S嬢のPC日記

2004年から2007年まで更新を続けていました。
現在ははてなで活動しています。

「いい男」の条件

2005年04月03日 | つぶやき
今日、13歳娘は、公的施設主催の「知的障害を持つ中高生の余暇支援事業」に参加の日。
午前中から午後、昼食を含めた半日活動です。
この活動に娘が参加する日は、息子の希望を叶える外出に使う日でもあります。

さて、息子と外出をするために駅で電車を待っていたときのこと。
電車を待つ列のトップに旅行に行くらしい荷物を持ったカップルがいて、そのすぐ後にわたしたちが並んでいました。

ぶつぶつと不穏な空気で会話をしていたこのカップル、突然女性が捨て台詞のようなものをパンと男性にぶつけ、踵を返して改札に向かう階段の方へ足早に去っていきました、男性を残して。
あわてて追いかける男性が階段の上り始めのところで女性をつかまえて、腕をつかんでなにやら説得しているらしい光景が目に入りました。
かなり興奮した様子で口論。
ここで電車が来るまでの時間は、だいたい2分程度。

「ねえ、あの人たち、次の電車に乗ると思う? 賭けない?」と母。
「絶対、乗らないと思う」と、息子。
「普通、そう思うよね、アレだと。でもわたしは乗ると思う」と母。
「え~~~~~~、乗らないよ、アレじゃ。」と息子。
「見ててごらん、電車が来たら、絶対降りてくるから。」と母。
「男の人が引っぱってくるの?」と息子。
「ううん、女の人が自分から降りてくるの。」と母。

さて、電車が来ました。
ホームに発車を知らせるメロディが鳴り響くと、女性は「怒った様子を変えない」まま、足早に階段を下り、男性が追いかけるような形で彼らは電車に乗りました。

はっはっは、勝ったね。
いや、単なる「お出かけ」ではなく、旅行の支度をしていたからだよ。
計画していたことをやめてしまうのは「もったいない」という感覚が、女性には動きがちなんだよ。
それを全て投げてしまってもいいくらい怒ってるんだったら、階段の上り始めのところで男性につかまったりはしないんだよ。

ふうん、そんなものか、と息子。

息子、まだ10歳ですからね。
直接彼との会話で話していたのはここまで。
以下は思ったけど、言わなかったこと。

この女性、自分が怒ってるってことを男性にわかってもらえたら、多分、それで半分は満足なわけで。
「追いかけてくれる」という期待が無かったら、多分取っていなかった行動かもしれない。
恋愛ってものは、そんなことの繰り返しを一つの要素としてるのかもしれないな、と。
自分の経験で思い当たること?
アリアリ、ですよ。
電車や駅だのってシチュエーションを変えてみればね。
相手に言葉を投げつけてそっぽ向いて、なだめてもらいたがってる気持ちを持ってしまう、とかね。
「賭け」という言葉を使うならば、女性が自分の恋愛に対して仕掛ける「賭け」みたいなものかもしれない。

失礼な人間観察をしながら、こういうときいつも思う。
男に生まれなくてよかったなあ、と。
男に生まれたら、こういうしちめんどくさい「女の感情」ってヤツとまともにつき合わなきゃいけないんだなあ、と。

息子よ、アンタもいつかそんな経験をすることがあるんだろ。
息子よ、よく覚えておきなさいな。
そういう「女の感情」ってヤツと真っ向から向かい合ってやれる男のことを、「いい男」って言うんだよ。