宇宙の歩き方

The Astrogators' Guide to the Charted Space.

宙域散歩(7) トビア星域

2012-06-04 | Traveller
 2回続けて「危険な」エリアを紹介したので、今回は帝国領内に戻って、でもアウトリム・ヴォイドと密接な関係のあるトビア星域を紹介したいと思います。
 星域内に2つの星団があってジャンプ-1宇宙船でも活動しやすく、異国情緒にあふれ、そしてほどほどに危険な、色々な意味で楽しめそうな地域だと思います。


 トロージャン・リーチ宙域における帝国の中心部であるトビア星域は、宙域経済や先端技術の中心地でもあります。
 人類以外の市民も多く、非常に国際的な星域です。例えば、アイルダム(3013)はドロイン世界ですし、フラードゥス(2714)の人口の8割以上は帝国に帰化したアスランです。トビア(3215)、ニューモスクワ(3119)、プリーム(2513)の街を歩けば、一つの通りで何種類もの知的種族を見かけることができます。恒常的な戒厳下にあるパクス・ルーリン(トロージャン・リーチ宙域 2204)と異なり、トビアは貿易商人と帝国外からの来客を歓迎します。
 トビア公爵アレクサンダー・クイン(Duke Alexander Quinn of Tobia)は宙域公爵でもあり、キャピタル(コア宙域 2118)からの指示を待つことなしに統治できるよう、トロージャン・リーチ(の帝国領)に対する巨大な権限を持っています。なお、トビア星域の貴族は皆、家系図のどこかで公爵一族と関係があります。
 スピンワード・マーチ宙域を通らない帝国中央からの通信ルートは、ウシャー星域(レフト宙域 E)方面からベルク(3212)を経由してトビアまで通じています。毎年何百ものXボートと軍艦がこの航路を行き来していますが、近年、このルートは数回に渡って破綻しました。まず、ドロイン世界であるアイルダムが謎の理由で宇宙港を封鎖しました。帝国は宇宙港をアワー・プラネット(3012)(この世界の正式名はアストロラーベ(Astrolabe)ですが、今では偵察局員だけがこの名前を使っています)に急造しましたが、その宇宙港の建設業者は"我らの惑星"だとして世界の所有権を要求して、今もそこに居座っています(※代金の未払いでもあったのでしょうか?)。
 ドロインは4年前に封鎖を解きましたが、今度はシモク(3113)の内戦によって、Aクラス宇宙港が破壊されました。さらに海賊行為と密輸がルート沿いで多発し、国境沿いからベルク星団により多くの哨戒艦を配置転換せざるを得なくなりました。
 アスラン方面からの主要通商路は、パンドラ(2820)、ウィルデマン(2819)を経て、国境を越えてフィスト(2918)、そして「商人の星」イミサア(2916)へと通じ、そこから輸入品は帝国の様々な世界へと運ばれていきます。

 トビア星域には34の星系があり、総人口は277億8600万人です。最大人口はトビアの約200億人、最大テクノロジーレベルはトビアの15です。29星系が帝国の傘下にあり、トビア軌道上のフォンタナ・アーコロジーに司令本部を置く第218艦隊に守られています(※第204艦隊はおそらく第五次辺境戦争後に転任してきたと思われます)。


ボールダー Boulder 2517 D100758-9 真空・非農 Na
 ボールダーは以前は鉱業惑星でしたが、今では掘り尽くされています。数千万人の住民は刳り抜かれた小惑星に築かれたいくつかの都市に集まっています。
 ボールダーにはBクラス宇宙港がありますが、偏狭的な地元民は外世界との接触を嫌っているので活用されていません(※受けられるサービスはUWPの通りにDクラス並です)。

エグゾセ Exocet 2520 A574126-8 低人・肥沃・非工 G Na
 帝国領周辺で最近確立された入植地であるエグゾセの汚れた大気は、火山噴火によるものです。入植地こそ島にありますが、しかし惑星の本当の富は大陸の火山の多い地域にあるのです。

スカラドン Scaladon 2616 AAD98DK-A A Im
 スカラドンの海は有毒で、致命的です。腐食性の海霧から突き出たいくつかの岩の台地に、全ての住民は集っています。スカラドンの人口密度は恐ろしいほど高く、台地にしがみつく人々と建物の圧倒的な重さのために、崩落を起こした台地があるほどです。
 スカラドン政府は宗教独裁制です。選ばれし者(The Chosen)は民衆の生殺与奪を握り、空をも支配しています。空を飛ぶことはスカラドンでは非常に制限されており、聖職者の管制を受けない、もしくは無許可の飛行車両は、あらゆる寺院に隠された対空ミサイルで撃ち落とされます。
 選ばれし者の教えによると、神は忠実な信者を天に連れていくためにある日戻ってきます。そしてスカラドンに暮らすものだけが救われるというのです。一方で聖職者を怒らせた者は、殺されて硫黄の海に投げ捨てられます。
 人口増加による圧力は、最近選ばれし者に新しい方針を採らせました。くじによって選ばれた者を、崖から海に突き落とすのです。この措置にもかかわらず、スカラドンの人口は増え続け、住める領域は減り続けています。高さ1000階の摩天楼が、直径50メートルほどの台地に建設されています。そして忠実な信者がそこに詰め込まれています。
(※スカラドンの宗教については「ゲイニムの預言者(Prophets of Geynim)」という非公式設定があるのですが、今回は採用しませんでした)

エンパイア Empire 2711 B679334-C N 高技・低人・非工 G Im
 この世界には海軍基地と、それを支える入植地以外にはほとんど何もありません。エンパイアの第3衛星軌道上には、予備役の艦船が停泊しています。
 世界は心地よく肥沃で、大きくうねる海と熱帯の群島があります。エンパイア基地の管理者は、この世界に定住する入植者を積極的に探しています。そして、引退した海軍の軍人に土地はしばしば提供されます。
 この計画には複数の目的があります。世界を保全し、基地に追加の収入を与え、引退した海軍士官と退役艦船を来るべき侵略に備えて確保しておくためです。

フラードゥス Hradus 2714 B54699B-7 S 工業・高人・肥沃 G Im
 この世界の歴史は、数世紀以上前の、数百パーセク離れたアスラン領内から始まります。ツセクホ(進歩派)に属していたエスアヘアカーリョユル(Esuaheakhahryoyulr)氏族は、ウワラリェコセ(文化追放, -7~290年)によって中央を追われ、追撃を受けながら大裂溝を横断して逃げ続け、やがてフラードゥスにぼろぼろになってたどり着きました。
 当時、少数の人類が既にここにはいましたが、彼らは交渉の結果、南大陸に定住することを許されました。
 約1世紀後にフラードゥスが帝国に加盟すると、ここは帝国の中で最もアスラン人口の割合が高い世界となり、「安全保障上の理由」で彼らにはいくつもの規制がかけられました。エスアヘアカーリョユル氏族が「トロイの木馬」となって、帝国に攻撃を開始する懸念があったからです。エスアヘアカーリョユル氏族はTL12の技術を持っていましたが、フラードゥスの技術水準はTL7に抑えられました。さらに、全てのエスアヘアカーリョユル氏族の船はトビア(3215)で登録を受けなくてはならず、氏族軍は常に星域艦隊の管理下に置かれました。
 こうした措置は400年間続けられました。そして多くの市民は、エスアヘアカーリョユル氏族が何度も何度も自分たちが帝国市民であることを証明したことを知っています。彼らの行動により、現在では非人類人口が高い比率の世界でも、それほど規制がかけられないようになりました。
 エスアヘアカーリョユル氏族は帝国のために、戦士として、スパイとして務めました。そして、アスラン式の宇宙船を建造する彼らの能力は、過去に非常に役立ちました。

イイルガン Iilgan 2719 C467787-8 農業・富裕 G Na
 イイルガンの大部分の土地は帝国市民が所有しており、近隣のウィルデマン(2819)と共に、近々帝国に編入されそうな有力な候補となっています。
 以前のこの星は開発が計画されていましたが、最近の生命工学の進歩で生成された人工バクテリアは、イイルガンを農産物の生産に向いた星へと変えました。

サウルス Saurus 2813 A350543-B 砂漠・非工・貧困 G Im
 この星土着のとある生物は、古代地球の神話に出てくる「ドラゴン」と驚くべき類似点を持つことで有名です。

971-852 971-852 2814 E78A000-0 海洋・未開 A G Im
 地質学者は、30万年前に太古種族がこの地に居住し、最終戦争で惑星表面をひどく破壊したと考えています。その時火山噴火が長い間日光を遮断したので、多くの種は絶滅しました。世界の地殻プレートは現在でも脆いままです。
 一時は、ここには未知の祖先を持つ人類が住んでいました。504年に帝国が接触した時、島にいた数千人の居住者は、現地の野生生物では摂取不可能な特定の蛋白質を補うため、人肉食の文化を持っていました。
 帝国偵察局は、蛋白質を補うために現地人に家畜を提供しました。住民は、定住した農耕文化から徐々に遊牧的な採取文化に変化していきました。しかし偵察局にとって残念なことに、彼らは年を取って動けなくなった人間を食べることに固執したままでした。
 971-852はめったに訪問されませんでした。そして偵察局が852年に世界を訪れた時には、島民は消えていました。無人の世界となったにもかかわらず、971-852はアンバーゾーン指定のままです。
 971-852の事件は、帝国偵察局にその干渉方針を再考させました。偵察局は島民の文化を修正するよう試みましたが、その干渉が絶滅の原因となったからです。

ウィルデマン Wildeman 2819 B201674-C 高技・真空・非工・非農・氷結 G Na
 ある意味「巨大な小惑星」であるこのウィルデマンの住民の大部分は帝国人(Imperials)の屈強な宇宙鉱夫たちで、2年程度ここで働いては故郷に帰っていきます。
 この星系には宇宙旅行者の間で囁かれる奇怪な噂話が様々に存在します。幽霊船、謎の機械故障、超常現象どころか、中には宇宙怪物(space kraken)の目撃情報すらあります。
 100年ほど前、タンビー・ドール(Tamby Dour)という名の悪名高い海賊がこのウィルデマンから4パーセク以内を荒らし回っていました。帝国海軍はタンビーを追い詰め、殺害しましたが、結局彼の秘密基地を発見することはできませんでした。

パンドラ Pandora 2820 B878313-B 低人・肥沃・非工 G Na
 ジェデコ社(GeDeCo)主導の入植地の一つであるパンドラは、気候の良い緑あふれる世界です。メガコーポレーションのSuSAGもここに製薬工場を置いています
 しかしながら、以前の入植地は暗黒時代に恒星面爆発によって消滅しています。この星系の主星は一定周期で活発化して荒れ狂う、危険な閃光星の側面を持っているのです。
 ジェデコがより多くの入植者を呼び寄せようとしている今、破滅的な爆発の兆候は見られていません。あくまで今のところは。

ダーコナ Darchona 2912 B49A742-A 海洋 G Im
 ダーコナは火山活動の激しい世界です。人々は軌道上の大きな居住施設に住み、地表に降り立つのは鉱業用潜水艇(mining submersibles)やロボット工船(robotic factory ships)の関係者のみです。地表気温は耐えられないほど寒いのですが、海底火山は深海の水温を沸騰させるほどに熱しています。
 ダーコナの周辺には「後光」が射しているように見えますが、これは大気圏に舞った水蒸気と火山灰が日光を反射することによるものです。

イミサア Imisaa 2916 B520867-6 N 砂漠・非農・貧困 G Im アルダシイが統治
 「商人の星(Trader's World)」と呼ばれるイミサアの価値は、アスラン領域への主要通商ルートであるその立地から来ています。珍しいアスラン商品や外国の製品を積んで帝国に戻った商船団や巨大貨物船はこの星に到着すると、陸地に広がった宇宙港に着陸します。そこで彼らは、貿易商人や投機家や仲買人の大群衆と出会います。
 アスラン領域への渡航は危険なものです。そしてイミサアは帝国を去る前の最後の「安全な」停泊地です。世捨て人の住み家と密輸業者の隠れ家以外には、宇宙港の外には何もありません。
 星系政府はイミサアにはなく、宇宙港の管理者が惑星の事実上の統治者です。イミサア海軍基地は名誉ある赴任先で、基地の高級職はトビア公爵家の後継者か、公爵お気に入りの貴族に伝統的に与えられています。
 アスラン領方面への商船団の護衛任務に携わる艦の他にイミサア基地には、国境外からの攻撃を伝えるためにジャンプ-6連絡小艦隊(squadron of Jump-6 couriers)が常に待機しています。同様の連絡小艦隊はネクリノ基地にも配備され、第3の小艦隊は1110年までに配備される予定です。これらの3艦隊は「国境監視隊(Border Watch)」と呼ばれ、アスラン艦船が緩衝地帯に潜んでいると誇大妄想的に確信した公爵によって設置されました。

フィスト Fist 2918 B789430-C 高技・非工 G Im
 この世界は、アスラン領から通商路に沿って帝国領内までやって来た船が訪れる、最初の星です。
 フィスト自体は比較的低人口で目立たない世界ですが、数世紀前の風変わりな宇宙鉱夫によって小惑星は有名になりました。6つのニッケル鉄小惑星はレーザーで彫刻され、帝国の力を示す記念碑となりました。フィスト港で燃料補給する船からは、幅60kmにも及ぶ、初代皇帝の戴冠式や、ヴランド初の恒星間宇宙船が進宙する様子の壁画を見ることができます。
 第7の小惑星も彫刻されましたが、フトホルの和約に至った人類の大勝利の場面を描いているため、アスラン使節の不満を考慮して星系内の別の惑星軌道に移されました。

アイルダム Ayldem 3013 A7407X4-D N 高技・砂漠・貧困 A G Im
 惑星アイルダムは、大気は呼吸可能ですが希薄で、わずか4%の水界は散らばった湖の形で存在しています。8700万人の人口のうち、6300万人がドロインです。残りの人類は、鉱夫、商人、入植者などです。現在の(政治形態コード3の)知事は、ドロインを抑圧もしくは無視しています。
 この星が偵察局によって227年に発見された時、TL8の原始的なドロイン住民は黙殺されました。やがて人類の移民が到着し始めると、彼らは徐々にドロインを不毛な土地に追いやっていきました。
 帝国海軍基地は惑星の主要都市であるダストボウル(Dustbowl)市と、Aクラス宇宙港にあります。人類の入植地は全て湖の周りに位置し、ドロインは乾いた高地に押し出されました。高地の急斜面にドロインは住んでいますが、当地の気温はあまりに高く、ドロインたちに日中の大部分を地下で過ごすことを強いています。
 なお、その斜面は最終戦争の際に太古種族の兵器で粉砕された大地の名残りです。この攻撃は同時に世界の小さな海を破壊し、宇宙空間へ大気を吹き飛ばしました。
(※この情報は宇宙港封鎖事件発生前のものでしょう)

ディモルス Dimorus 3011 D300755-4 真空・低技・非農 Im
 ディモルスは「人類の支配」期にソロマニ人の植民計画によって入植されました。暗黒時代には交流が断たれましたが、地元政府は居住ドームを千数百年間かろうじて機能させ続けられました。
 第三帝国と再接触したのは340年のことで、外世界との交流も回復しましたが、彼らは元々の自分たちの技術力を取り戻すことはできませんでした。

カリキ Khaliki 3111 D111568-9 非工・氷結 G Im 刑務所
 このカリキは帝国の刑務所星系であり、旅行客の訪問は制限されています。

シモク Simok 3113 DAA08CC-5 砂漠・低技 G Im
 シモクがレッドゾーン指定をされないのは、メガコーポレーションとトビア公爵の政治的圧力によるものです。重要な通商航路上にある世界が血なまぐさい内戦の最中にあると知られれば、商人はリーチを旅する気をなくすでしょう。
 遥か昔から、ファラオ(シンダル帝国崩壊後に興った王朝の王)によってシモクは支配されていました。歴代のファラオの配偶者には、ファラオと同世代の中で最も知的で健康で美しい者が選び抜かれ、計画的に配合されました。約2000年に及ぶ優生学の実践で、ファラオは賢く、長生きで、美形な、完璧に近い人類の見本となりました。
 ところが、今のファラオの配偶者は、シモク政府を崩壊させるために派遣されたゾダーンの工作員だったのです。配偶者ジラー(Zillah)はスパイであることを否定し、ファラオは彼女を支持しました。そしてファラオは、彼女を告発した者の邸宅に軍を送り込みました。貴族たちは、初歩的な原子爆弾を首都と彼らの邸宅の間の砂漠で爆発させて報復し、馬が引く戦車(シモクでは化石燃料が不足しています)に乗った数千人の兵士を殺しました。
 放射性降下物が首都を覆い、火災と飢餓の中、ジラーは引き続いて起きた暴動の犠牲者となりました。悲嘆に暮れたファラオは、裏切り者の貴族とその支持者を皆殺しにすると宣言しました。
 内戦の両勢力は外世界から(帝国が治安維持部隊を投入するまでの間)傭兵部隊を雇い入れ、今日、戦争はシモク全体で荒れ狂っています。ファラオはまだ生きていますが、彼が放射線によって不妊症になったという噂は多く、これが真実なら2000年続いた王朝は終焉を迎えることになります。
 トビア公爵は、シモクの派閥が「整理」されるのをあと1年待つことにしました。シモクがその時まだ戦争状態であるのなら、彼は内戦を終わらせるために帝国軍を投入します。
(※Aクラス宇宙港が破壊されてDクラスになったということは、この星系には元々軌道宇宙港は無かったのかもしれません(Aクラスにしては珍しいですが)。あと、普通は宇宙港に被害が及んだり、そもそも核兵器を保有している時点で「帝国への反逆」とみなされて介入行動が起こされます。宙域経済への影響を考えてわざわざ政治圧力まで使っているのに悠長に介入しない、という矛盾したことになっているのですが、何か別に真の理由でもあるのでしょうか…?)

アッティー Attee 3116 C7529AE-4 高人・低技・貧困 G Im
 アッティーの独裁政権は民主化革命が起こるのを恐れて、警察や治安部隊による弾圧で改革運動を根絶しています。

ベルク Berg 3212 A675542-B 農業・肥沃・非工 G Im
 ここはトビア(3215)の穀物庫として822年に入植されました。厚い藪や雑草は休閑中の畑をあっという間に覆ってしまうため、農民はこまめにこれらの茂みを焼却しなくてはならないのですが、その際に大気中に発生する粒子状物質は人類にとって刺激物でもあります。
 ベルクの人々は仕事中毒として有名です。彼らは日々の仕事にかかりきりになっており、取るに足らないことで時間を奪おうとする外世界人に対して容赦がありません。
 地上港は惑星規模に対して比較的小さめで、沢山の穀物が直接貨物船に運び込まれています。一方、13万5000人が住む軌道港は「グルドヴォの首飾り(Grudovo Pendant)」(※ベルク星団の俗称)でも最大のもので、コロニー・ファイブ(レフト宙域 0707)やリントル(同 0503)とトビアの間を行き来する船の3分の2がここを通過します。

ケダス Kedus 3213 D867400-3 低技・肥沃・非工 G Im
 ケダスには「自然に帰る」ためにあえて低TLの生活を望む集団が惑星各地に散らばって定住しています。トロージャン・リーチ宙域とレフト宙域間の交通量の増大に伴って移民も増加しているのですが、住民は結束して移民を地上港の周辺のみに居住させています。
 現在の宇宙港は交通量を捌くにはあまりに小さいのですが、住民は宇宙港を拡張することよりも高額な入港料を取るだけで満足しています。

トビア Tobia 3215 A444A55-F N 工業・高技・高人 G Im 宙域首都
 惑星全体を取り巻く都市、強力な主力艦の船渠、そびえ立つ摩天楼。様々な世界から訪れた来訪者は、第三帝国の人々の力に驚かされます。これらはトビアが決して陥落しないであろうと皆に確信させます。トビアはトロージャン・リーチの文明の砦であり、トビア公の居住地であり、星域の工業の中心であり、重要な首都です。公爵宮殿は第2の恒星によって華やかに輝き、絶景となっています。
 ここは技術の最先端を行き、非常に国際的な世界です。しかしトビアへの批判者は、その文化は利己的で自分勝手であり、歴代の公爵が貿易の富を浪費していると主張しています。実際、トビアは税と護衛料から毎年何兆クレジットもの収入を得ていますが、その資金は、艦隊の維持費やトロージャン・リーチへの帝国の拡張や文明化に使われる代わりに、贅沢品やスピンワード・マーチ宙域など帝国中央への財政投資に使われています。
 トビアは温暖気候ではありますが大気が不快なため、大部分の住民は極点などに建設された大きなアーコロジー内に住んでいます。トビアはその高い酸素含有量にもかかわらず工業化されており、電子産業や通信技術産業を主に取り扱っています。また建設業や産業デザイン、システム工学といったいわゆる「インフラ企業」も多く見つかります。トビアは高い技術力を持つ労働者の多さで知られています。
 トビアは人口増に対処するため、社会を規格化していきました。トビアの文化は公共への自己犠牲的な奉仕を重んじていて、教師や医師や消防士といった公務員は「役職階層」なる支配階級として持ち上げられています。よってこれらの職務に就くには他の世界での医師と同じぐらい厳しく選抜されます。
 静止軌道上のゴーディアン・ノット複合体(Gordian Knot Complex)は20億人が住む居住区と造船所が一体化したもので、様々な造船企業がここに工場を構えています。またここの住民はスピンワード・マーチ方面への輸出産業でも働いています。


【参考文献】
・Alien Module 1: Aslan (Mongoose Publishing)
・Third Imperium Fanzine #5 (Mike Jackson)
・B.A.R.D.: Office of the Planetary Advisory Liaison (Peter Gray)


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