宇宙の歩き方

The Astrogators' Guide to the Charted Space.

宙域散歩(10) ヴィラニ・メイン3 ヴランド

2012-07-20 | Traveller
「ヴランド。初めて宇宙を旅した人類となった偉大な種族の故郷。ヴィラニ人たちは千年もの間、未踏の銀河を放浪した……遥かな過去の暗い霧の中でどのような偉大な発見がなされ、そして失われたのだろうか?」
アキッダ・ラアギイル「ヴランドにて」
トラベラーズ・ダイジェスト誌 1102年


ヴランド Vland 1717 A967A9A-F N 高技・高人・肥沃 Im 宙域首都
 主星ウラッカラン:
  スペクトル型:F8V 質量:1.144 半径:1.178 光度:2.126
  構成:惑星6、小惑星帯1、空白軌道1、ガスジャイアントなし

 惑星構成:
 0 (空白軌道)
 1 サガディル        Sagadir         Y100000-0
 2 ウミガッシュ      Umiggash        Y500000-0
   35 ディンニカ    Dinnika         Y400000-0
 3 カムルル・ベルト  Khamlur Belt    F00026C-E
 4 ヴランド          Vland           A967A9A-F N 高人・首都
   12 イルッカ      Irukka          G42422C-E
   35 ガシェマ      Gashema         F43456C-F   植民地・研究所
   50 カラグウル    Kalaguur        H7A2220-E
 5 (空白軌道)
 6 リルシャラ        Lirshala        Y400000-0
   45 アグ          Agu             YS00000-0
 7 ビカマク          Bikamakhu       Y523000-0
   5 カニイレル    Kaniirer        Y100000-0
 8 ルウカド          Luukad          F9A466B-F   植民地・軍事基地

 主要世界ヴランド:
  軌道半径:2億495万km(1.37AU) 公転周期:484.72日 衛星:3
  直径:14850km 密度:1.02 質量:1.45 重力:1.15G
  自転周期:31時間48分18.8秒 自転軸傾斜:26度19分29.6秒 反射率:0.31
  地表平均気圧:1.00atm 大気組成:酸素・窒素の混合気体 呼吸可能
  水界度:74(液体の水) 地表平均気温:18.1度 温室効果:1.1
  総人口:372億3000万人


 ヴランドは、明るい主星ウラッカランを回る熱帯世界です。極地ですら気温は-35度以下には下がらず、赤道の日中では気温は60度に達します。大部分の主要都市は、海岸線の気温を和らげる効果を利用するために、沿岸地域に置かれています。
 ヴランドには2つの大きな大陸と、5つの大きな島、そして群島があります。惑星最大の大陸であるキイ・エシュキマ(Khii Eshkhima)大陸は南半球にあり、かなり都市化されたルギカド(Lugikad, 家)大陸は北半球最大の土地です。凍土のシュドゥシュキル(Shudushkir)島はヴランドの南極点を囲むように位置し、アラシャド(Alashad)島は最も北にあります。そして、ウシルド・キイギ島は(Ushirud Kiigi)は赤道にまたがっています。加えて、山地のアドメグン・ラシャ(Admegun Lasha)島と小さなイルカ・イル(Irka Ir)島が主なヴランドの陸地です。

 太古種族がテラ(ソロマニ・リム宙域 1827)から人類をヴランドに移した時、最初の「家」となったのがルギカド大陸です。現在ルギカドは、惑星最大の都市と2つの地上宇宙港を含む、ヴランドで最も都会化された地域です。
 ルギカド大陸の最も有名な地形は、アシュキゲ(Ashkige)山脈です。この山脈はテラのヒマラヤ山脈や、レア(プロヴァンス宙域 2402)(※ヴァルグルの故郷)のオンググンギラ(Onggungira)山脈と同等の高さと荒々しさを持ちます。アシュキゲ山脈は地震が多いことで知られており、かつてはあらゆる種類の金属が埋蔵されていました。
 その山脈から流れ出るデガル(Degar, 灰色)川は海に注がれ、ヴィラニ人の祖先が最初の居住地を築いたのはこの川沿いでした。ルギカドの市街地は拡大を続け、現在、この区域は果てしない量の家屋や複合住宅、企業や工場から成っています。
 惑星首都であるエンルガル(Enlugal)市で97億8千万人、イシマガ(Ishimaga)市で28億6千万人が住み、両方とも大陸北西部の海岸にあります。ここでは、小さな古い建築物によって作られる時代遅れの街並みがあると思えば、そこから塔のようにそびえ立つ、住居と職場と商業施設が一体となった最新の高層アーコロジーがあったり、と、伝統と最先端が入り交じっています。上流階層向けの高層建築物では、エアラフトの着陸域が高層階同士を結ぶ歩道や車両橋と接続されています。
 ただし、エンルガル市とイシマガ市はヴランドの都市計画の優れた例です。大部分のヴランドの市街地は洗練されていない迷路で、場所によっては遥か古代の旧式技術(TL5~10)で建築されていたりします。それらの多くは歴史保存地域となりましたが、例外的にスラムと化した所もあります。なお、人口があまりに多いため、ヴランドの土地のほとんどに人が住んでいると言っても過言ではありません(※地図に明示されているのは人口5億人以上の大都市です)。
 エンルガル市とイシマガ市の周辺にある広大な産業地域は、地上宇宙港を囲むようにあります。これらの地域では重工業産業が営まれていて、原料や部品が輸入され、完成品が外世界に輸出されます。2つの悪名高い宙港街地区は、宇宙港のゲートと工業地帯の間に挟まれていて、港湾労働者や工場労働者などが住んでいます。

 長い歴史を持つルギカド大陸は、観光客にとっても魅力的です。アシュキゲ山脈付近では、標高3500mの単独峰、「開祖たちの峰(Founders Peak)」が有名です。その山肌には、第一帝国(ジル・シルカ)の創設者である『最初の三人組(First Triumvirate)』が、高さ1kmの全身像として刻まれています。これは、最も背が高い人物が左手で5つの星を支え、残る2人がその腕を支える、という構図になっています。
 首都エンルガル市には、大部分の歴史的建築物があります。ここには皇帝宮殿(Imperial Palace)が建ち、宮殿内のほぼ全ての建物が現在はジル・シルカ歴史博物館として公開されています(ただし敷地内の公爵宮殿だけは、ヴィラニ三百人評議会(Vilani Council of 300)の事務所となっています)。
 宮殿の隣には、既知宙域内で最古の図書館である「帝国図書館(Imperial Library)」があります。帝国図書館は「一つの施設に収められた収蔵点数」では最大の施設で(※その次が後述のAABです)、不活性空気の中で保管された2万年前の羊皮紙文書から、『最初の三人組』による建国宣言書や、最新の公文書など、ここに保存された文書は多岐にわたります。これらは外部の研究者にも原本のままの閲覧が許可され、一般市民でもコピーを取ることができます。また膨大なデータはさて置いても、その建物は一見の価値があります。
 帝国図書館に匹敵するものとしては、イシマガ市にあるAABが有名です。ヴィラニ語のArgushiigi Admegulasha Bilanidinの頭文字を取ったAABは、直訳すれば「ヴィラニの全知識の宝庫」となります。現在の正式名称は「ヴィラニ全情報保存所(Vilani Repository of All Knowledge)」ですが、一般的には略称のAABもしくは「保存所」と呼ばれることが多いです。
 AABは博物館と図書館と研究所と出版社を一つにしたような組織で、既知宙域の全ての書物や電子文書を収集しています。これらの蔵書はヴィラニ文明に偏りがちな帝国図書館を補い、他の人類や諸外国の文書、さらには物品も収集対象としています。例えば、古代テラのソロマニ人書物についても、AABは最大級の蔵書数を誇ります。
 全ての情報は10年おきに体系化され、『AAB百科全書(The Encyclopedia)』として出版されます。全部で15個のホロクリスタルに収められた『百科全書』には、書籍7500冊分の情報が入っています。また、AABは宇宙船や官公庁のライブラリ・データの提供も行なっています。
 AABは民間人にも開放されていて、その巨大なデータベースはヴランドを訪れる研究者が自由に閲覧できますし、ヴランド市民は惑星内・軌道間情報ネットワーク(global-orbital information network)を通じて家からでもアクセスすることができます。さらにAABは特許や著作権の情報センターでもあり、企業にも広く利用されています。
 ヴランド最高の高等教育機関であるカシイガ大学(Kasiiga University)はAABと密接な関係があります。AABの人員と資産は大学教育で生かされ(カシイガ大学はAABを大学図書館として利用しています)、カシイガ大学は歴史学や社会学の分野において帝国中で高い評判を得ています。

 「神々の戦いの地」キイ・エシュキマ大陸は、地理学的に両極端な気候をしており、その自然の力は大陸の初期の探検家に畏敬の念を起こさせました。
 古代ヴィラニ人のこの大陸への入植を阻んできたネダディプ岸壁(Nedadip Wall)は、ぎざぎざの山と海蝕崖からなる地形で、大陸北西の海岸線の2300kmに渡って、高さ500~1000mの絶壁としてそびえ立っています。壁を越えた南東には、クラガン(Kuragan, ヴィラニの英雄の名前)密林や、シイギイズニ(Siigiizuni, 英雄)川、エダマル(Edamar, 神話)湖があります。
 この大陸の内地の半分以上を覆うステップ地帯であるディカアイ(Dikaai, 大)砂漠は、さらに印象的です。現在、砂漠の大部分は惑星改造がなされた農業地域となっていて、自動化された食品工場のそばで、ロボットが耕作を行なっています。ヴランドの大部分の土地が居住区となっているので、ディカアイはこの惑星の食料生産に対して重い責任を負っています。ただし、砂漠の南東の角は数千平方kmに渡る環境保護地域として、元の状態が維持されています。
 大陸の多くの著名な地形の他に、キイ・エシュキマ大陸は歴史上の重要な土地でもあります。数十万年前に太古種族のロボット兵器が戦っていたのが、まさにこの地だったのです。いくつかの考古学的発見により、いがみ合う「神々」の古い伝説が解明されつつあります。
 多くの観光客は、ヴランド英雄記念碑(Heroes of Vland Planetary Monument)を訪問します。エダマル湖から流れるシイギイズニ川の川岸に沿って、ヴランドの偉大な英雄たちを祭っている大きな像や記念碑が並んでいて、観光客はエアラフトやハイテクの反重力翼船(grav hydrofoils)に乗って川を下り、記念碑のそばではホロ映像によるそれぞれの英雄の解説を楽しむことができます。

 人口の最も少ない、「氷の島」という意味のシュデュシュキル島は、ヴランドの南極地帯を覆っています。厳しい寒さにもかかわらず、熱心な労働者が極寒のツンドラの資源(主に石油)を採掘しています。永久凍土はありませんが、シュデュシュキルはヴランドで唯一雪や氷で覆われた土地です。居住区があるのは、比較的暖かい気候の北に突出した半島だけです。

 最も北にあるアラシャド島は、北部は寒冷気候の不毛な砂漠であり、南部には荒地の中に避暑地や公園が点在しています。残りの3分の1以上の土地は、都市化された地域です。

 赤道にまたがっているウシルド・キイギ島は、ヴランドの熱帯にあります。島のほぼ全ては開発されていますが、暑い気候や惑星の中心部から遠いこともあって、人口密度はそれほどでもありません。

 ヴィラニ語で「天空の島」を意味するアドメグン・ラシャ島は、ヴランドに残された最後の荒野です。高い山脈、人を寄せ付けない海岸、樹木で覆われた高地は、休暇中の市民に好まれています。外世界からの来訪者だけでなく、多くの市民はアドメグン・ラシャを理想的なキャンプ場、ハイキング先、狩猟場などと考えています。
 アドメグン島内警備隊(Admegun Rangers)は島全体を巡回して、自然保護を実施し、狩猟の決まりを守らせ、迷ったり負傷した観光客を救助しています。また、ヴランド水軍(wet navy)でもあるアドメグン沿岸警備隊(Admegun Flotilla)は海上で同様に、捜索・救出任務を遂行し(※最近ヴランドの裕福な市民の間には、スリリングな娯楽として危険な海に帆船で繰り出すのが流行しています)、適切な許可証を持たないハンターの違法な上陸を警戒しています。

 イルカ・イル島はヴランドの最も小さな"大陸"です。その地形のおよそ半分は砂漠で、残りは2つのかなり大きな都市と、居住区が広がっています。イルカ・イルはヴランドの赤道の遥か南にあるので、他の地域よりも気候は穏やかです。

 これらの大陸と周辺の海の資源から、様々な産業が興っています。製造業、農業、情報業の3つがヴランドで有力な産業です。
 ヴランドはハイテク兵器と反重力機器と電子製品の主要な生産者です。軌道および地上宇宙港周辺は、帝国の銀河核方向の世界の中でも最も大きな造船業の拠点です。
 キイ・エシュキマの超大規模農園は、余剰農産物を他の世界に輸出できるほどの収穫量を生産しています。
 この世界には製造業・運輸業・金融業・保険業の企業本社が数多く置かれ、いくつかのメガコーポレーションもその中に含まれます(※ヴィラニ系企業のシャルーシッド、マキドカルンの他、LSPのように「宙域本社」を置く企業もここに含まれていると思います)。大多数の企業は、通信、広報、会計、法律、データ処理、娯楽、その他の業務を行い、多くの雇用を生んでいます。
 ヴランドのように歴史が古く、人口の多い星系では資源が枯渇しているのは当然です。実際、ヴィラニ人がジャンプ航法を開発する前に、既に何種類かの金属は枯渇しかけていました。しかし幸いにも化石燃料は豊富で、さらに高度なエネルギー源が開発されるまで、燃料には全く困りませんでした。現在でもヴランドは後進世界に化石燃料を輸出できるほどです。それでも現在のヴランドが資源輸入世界であることは否定できません。

 ヴランド政府の官僚機構はしっかりしており、治安水準も高く保たれています。したがって密輸や不法入出国は困難です。

 忘れてはならないのは、ヴランドの文化的中心地としての重要性です。15000年に及ぶ文化遺産を持つヴランドの人々、そしてヴランドに起源を持つ全ての人々は、脈々と伝えられた伝統文化に大きな誇りを持っています。

ヴランドの軌道施設
 宇宙港を兼ねた3つの大きな宇宙入植地は、ヴランドの地表から遥か遠く、静止軌道上に浮かんでいます。これらの施設は宇宙港として用いられているだけではなく、主要な産業拠点でもあります。軌道施設では造船業、精密電子機器産業、反重力機関が生産されています。またそれらの人気製品を産み出しつつ、かなりの内部面積を農業に割いています。
 大小の施設すべてを合わせて、ヴランド軌道上には20億人以上の人が住んでいて、3つの軌道宇宙港と地上宇宙港(大きなものはエンルガル市とイシマガ市にありますが、小さなものであればだいたいの都市にあります)の間をシャトルが頻繁に往復しています。
 軌道宇宙港の複合施設は、全ての宇宙交通の最初の停止点です。ヴランドを訪れた宇宙船は、まずはここで税関手続きと検疫を受けなくてはなりません。これが終わるまでは、宇宙船はどんな地上施設へも着陸を禁じられます。

ヴランドの衛星
 ヴランドは3つの天然の衛星を持っています。一番近いイルッカ(Irukka)、植民地化されたガシェマ(Gashema)、最も大きく最も遠いカラグウル(Kalaguur)です。これらの存在により、ヴランドの地表では闇夜というものがありませんでした。3つの衛星が同時に満月となった時には、夜間でも人工光なしに屋外で読書が可能となるほどの明るさになります。
 イルッカはヴランドからおよそ17万km離れた軌道に乗っている、不毛な岩の玉です。小規模の鉱業会社と燃料補給ステーションの他に、ヴランド政府が運用する気象監視所があります。ここでは、ヴランドを周回する幾多もの気象衛星からの情報をまとめています。
 ヴランドから約50万5000km離れた軌道を回るガシェマには薄い大気と水が存在し、繁栄している植民地と心理歴史学(psychohistory)研究施設、そしてヴランドのCOACC(Close Orbit and Airspace Control Command, 低軌道・大気圏内管制司令部)本部があります。
 ヴランドから72万km離れたカラグウルは、ヴランドの双惑星と言えるぐらいの大きな衛星です。硫黄化合物が多い大気は有毒で、あまり訪れる人のいない衛星唯一の入植地は、小さな会社が築いた鉱山植民地です。

ヴランド星系の惑星
 既に述べたように、(ソルよりも明るい)黄白色の主系列星ウラッカランを中心に、ヴランド星系は周っています。しかしその歴史の割に、惑星の方はあまり開発されていません。だいたいの惑星は未開発で不毛の地です。さらに、ヴランド星系にはガスジャイアントが存在しないため、主要惑星ヴランドの価値はより高まっています。
 小惑星帯カムルル・ベルト(Khamlur Belt)の資源の大部分は、ヴィラニ人が「地球人」に遭遇した頃には枯渇していました。現在、それでも価値のある鉱脈を求めて調査活動は続けられています。
 ルウカド(Luukad)はヴランド星系の最も外側の惑星です。その濃厚なメタン大気の下に、造船能力のある造船所を含む、帝国第13艦隊の海軍基地があります。ルウカドの過酷な環境にもかかわらず、300万人以上がここに居住しています。




付録:ヴランド星域 ライブラリ・データ


 ヴランド星域には34の星系があり、総人口は約1642億600万人、最大人口はアンシンの約820億人です。最大テクノロジーレベルはヴランド、カーマ、キピイ、クラ、ズーリアン、フリーレの15です。全星系が帝国の傘下にあります。
 ヴランド公爵領(Duchy of Vland)は代々ヴィラニ系貴族のシイシュギンサ家(Shiishuginsa family)が治めており、現在のヴランド公爵(兼ヴランド宙域公爵)はエンリル・イグシイルディ・シイシュギンサ(Duke Enlil Igsiirdi Shiishuginsa of Vland)です。彼はストレフォン皇帝の親友かつ腹心であり、一年の半分をキャピタルで過ごして皇帝にヴィラニ情勢の助言をしています。

アナアム Anaam 1811 C424753-D 高技 Im
 アナアム星系の小惑星帯の資源は、数千年間の採掘を経て枯渇してしまいました。落ち込んだ惑星経済は経費の削減を強い、1052年には宇宙港のサービスがCクラスに低下しました。
 市場戦略を変更したアナアム政府は、ハイテク製造業の誘致のために税制上の優遇措置を始め、若干の成功は収めはしたものの、惑星経済はまだまだ移行期にあります。

タウリ Tauri 1817 A130998-E 高技・高人・砂漠・非農・貧困 G Im
 ヴランドからほんの2.17光年の距離にあるタウリは、-9800年にヴィラニ人が亜光速宇宙船で45年かかって訪れた最初の「外世界」です。当初は研究基地として入植されましたが、居住者はかなりの勢いで増えていきました。
 現在では、ヴィラニ・メインの起点という重要な位置のため、惑星内産業よりも宇宙港を通過する金融や貿易業で栄えている世界です。
 ちなみに、ヴィラニ系メガコーポレーションのナアシルカは、ヴランドではなくこのタウリに本社を置いています。

ギイナム Giinam 1915 C265003-C S 高技・低人・非工 G Im
 ギイナムは帝国貴族のための狩猟場です。テクノロジーレベルの数値は、小さな宇宙港の宿泊施設で利用できる物を表しています。惑星の残りの部分は未開の地と、手の付けられていない海洋です。
 惑星は小規模の割に高密度のため、標準的大気を持ちます。何人もの鉱業関係者がこの世界の所有者に金属の採掘を許可するよう説得を試みましたが、狩猟の環境を壊すとして拒否され続けています。

クラ Khula 1919 B475977-F N 工業・高技・高人 A Im
 -9309年に、亜光速宇宙船で約190年に及ぶ旅から帰還した調査隊から、ヴィラニ人は信じられない発見を聞かされます。このクラにて、数千年前に滅んだ「人類」の痕跡を発見したというのです。ヴィラニ人が自分たち以外の「人類」の存在を知ったのは、この時が初めてでした。
 このクラ原産の小型生物がシュウラメーン(Shuulamane)です。シュウラメーンは頭部以外を緑がかった灰色の毛皮で覆われた重さ3kgほどの醜い齧歯動物で、2つの臭腺からきつい臭いを発するのが特徴です。この臭いは死肉に印をつけ、他の動物が肉の臭いを嗅ぎ付けるのを妨げる役割をします。繁殖力も旺盛で、ヴランドの1年で最高4回、1回につき6~10匹ほど産み落とします。温暖な地域であればどこでも見つかりますが、大都市圏ではほぼ駆除されています。ちなみに、ヴィラニ人の多くの諺や民話において怠惰や不潔の象徴として扱われているので誤解されがちですが、このシュウラメーンがヴランドに持ち込まれたのは意外に遅く、第一帝国後期の-2450年頃です。

ズーリアン Zurrian 2016 C463436-F S 高技・非工 G Im
 ズーリアンは有名なシュルシ布(shurshi cloth)の産地です。その繊細な虹色の布は重さの割に強く、シュルシで織られた衣服は長年その美しい光沢が保たれます。シュルシ布は富裕階層向けにヴランド宙域中に、そして宙域を越えて出荷されています。地元の支配階級は製品の10%を税として上納させてはいますが、残りは生産者の自由にさせています。
 このシュルシ布は、品種改良されて手懐けられた現地の昆虫が分泌する糸から生産されています。しかしこの昆虫を別の星で育てる試みは全て失敗していて、シュルシ布は信じられないほど高価なものとなっています。
 ズーリアンの宇宙港の大部分は、シュルシ布取引のための倉庫地区から成ります。宇宙港がCクラスのままとなっているのは、外世界人はほとんどこの世界を訪れないため、結果的に高級な宿泊施設の必要性が低くなっているからです。

タハヴァー Tahaver 2017 B769978-A 高人 Im
 タハヴァーは-9310年にヴィラニ人が異星の知的種族と最初に接触した世界です。この世界の知的種族であるタハヴィ(Tahavi)は、マンタ型の水棲種族です。
(※この-9310年というのは、知的種族と接触した、という報告をヴランドで受けた年です)

イリラ Irila 2211 B568003-9 N 低人・肥沃・非工 G Im
 美しい自然の風景を持ち、人を恐れない動物の住むイリラは、帝国自然公園惑星(Imperial park planet)に指定されています。第一帝国期に自然保護のために買い上げられたイリラの所有権は、その後シャルーシッドに移り、現在では利益のために観光名所的な運営こそなされていますが、なるべく自然のままに維持されています。

アシュバカ Ashbakha 2216 A672000-A N 低人・非工 G Im
 アシュバカは暗黒時代には完全に見捨てられた世界でした。第三帝国の初期に、ある裕福な貴族が第一帝国時代からある宇宙港施設を補修して観光客に開放しましたが、諸般の事情により数世紀後には閉鎖されました。施設の修復には数十億クレジットが必要と見積もられており、現在もここは寂れたままです。
(※ここには「2人」が住んでいるらしいですが…?)

シイシュギンサ家 Shiishuginsa family
 -425年にメガコーポレーションのジルンカリイシュを設立し、古くから商業で財を成したヴィラニ系貴族です。現在でも彼らはジルンカリイシュの29%の株式を持つ大株主です。
 シイシュギンサ家は現在のアルカリコイ朝と密接な関係を持っています。内戦後の679年、ザキロフ皇帝の皇妃として迎えられたのがこのシイシュギンサ家の令嬢、アンティアマ(Antiama)でした。それ以来この家は皇室への忠実な支持者であり、キャピタル(コア宙域 2118)に大規模な私領を持つ数少ないヴィラニ系貴族の一つとなっています。

タウリビ家 Tauribi family
 ヴィラニ系名門貴族のタウリビ家は、第一帝国の最後の皇帝から3000年間続く一族とされています。
 76年にヴランド領域が制定された際に、アルテンサス帝によってラエルキガル(Laerkigar)が初代ヴランド大公に任ぜられて以来、代々タウリビ家がヴランド大公の地位を継いできました。現在のヴランド大公は、先代のウシャリ大公(Ushari)の第三子として1042年に誕生したイシュッギ・イグシイルディ・タウリビ(Archduke Ishuggi Igsiirdi Tauribi of Vland)が務めています。


【参考文献】
・Travellers' Digest #5 (Digest Group Publications)(の翻訳版であるタクテクス第66号)
・Vilani & Vargr (Digest Group Publications)
・Book 7: Merchant Prince (Game Designers' Workshop)
・GURPS Traveller: Nobles (Steve Jackson Games)
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その他
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