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ウクライナ軍、ヘルソンで損傷を受けつつも前身

2022年09月01日 | ニュース
 今年2月のロシアのウクライナ侵攻で最初に占領されたのが、ヘルソン州の州都ヘルソンだ。そのヘルソンでウクライナが反撃を開始している。
ウクライナ側はロシア側の第1防衛線を突破したと発表したが、ロシア側はウクライナの攻撃は失敗したと発表している。
 真実はどうなのだろうか?
 WSJはUkrainian soldiers say they are advancing in the south, but at a cost.という記事で戦闘で傷つき野戦病院で治療中の兵士の生の声を紹介しながら、真実を探ろうとしていた。
 現在のところウクライナ政府は、軍事作戦上の機密としてウクライナ軍の攻勢についてほとんど公表していない。米国防省は今週水曜日に「我々はウクライナ軍が幾つかの事例でウクライナ軍が漸進し、ロシア軍が後退したことを知っている」と述べている。
 今週月曜日に始まったウクライナ軍の反撃は、ロシア軍の長距離ロケット砲による攻撃が数週間にわたって鎮静化してきた中で始まった。
 2月に始まったロシアのウクライナ侵攻で最初に占領されたヘルソンの奪回はウクライナの悲願だろうが、重装備で立てこもるロシア兵の抵抗にウクライナ側の人的消耗が増えている。
 あるウクライナの傷病兵は「ロシア軍は戦車、重砲、弾薬など多くの武器弾薬を持っているが兵士は少ない」とWSJに告げていた。
 戦闘は攻撃側の犠牲が増えることが多い。防御側は塹壕や防護壁によって身を守りながら反撃するからだ。ロシアのウクライナ侵略が当初予定通りに進まなかったのも攻撃の難しさを軽視したことにある。
 孫子は「敵の十倍の兵力があれば包囲戦を行い、五倍兵力があれば攻めまくり、二倍の兵力差なら全力を尽くして戦え、そして劣勢なら退きなさい」と述べている。
 ウクライナがロシアを圧倒するような戦闘力を持っている訳ではない。しかし冬が来る前にヘルソンを取り戻さないと雪と泥のぬかるみのため進撃が不可能になる。また反撃能力を示さないと西側諸国の支援に陰りが指す懸念もある。
 ウクライナが人的消耗を覚悟の上で反撃にでてある程度の前進をしているが、それがヘルソン奪回につながるかどうかはまだ分からないというところが現状なのだろう。
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