金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

釈迦直伝で老後のファイナンスの問題を考えてみる

2022年09月20日 | ライフプランニングファイル
 浅学菲才の身にかかわらず、先日釈迦直伝の教えについてエントリーを書きました。でも考えてみると浅学であれ、未熟であれ、日々の暮らしの中で色々な意思決定をしていかなければならないのが人生というものです。
 意思決定をするという意味では、私のブログを読んでいる多くの人の関心事は資産運用にあるのではないでしょうか?
 資産運用については、それを飯のタネと考えている証券会社や銀行などが、「今のままでは老後資金が枯渇します」的な煽り方をするものですから、一部の人は必要以上に不安を覚えているかもしれません。お金というものは不思議なものでないと不安ですが、あればあるで不安のタネになることがあるようです。私自身は不安のタネになるほどお金はありませんので、その心配はいりませんが(笑)、実際に経験した話を紹介します。それは今から20年ほど前私がある銀行の支店長として名古屋にいた頃の話です。その頃は巷で銀行の信用不安がささやかれた時代で、銀行に多額の預金をされている方は銀行の倒産を恐れ、色々な銀行に分散して預金するために窓口をはしごしたり、更には銀行から預金を下ろして、貸金庫に現金を詰めている人もいました。幸い大事は起こらず笑い話で済みましたが。
 その時私はお金を持っている人はそのことによって不安つまり悩みあるいは苦しみを抱えるのだなぁ、と思いました。つまりお金を持っていても、それを賢く管理する知恵がないとお金だけでは救いは得られないと思いました。
 もしこの問題をお釈迦様に聞くことができるとすれば、お釈迦様は何と教えてくれるでしょうか?
 「お金の問題に関する正しい知識を身に着け、先入観を捨てて、現実を直視しなさい。貪欲や慢心を捨て、ほどほどのリターンを求めて中道を歩きなさい」とお釈迦様をおっしゃるでしょう。
 お釈迦様はこの世の悩みや苦しみの根源には、人間の無知と貪欲があり、無知や貪欲を取り去ることができるなら、悩みや苦しみから抜け出すことができると教えられたので、その言葉を投資の世界に自分なりに書き換えてみたのです。
 この文脈で無知というと、金融知識や経済全般に関する知識と解釈される人が多いと思いますが、本当に大切なことは自分を知り、自分の尺度にあったファイナンス方法を考えるということだと私は思います。個人にとってファイナンスとは、長期的に金融面での収支をバランスさせる技術ですから、貯蓄や資産運用に加えて、長く働いてお金を稼ぐことや倹約あるいは心身の健康を維持して医療費の支払いを抑えることも広い意味ではファイナンスの一種だと私は考えています。
 人は家族構成、職業経歴、趣味、健康状態等が総て異なります。ですから平均でモノゴトを考えてもあまり意味はありません。自分のライフプランの中で自分にとって必要なファイナンスとは何か?ということを自分で考え実践していくしかないと思います。
 つまりそこがスタート点なのです。次は先入観を捨てて世の中の現象をありのままに見るということです。ありのままに見ようとすると先入観や自分の欲得で曇った判断から離れることができると思います。
 そして「世の中にリスクを取らずにリターンを得られることはない」という資産運用の大原則が腹落ちするようになります。
 その中から「自分が取って良いリスクはなにか?」「自分が取ってはいけないリスクはなにか?」が選択できるようになれば、資産運用の基本プランは固まります。
 しかし世の中にはこれとは反対のアプローチをする人が多いと思います。
 反対のアプローチをする人はまず「儲けるチャンスがあるかどうか」から入ります。そして儲けるチャンスがあるという噂を耳にするとそれに飛びつく傾向があります。だがそのチャンスは往々にして後講釈の場合が多く、最初に乗った人は儲かったにしろ、後から乗った人は貧乏くじを引いて終わりということがしばしばあります。
 つまり貪欲は不幸を招くことが多いということです。
 自分のライフプランを考え、記述することで自分に対する理解を深め、欲をほどほどに抑えることに成功すれば、資産運用で大きな間違いを犯すことはないと思います。しかし欲をスタート点にタクティカルなレベルの金融知識を積み上げても、資産運用で成功するとは限りません。むしろ大怪我をする危険性が高いかもしれませんね。
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「スマートフォン時代のネパール個人旅行」⑥DeepLで英文メッセージを書く

2022年09月20日 | 旅行
 私たちのネパール旅行では、現地の宿、フライト、ガイドの手配を日本国内から現地旅行会社に依頼しています。まず旅程を決めて、泊まるホテルを決めて、飛行機を使うか自動車を使うかを決め、見積もりを取ります。その見積もりを参加者全員に回覧し、問題がなければ現地旅行会社に予約して貰うという手順です。
 この間の現地とのやり取りは、Face Bookのメッセンジャーを使い、当然ですが英語で行っています。できればこのメッセンジャーを旅行参加者全員で共有すると情報の共有という点で飛躍的に便利になるのですが、残念ながら、全員がFace Bookを使っている訳ではないので、そこまでは行きません。
 さてメッセンジャーに書く英文ですが、ごく簡単なものは除いて、DeepLという翻訳ソフトを使っています。DeepLは日本語を書くと自動的に英語に翻訳し、英語を書くと自動的に日本語に翻訳してくれるソフトです。アプリはPC版もスマートフォン版もありますが、メッセンジャーで英文を書くときは大抵PCを使っています。
 また基本的には自分で英文を書いて、日本語の訳をみながら必要があれば英文を修正するという方法をとっています。これは少しでも英作文能力を改善するためのささやかな努力です。ただしDeepLは前置詞の誤りや冠詞の欠落など文法上の小さなミスを無視して、正しい日本語に翻訳してしまいます。
 ですから「自分が書いた英語が正しい日本語に変換されたからといって英語が文法的に正しい」という保証はない訳です。もっともこのことは、多少の文法上のミスがあっても意味は通じるということを示しているともいえると思います。
 文法的なミスがないにこしたことはないが、多少のミスはあっても意味は通じると信じ、ドンドン英語を使うにこしたことはありません。
 ただし相手が教養の高い人間の場合、文法上のミスが多いと、英語をしっかり勉強していない⇒教養の低い人間、と思われる可能性があります。
 私自身はどう思われてもかまわないのですが、グループ旅行の幹事として、教養の低い人間と思われることは、色々な面でマイナスがでる可能性があります。そこで時間が許す限り、自分で書く英文をGrammarlyというスペル、文法チェックソフトにかけるようにしています。これはカンマやスペースの挿入漏れなど細かい点までチェックしてくれるので英文がきれいになりますね。
 便利な時代になったものです。
 個人旅行、特にある程度人数のまとまった個人旅行では旅行の企画が要です。旅程表を日本語で作り、また同じものを英語で作るといった二重作業も出てきます。この問題を解決してくれるのもDeepLです。DeepLの有料版にはファイルごと翻訳する機能もありますから、これを使うと旅程表の日本語⇔英語も簡単です。
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