金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

ふと寺山修司を思い出した

2010年12月13日 | うんちく・小ネタ

氷雨降る郊外の駅前、市議選のポスター掲示を待つ掲示板が濡れている。年の瀬、市議選に関心を払う人はほとんどいない。

ふっと寺山修司の歌が頭をよぎった

マッチ擦るつかの間の海に霧深し身捨つるほどの祖国はありや

鳩山から菅へと首相は替り、尖閣列島で中国漁船と海上保安庁の巡視艇の衝突、メドベージェフ大統領の北方領土視察、北朝鮮の延坪(ヨンピョン)島砲撃・・・と国家主権が揺らいだ半年だった。

誰かに何処かで踏みとどまって貰いたいと思う。身を捨つる程の祖国ありという政治家に出てきて欲しいと思う1年だった。

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市議選の看板寒し冬の雨

2010年12月13日 | インポート
市議選の看板寒し冬の雨
田無駅前に年末の市議選ポスター掲示板が立った。少しも合理化の進まない市政。寒空に虚しさが広がる。

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今年は思いの他良かったけど来年は違う(E誌から)

2010年12月13日 | 金融

今年も残すところ3週間となった。そろそろプロの投資家はクリスマス休暇に入るので、市場は閑散としてくるだろう。先週の米国の消費者センチメントが良かったことなど好材料を評価して株式市場は堅調。7月初めから2割程上昇したMSCI世界株価は大きな波乱なく年を越えそうだ。

エコノミスト誌も世界経済にとって今年は驚く程良い年だったと述べる。年初懸念された米国経済の二番底、中国経済のハードランディングが起きなかったからだ。アイルランド等ユーロ圏の周辺諸国の債務問題は、くすぶり続けているものの、ユーロ圏全体では元気なドイツが牽引し健闘している。

だがエコノミスト誌は「多くの人は来年もこのパターン続くと考えているようだが、必ずしもそうではない。来年の世界経済のパフォーマンスは、新興国、ユーロ圏、アメリカで何が起きるかにかかっている」と警鐘を鳴らしている。なお同誌によると、日本は重量級の経済大国ではあるが、驚きを生む可能性は低いということだ。

新興国、ユーロ圏、アメリカの3地域は、極めて異なった成長見通しと対立する政策の選択で顕著に異なる方向を目指している。

中国やブラジルなど新興国で気になるのはインフレの問題だ。中国の11月のインフレ率は5.1%。先週末の中央経済工作会議で政府首脳は、インフレ抑制政策の優先順位を引き上げた。今日のところ人民銀行は政策金利の引き上げを見送っているが、物価の状況次第では今後の引き上げが視野に入る。ブラジルの11月のインフレ率も5%を超えている。

エコノミスト誌は「物価上昇の加速を止めるため、大部分の新興国経済は来年一層引締政策を取る必要がある。しかし引締過ぎると成長が急に鈍化し、引締が緩いと大きなインフレを起こし後でより大きな引締をすることになる。いずれにせよ、新興国からマクロ経済にショックを与える可能性は顕著に高まる」と述べる。

同誌はユーロ圏も金融とマクロ経済における別のストレスの源泉だという。アイルランド、ポルトガル、ギリシアなどユーロ圏の経済弱小国にとって、ユーロという単一通貨を使っているので、賃金と価格を引き下げて急速に競争力を回復することは不可能で、ユーロ圏にリーダーには頭の痛い問題が続く。

アメリカの問題はオバマ大統領と共和党議員の間の減税策合意と連銀による国債の持続的な買い入れだ。エコノミスト誌はこれらの効果でアメリカ経済は来年4%成長するだろうと予測する。懸念は財政再建に取組むことに対する合意形成さえ試みられていないことだ。もしこの懸念が高まると来年米国の国債市場が破綻する可能性すらあるとエコノミスト誌は警告する。

☆   ☆   ☆

良い時には将来が良く見え、悪い時には将来が良く見えるというのが世の常。これに警鐘を鳴らしたのがエコノミスト誌の記事だ。同誌は向こう5年の間に世界の経済成長の5割以上を担うと期待されるが、世界の公的債務の増加では13%しか寄与しないと予想されると述べる。つまり近未来は公的債務負担に苦しむ西側諸国と倹約的な新興勢力のゆがみが拡大するということだ。

そこで日本。アメリカの財政赤字拡大も気になるが、アメリカの場合は経済成長と人口増加で懸念はある程度緩和される。だがデフレと人口減少の影響を受ける日本の場合の財政赤字拡大はもっと致命的だ。加えて気になるのが、諸般の問題に対する政治家の取り組み姿勢の無気力・無責任さ。

エコノミスト誌は「日本からサプライズが生まれる可能性は低い」というが、それは慢性病のため急速な好転も悪化もないという見立てだろうが、慢性病にはいずれはcatastropheを向かえるのではないだろうか?来年日本の国債市場が行き詰ると予測する人は極めて少数派だろうが、2,3年後にはもっと多くなっているだろう。このままでは。

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