昨日米国ダウは203ポイント(1.6%)下げた。今年に入ってダウは745ポイント上昇していたが、その稼ぎの4分の1以上を一日にして失ったことになる。ダウが200ポイント以上下落したのは昨年11月23日以降始めてのことだから、随分長い間米国株は堅調だったことになる。
昨日の大幅下落は、月曜日の中国の経済成長目標の引き下げやブラジルの予想外に低い経済成長(第4四半期の経済成長は市場予想1.6%に対し1.4%)などから、世界経済の成長予測に懸念が高まったことや、大詰めを迎えるギリシャ債務削減問題に対する懸念が高まったからだ。
だが落ち着いて考えてみると、これらの問題はにわかに起きたことではなく、十分予想されたことである。だが株式市場は世界経済のネガティブサイドを無視して、米国経済のプラス面のみに注目して買い上がってきた。しかし冷静に見ると世界経済や政治情勢には問題は多い。
WSJはA pullback is completely understandable and probably overdue(株価の下落は完全に理解できるし、恐らく遅すぎたのだろう)というアメリプライズ フィナンシャルのストラテジストの言葉を引用しているが、これがまあ大方の市場参加者の見方ではないだろうか?
ではこの後ダウはどうなるのだろうか?私はこのコレクションの後、今週発表される雇用統計等の重要な指標をこなしながら、やがて上を向くのではないか?と考えている。その理由は例えば中国の経済成長の減速自体は米国経済にほとんどマイナスの影響を与えないのではないか?と判断していることだ。米国からの中国向け輸出は小さく、むしろコモディティ価格の下落によりプラス面の影響もあると判断されるからだ。今米国経済の強さが本物かどうかが問われる。