。
メリオル Melior 1736 D140466-7 砂漠・非工・貧困 A G Im 植民省が統治
惑星の表面に散らばって住んでいる人類とジョンカー人の間には摩擦があります。帝国植民省は宇宙港に少数の人員を置き、人口比で半々の両グループを法律で「支配」し、その数を慎重に維持しています。
多くの住民は遊牧民であり、家族単位で砂漠を旅しています。ラクダとほぼ同類の四足動物であるヤルヒ(Yalhi)は主要な輸出品です。
なお、旅行者が砂漠を旅する際には、襲撃を想定して大型オフロード車による車両警護が付けられます。
エジプト Egypt 1737 BAC6567-7 N 非工・非水 G Im 植民省が統治
941年に268地域星域が設定されると、エジプトはそれ以来新領土への植民地化の拠点となっています。異種大気を持ち生命のないエジプトは、帝国植民省の訓練基地となっていて、今後入植者が遭遇するかもしれない様々な環境シミュレーションを行えるドームが設置されています。施設では辺境世界で新生活を送ろうとしている帝国市民に対する再訓練サービスを提供しています。
アスター Aster 1739 C86A410-9 海洋・非工 G Im
寒冷気候であるアスターの表面は99%は氷で覆われていますが(残りの1%は氷から突き出た岩山の頂上です)、赤道ではその氷が溶けるに十分な気温変化があります。
グリッスン・ミネラロジカル社(Glisten Mineralogical,LIC)が北極で試験採掘を行なっており、アスターの住民の全てが鉱山の周りに集落を作っています。
氷土に未知の知的種族が住んでいるという噂がありましたが、帝国の調査チームの長期間の探査によって、最近否定されました。
カリーア Callia 1836 E150852-6 砂漠・貧困 Im
岩まみれの巨大砂漠と埃まみれの平野の惑星である、この星の人口の一部はジョンカー人が占めていますが(※その数は25万人とも90万人とも言われています)、砂漠の奥に住んでいてその姿は見えません。
大多数の住民は、技術者階層の者によって管理・制御されている掘り抜き井戸の周りに住んでいます。彼らは、外世界人かジョンカー人かに関わらず訪問者を好ましく思っていません。
ミトラス Mithras 1932 C8B5546-6 非工・非水 G Im 刑務所
周囲から孤立したこの星系は、帝国刑務所として使われています。大気は高密度かつ有毒で、マスク無しでは生きられず、火の使用は危険をもたらします。
刑務所施設外では「最高の環境でも」生存率の低い過酷なこの星で、受刑者たちは刑期ごとに別々に自治生活を送っています。また、良質のリハビリテーション施設(※おそらく麻薬からの)や、触法精神障害者のための機関も置かれています。
過酷な環境と充実した施設によってか、囚人の更生率は非常に高いです。また元囚人の帝国植民省の植民計画への志願者は突出しています。
世界は軌道上から海軍の小艦隊によって監視されています。また、宇宙船が許可を得ずに地上宇宙港に降りることはできません。
ヴァイス Weiss 1934 A626464-B 非工 A G Im グリッスンが統治
72000人の人口は、990年にこの地に入植したソード・ワールズ連合の反体制派集団の子孫です。最近の問題は、住民が帝国よりも先祖の国であるソード・ワールズ連合に親近感を持っていることです。昨今の両国間の緊張の高まりにより、グリッスン政府はこの星系の直接統治を1104年から行っていますが、現在、治安の良い宇宙港地区以外でゲルマン系の地元言語ではない銀河公用語を使用すると、トラブルに巻き込まれる場合があります。このため、トラベラー協会は現在ヴァイス星系をアンバーゾーンに指定しています。
惑星表面の水界のほとんどは2つの巨大な万年雪地帯に含まれ、かなり厳しい環境です。住民の居住区は宇宙港外側の加圧された温室に集中しています。
オーバーネール Overnale 1937 B45467A-9 農業・非工 G Im
オーバーネールは豊かな植物相を持ち、穀物を中心に、外来種の果物やその副産品を生産している農業世界です。
穀物の広範囲な収穫による余剰飼料を家畜に供給することで、世界中のたくさんの飼育用地でかなりの数の家畜の群れを飼育しています。またステーキに付きものの芳醇で深い色をしたワイン、のような飲み物を作るために、この星土着のウッフルベリー(uffleberry)が使われており、オーバーネールのもう一つの大きな輸出商品となっています(ただし純粋主義者はウッフルワインはワインではないと主張しています)。
クロウ Craw 1939 C573645-3 低技・非工 G Im
クロウ星系は非常に乾燥していて砂漠や岩だらけの荒地です。唯一の惑星上の水は北極の大きな海です。どの地域でも平均気温は高く、雨が少ないために植物はあまり生えていません。クロウは標準気圧の大気を持っていますが、植物が少ないことから酸素濃度は薄く、環境に慣れていない人は高山病を発症することがあります。また砂漠から空気中に流入する放射性物質を含む塵は、古代の核戦争による放射性降下物であるという証拠があります(ただし現地では関心を持たれていません)
そんな環境にも関わらず、星系には700万人が住んでいます。人口の3分の2は北極海の沿岸に住み、残りは世界中に適度の大きさの集落に分かれて住んでいます。
政府は民主主義体制ですが、地元経済は人口として数えられていない「原住民」を奴隷労働力として使用することで回っています。TL1~2の原住民はよく惑星の環境に適応しており、重労働でも入植者より優れた仕事をさせることができます。
奴隷制はもちろん帝国では違法ですが、帝国は介入を行っていません。なぜなら現在のシステムを破壊すればどちらかが餓死するか、激怒した原住民によって入植者が殺害されるであろうからです。最近になって、何人かの帝国の活動家がこの恥ずべき搾取の現状を調査すべく、クロウに到着しました。しかし、彼らの活動には困難な課題が待っており、社会の大きな変化はすぐには期待できません。
またクロウには、中規模の鉱物会社インスタースペック(InStarSpec)のチームがやって来ていて、最近Cクラスになった宇宙港を拠点に、外世界の高品質の武器で武装した同社の傭兵に守られながら活動しています。インスタースペック社は地元に手数料を支払い、小さな採掘基地から宇宙港を通して輸出を行なっています。地元住民は同社の事業が拡大してより多くの外世界技術がクロウにもたらされることを期待しています。
既に宙港街ではTL5~7の技術が奇妙に入り交じっています。
(※クロウの「原住民」については、"intelligent humanoids"や"little-studied indigenous sentient"という記述から、何らかの知的種族の可能性が高いとは思いますが、どういう種族かについては今のところ全くわかりません)
アキ Aki 2035 B443987–9 工業・高人・貧困 A G Im
この星系は、グラム(スピンワード・マーチ宙域 1223)の客船ロルフ・クラーケ(Rolf Krake)号の乗員乗客が、帝国暦-138年にミスジャンプで漂着したのが始まりです。彼らはこの星に、ヴィラニの戦士王ゴロシュ(Golosh)が持つ剣の名を付けました。帝国偵察局の船ギイルカ・ギルギ(Giirkha Girgi)号に「発見」され、同時に進入禁止星系に指定された帝国暦56年には、漂流者たちはテクノロジーこそ失っていたものの生き残りは6万人となっていました。そして進入禁止指定が解けた200年頃からは、帝国の植民者とソード・ワールズ系住民が混じり合い始めました。
現在のアキの住民は、5つの巨大都市に集中しています。広大な人工洞穴や世界唯一の海の底など、巨大都市はそれぞれ異なる場所に位置しています。驚くべきことに腐敗の欠如していることで知られる公務員官僚によって、全ては統治されています。食料と水は配給制です。都市の人口密度の高さから惑星は緊張状態にあり、このことによりアキはアンバーゾーン指定されています。
(※1119年153日付のTNSによれば、アキの夜は87時間あるそうです)
ギイルカ・ギルギは、古代ヴィラニの民話の主人公の名前です。この民話は、無鉄砲な旅人であるギルギが、魔法がかかっていた城で(ヴィラニの暦で)100年間眠ってしまい、故郷の村に戻った時には、若かったはずの彼の婚約者がすっかり老婆になっていて、彼のものになるはずだった5世代に及ぶ子孫たちに囲まれて死の床に就いていた、というあらすじです。古代地球にも類似した民話があるため、ヴィラニ語での「ギルギ」は銀河公用語における「ウィンクル(※俗語で「時代遅れの人」)」と同じ意味を持ちます。
グリッスン Glisten 2036 A000986-F NS 工業・高技・高人・小惑・非農 G Im 星域首都
グリッスンは、星系の主星グリス(Gliss)から名付けられました。グリスにはガス惑星ナスミ(Nasmi)が周り、ナスミを挟むようにして存在する2本の小惑星帯のうち、内側の1本が「グリッスン」という名の主要世界となっています。グリッスン市民の大多数が小惑星上に構築された都市群に住み、少数の「半遊牧民的な」宇宙鉱夫たちがベルトを故郷であり根城としています。ベルターズと呼ばれる宇宙鉱夫の中には、政府の定めた規則や交通管制を無視する集団もあり、さらに「ベルターズは迫害されている」と抗議するベルター団体も付属しています。しかし、状況は実際には深刻ではありません。大半の宇宙鉱夫は法律を尊守し、本当に迷惑な鉱夫だけが警察や海軍にマークされています。
各都市はそれぞれ管理機構を持っていて、それらの全ては、効率的だが愚鈍なグリッスン調整局(Glisten Coordinating Authority)の一部を成しています。法律は緩やかですが官僚主義的で、どんな活動でもくどい管理が行われています。
グリッスン市にはAクラスの巨大なバンフィ宇宙港(Banfi Starport)があり、貿易やビジネスの中心となっているほか、行政首都としての役割を果たしています。他の都市は、農業や重工業、さらには芸術などに産業を特化させ、それぞれ独自の習慣、伝統、生活を持つ特徴的な社会となっています。この信じられないほどの多彩さは、グリッスンを観光客の人気スポットとしています。
大規模な工業団地と非常に高い技術を持つグリッスンは、星域を越えて輸出される高技術製品の重要な生産星系です。中でもグリッスンの造船所は広く知られています。そのほとんどが、プルヴィス・ベルト(Pluvis Belt)と名付けられた外側の方の小惑星帯に置かれています。そこには、LSPやビルスタイン・ヤード(Bilstein Yards)といった大企業から中小企業まで、様々な会社によって運営される造船所の数々が並んでいます。また、プルヴィス・ベルトには海軍基地があります。
グリッスンには、グリッスン惑星科大学(Glisten Institute of Planetological Studies、略称GLIPS)とグリッスン採掘学校(Mining School of Glisten)という高等教育機関があり、多くの学生を惹きつけています。採掘学校はメガコーポレーションなどから資金を受け、鉱物の調査・選鉱・処理や経営学を学んだ有望な卒業生を宙域中に輩出しています。
トレーン Trane 2038 C639422-B 非工 G Im 太古種族遺跡
トレーンは、地元で製造した銃火器から防衛関連製品まで様々な武器を、準軍事(※正規軍以外の傭兵部隊・地方警察などの組織)市場向けに輸出しています。ほとんどの住民は様々な武器を個人で所有して持ち歩いています。しかし社会は大体において協力的です。
トレーンの海にはたくさんの種類の水生生物が生息していますが、小さな節足動物のような生き物からは進化しませんでした。
セントリー Centry 2132 E222447-6 非工・貧困 Im
地表は広範囲に渡って激しい火山活動によって裂けていて、そしてそれは価値ある鉱物を生み出していますが、住民の生命を危険にさらしてもいます。
さらに大地には真菌類の広大な森が広がっています。これらの真菌類は化学工場で使うために採取されていますが、その胞子は低地で濃い雲を作り、人間の肺にとっては危険な物質です。そのため住民は噴煙を上げる火山クレーターに住んでいます。
住民はクラーチ(Crachi)と呼ばれる現住種族と居住区を共有しています。クラーチはテラの小さな類人猿と同程度の知性を持っています。彼らは地面に伏せたカニのような、8本の手足を持っています。彼らの重い甲羅は、体を惑星の過酷な環境から保護しています。クラーチは、真菌類を集める際に地元住民の助けとなるよう訓練されています。
ホロショー Horosho 2138 C3378A6-A S Im
1098年に前の民主政府が無血革命で倒れた際に、人民の要求と帝国当局の思惑が一致した結果、独裁者としてリッシュ・ダーバン(Lish Dervan)帝国海軍大尉が就任しました。自由を愛し、穏健な専制君主である彼女は、宇宙港をクラスCに拡張することで商船団との交易を活発にしています。
一方で、1102年にホロショー星系内でインペリアル運輸の貨物船が海賊に奪われた事件は、反海賊の機運を辺境星域に広めました。
ロマー Romar 2140 B450456-8 NS 砂漠・非工・貧困 G Im
ロマーは肌寒い気候と薄い大気を持っています。惑星はアスランやヴァルグルに珍重される「ダストスパイス」の産地です。
ロマーの人口には、少なくとも帝国暦454年以来住んでいるアスランの数が含まれています。
ダストスパイスは、食物や果物の調味料として使用されます。砂漠の小さな植物の樹皮から採取されたこの調味料は、酒よりは軽い「陶酔」を感じさせる香辛料として人類にも人気ですが、特定の非人類種族(特にアスランとヴァルグル)には遥かに強力な多幸感を与えるため、それらの人々に一定の需要があります。
マラスタン Marastan 2231 D868772-5 低技・農業・肥沃・富裕 G Im 帝国保護世界
マラスタンは帝国の保護世界です。宇宙港とそれに付属する街への出入りは無制限ですが、世界の大部分は認可を受けた学者のみが入ることが許されます。これはこの星が、偵察局によって帝国内各地から収集された植物や動物の「陳列棚」となっているからです。これらのいくつかは既に本来の星系では絶滅してしまっていますが、マラスタンの慎重に隔離された環境でまだ生き残っています。
ティレム Tirem 2233 C7B5975-B 高人・非水 G Im
亜硫酸の海と寒さで危険なティレムの環境は、地元民に穏やかにうまくやっていくことを強いています。そのため、この世界の人々にとって例え商業競争でも激しい対立は忌み嫌われ否定されています。
ちなみに、991年まではこのティレムに星域首都が置かれていました。
サーリナ Tsarina 2236 D120636-5 砂漠・低技・非工・非農・貧困 G Im
この小さな世界の地形の多くは、短い周期の自転で生じる微風によって巻き上がる埃まみれの砂漠平野です。民衆はよそよそしい態度を隠さず、彼らのために贅沢な商品を運んでくる商人さえも不愉快に思っています。
ヴュルツブルク Wurzburg 2237 C795300-A S 低人・肥沃・非工 A Im
ヴュルツブルクは熱帯の気候と産業公害によって汚染された重い大気を持っています。
この星系は政府も法律もない滅びかけた世界です。このわびしい世界の上で、名ばかりの自由港だけが商取引を行っています。帝国偵察局が人員の上陸を見合わせている間に、傭兵と武器商人が地上宇宙港で闇取引を行っています。
その暴力的な無政府状態により、現在ヴュルツブルクにはアンバーゾーン指定がなされています。
バイコーン Bicornn 2331 E563576-2 低技・非工 Im
潜伏している人間サイズのクモ型半知的種族であるカーヴン(Krvn)に対して、住民は生き残りのための絶え間ない闘争の渦中にいます。
フュードン Ffudn 2334 A41489D-C 高技・氷結 G Im
フュードンはXボート網の重要な結節点です。政府は極端な警察国家にもかかわらず、外世界との商取引は活発に行っています。インペリアル運輸など、いくつかのメガコーポレーションはここに営業所を構えています。
惑星の大気が快適な気温を保つにはあまりに薄いため、惑星表面の水の多くは氷冠の中にあります。この現状を変える惑星改造の努力は、現在まで実っていません。
【参考文献】
・Supplement 3: The Spinward Marches (Game Designers' Workshop)
・Survival Margin (Game Designers' Workshop)
・GURPS Traveller: Behind the Claw (Steve Jackson Games)
・Planetary Survey 4: Glisten (Steve Jackson Games)
・Traveller: The Spinward Marches (Mongoose Publishing)
・Traveller Wiki