佐藤直曉の「リーダーの人間行動学」 blog

リーダー育成のための人間行動と人間心理の解説、組織行動に関するトピック

リーダーの暗示学96――三つ子の魂百までか

2005-03-15 06:27:47 | 人間行動分析
「おばさんキラーの歌手」
 先週の土曜日の夜ですが、NHKの「のど自慢大会(グランド・チャンピオン決定大会)」を見ました。鐘を鳴らして合格した人たちの中から、グランド・チャンピオンを決める大会です。素人ながら、プロ級の人ばかりでしたね。結構、面白かった。

 のど自慢の歌を聞いていたら、歌手の出世について、つい考えてしまいました。

 歌唱力があっても、なかなか世に出られない人はよくいるようですね。天童よしみは、私の好きな歌手の一人ですが、あれぐらい歌のうまい人でも、デビューしてから十年ぐらいは芽が出なかったというのですから、信じられません。しかも、一度は歌手をあきらめて、国に帰ったというではありませんか。

 彼女は、子供のころから、のど自慢大会荒らしとして有名だったそうです。天童は、その道では、すでにかなり有名だったようです。それでも歌が売れない。どうしてそんなことが起きるのですかね。よほど、世間は耳が悪いのか、それとも、プロデューサーに人を得なかったのか。

 五木ひろしも、今では国のなんとか賞をとるほどの大歌手ですが、デビュー当時は売れずに、名前を変えたと聞いております。どうして、あれだけの歌手がすぐに売れないのでしょうかね。

 それに比べたら、氷川きよしは順風満帆、デビューしたら、あっという間にスターダムにのし上がりました。彼は歌がうまいとはちっとも思えないのに、この違いはなんなのでしょうか。

 若い歌手は、歌唱力よりもルックスとか雰囲気が重視されるのでしょうか。氷川きよしは、おばさん方に人気があるようですね。アイドル歌手が、同世代にもてはやされるのはわかりますが、年上に気に入られるというのは、ちょっとすごいと思いますね。


「じじ殺し」
 よく、車や生保の営業マンには「じじ殺し」とか「マダムキラー」と呼ばれる人がおります。こういう人たちは、そのタイプの顧客には圧倒的に人気があるのです。何か、コツというか、相性があるのかもしれません。

 ところで、先日、テレビを見ていたら、ベンチャーで成功するタイプは、「金儲けが好きで、けちで、……で(もう忘れました)、それに、じじ殺しだ」と言っている人がおりました。それで、オヤッと思ったわけです。

 有能な若手ベンチャー経営者といえども、自分の実力だけで世に出られるわけではない。先人に目をかけられて、支援や庇護を受けながら成功するケースが多いということなのでしょう。

 しかし、若い人間が、どうして「じじ殺し」になれるのか。私にはできそうもないので、実に不思議でした。ただ、最近ふと思いつきました。

 セールスマンにしろ、経営者にしろ、「じじ殺し」になれる人は、日ごろから老人とよく付き合っている人ではないかと思ったのです。もっといえば、子供のころ、お爺さんやお婆さんと同居していたからではないか、と考えたわけです。お爺さん子、お婆さん子だったのかもしれません。

 そういう人なら、偉い老人と向かい合っても、あまり緊張しないし、なんとなく老人と親和性があって、間合いというか、つきあい感覚がわかるのではないでしょうか。

 その推理を延長すれば、カリスマ美容師とか、カリスマ・セーター編み師になるには、女系家族に生まれていると有利だということになります。女姉妹の中で育てられた男の子は、女性に対する馴染みが、ふつうの人と違うのかもしれません。どうでしょう、この仮説。

 その点、ライブドアの堀江社長の子供時代を聞いたら、彼はじじ殺しにはなれそうもないですね。家にはいつも一人でいたようですから。彼はなんでも自分で行う野生のたくましさはありますが、年上の人から目をかけられるようなタイプではなさそうです。その点が、楽天の三木谷社長とは違うようです。誤解のないように言いますが、どちらがいいとか言うつもりは全然ありませんよ。

 氷川きよしもきっと、お爺さん子かお婆さん子ではなかったなどと、私は勝手に推測してしまいました。それで、攻撃性とかあまり感じない。逆に、親が面倒をみないで育てられると、非常にたくましくなる。野性的なほど攻撃力が強くなる。ただ、人に頼ることをしないし、人のことを信じない。信長なんか、その典型です。

 子供の成育環境・家庭環境というのは、大人になってからの行動に大きな影響を与えるのではないかと、あらためて考えさせられた次第です。

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