
「和算で数に強くなる!」 高橋 誠著 (ちくま新書) 定価:720円
【この本を読んだ理由】
本のタイトルを見て興味が湧いたから。
【読後感】
“江戸時代の庶民は、分数の計算ができなかったし、角度も知らなかった。
ゼロの概念も江戸時代から明治時代にかけて、次第に成長していったのだ。”
また、この本の帯には、
『江戸から現代へ算術四○○年の旅』
とある。
しかし、期待したほど面白いことが書いてなかった。
ただ、ちょっと気になったことが書いてあったので書き出してみた。
“江戸時代に「速さ」という概念はあったのでしょうか?
無くはなかった、としか言いようがありません。
形成途上という感じです。”
“江戸時代に「速さ」という概念が確立しなかった理由としては、甲の速さ、乙の速さ、丙の速さといったように、複数のものの速さを比べる必要がほとんどなかったことがあげられるでしょう。
速さの違いを比べる必要が生じたときに始めて、早さを量として捉えて数値化(時速、分速、秒速などとして)しなければならなくなるが、そこまでしなければならないような局面がなかったということでしょう。
速さの比較といっても、せいぜい、旅人や飛脚や大名行列が同じ距離(京ー江戸間とか)を移動するのにかかる日数とか、1日に進む里数を比べればすんでいました。”
なるほどと思った。
現代は、まさに「速さ」を競う時代である。
そして、たったこの半世紀の間に、「速さ」の比較ばかりが優先されてきたような気がする。
その結果、物凄く便利な世の中になった。でも、われわれ人類はもはや限界に近づきつつあるのでは・・・???。