WSJにU.S.consumer shares cause sticker shock.という記事がでていた。Stickerには「スティカー、広告ビラ」という名詞としての意味と「希望小売価格を表示する」という動詞としての意味がある。Sticker shockは「値段の高さに驚く」というイディオムだ。
従って記事のタイトルは「米国の消費株は値段が上がり過ぎ(投資家を)驚かせている」という意味だ。
本文にU.S. consumer stocks have been flying off the shelves, but some investors are beginning to
suffer from sticker shock.という一文があった。Fly offは「飛び立つ。ものが飛んでいく」というイディオムで、fly off the shelvesは棚からものが飛び立っていくということから、「飛ぶように売れる」というイディオムである。
文章全体では「米国の消費株は飛ぶように売れているが、投資家の中には株価の高さに驚き始めている人がいる」という意味だ。
消費株、より正確にいうと百貨店などのdiscretionary stocks(裁量消費財株) は、過去半年の間に、18.8%上昇した。同期間にS&P500は10.3%の上昇だから、かなりアウトパフォームしている訳だ。
目端の利いた投資家は、原油価格の低下で消費者の財布のひもが緩み、裁量的支出(つまり消費者が自分の好みで使う消費)が増えると判断して、裁量消費財株を購入してきた。しかし皆が買うと値上がりして、割高のなるというのが株の世界。記事によると、ホーム・デポの株価のPERは24.5倍まで高まっている。これは同社の過去5年平均PER21.3倍に較べるとかなり割高な水準だ。
ちなみに食料品など生活必需品のことを英語ではconsumer staplesという。生活必需品は景気の良し悪しに関わらず、一定の売上があるので、株価は景気の影響を受けにくい。私は長期的に米国株に投資するのであれば、生活必需品を扱うメーカーが良いと考えているが、目端の利いた投資家はそれでは物足りなく、景気を先読みして半年程度で値上がりする株を物色しているのである。そしてそれを後追いする一般の投資家は時にやけどをするのである。
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