望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

母のウエス

2017-11-09 12:42:03 | さみしさBOX
徳島市 植物園より


母のウエス


満月の光沢にすすき野は映える
母の温もりのような光
男ひとりすすき野にあり
すすきを自分に見立てるでなく
満月を見上げて慟哭する
男ひとり満月に母の顔を浮かべ
男ひとりを噛み締める

三日月の下を切れていく雲
三日月だけぽっんと見られるより
すじ雲は流れて三日月をひきたてて惜しみない
男ひとり切れ切れて清みきる心根
満月の微笑み母のウエスを誇りて
世の隙間に切れ切れ細切れようと
母のウエスに涙を振り切って
男ひとりを惜しまない