goo blog サービス終了のお知らせ 

望郷いなか詩

田舎に燦々といきたい

ひとりいる風景

2018-11-08 14:04:31 | 望郷クリームソーダ
海部郡 牟岐大橋



ひとり風景



一つだけに拘りたい


一つに身を委ねたい


止まり木の数々に戸惑い


多方向に流す気流に辟易


ひとり言ひとり鳴き声は尽きぬ



架空と実相に流されて揺らぐ


ひとり風景は奈落の底に見えてしまう



どんどん奥へ内なる枕に寝転ぶ夢遊病の影


コンクリート壁を前に心を弾いてエネルギーを使い果たす影


壁にレール書いてなぞり灰色の地平線へ線路を敷く影



喚いて嘆いてのたうって


実体をかなぐり捨て影と揺らいでもボヤけてしまう


実在の荒野に真っ直ぐ貫く線路を描いて実体で進む


それぞ意味のある人生軌道



辛くても情けなくても


押されて揉まれて生きていたい


月影の隠れ里よ何処へ

2018-10-26 11:59:15 | 望郷クリームソーダ
那賀町相生 月影の臼谷

月影の家路

満天の月は星をとかす勢い
雲は切れ切れて月光は降り注ぐ

半々の月影は前進か後退
葉っぱの表裏に戯れて
山の天コツに艶やかにあり
深い谷間に侘しい影をなす

急流は満月をぼかし
勢いある家路へ逆流
家路を辿る姉はんかぶり人は
誰ぞ新月の家に寝る

月影の足取りぼやけ
山へ細間る家路は遠く
単色の夜は白壁土塀を箪笥へと導く道標

姉はんかぶり人
急坂の年輪を手拭に織り成し月影の家路を厭いもしない





孤高の秋野道

2018-10-19 20:25:20 | 望郷クリームソーダ
那賀町臼谷より孤高の峠 

孤高の戦士

季節なきヒソヒソ毒蛾
ヒラヒラと闇夜に航跡
苛つく燐粉を巻きながら
孤高の戦士を麻痺させて苦笑

孤高の戦士は古道に生きて来た
毒蛾の燐粉に晒される恐怖
優しい一匹狼でいられない
孤高を独りよがりの生きざまと叱咤
戦士の自負と勲章を捨てて秋野道へ
秋の激励に目頭を熱く潤ませても
迷路主義の枯野の露と消えはしない

秋野道に転がり
打ち付けられようと
いちずな心は天高く峠へ続き
儚き秋に一天の曇りなき勇気を示して
あるがままの秋野道へ
勇士で立ち向かう









マッチ心

2018-10-01 15:29:02 | 望郷クリームソーダ


   マッチ心

マッチをすれば見えてくる
畦道の萎れた彼岸花
憐れんだりしない
線香花火の火玉が轟いて
消え行く心根を知るから
憐れみなど入らない

酒に酔って千鳥足
情けなさに追われて
田んぼ道へ赴いてしまう
畦道に萎れた彼岸花の群れ
情けなさでマッチすれば
線香花火の静かな去り際を見ている

マッチの一灯りを悔やまない
憐れまれようと毅然として
マッチ心を灯し続ける


lemon色の時

2018-09-18 00:23:27 | 望郷クリームソーダ
海部川はいつもlemon色


「lemon色の時」


ペダルを踏んで踏んで

オールをこいでこいで

汗が吹き出し長い髪は沈み

前に前へとlemon色は噴き出す


lemon色の酸っぱさ 数パーセント味わう青い日々

lemon色のほてり感じる数分

lemon色の少女は美女と熟した


lemon色の未知数は風雨に晒されて甘酸っぱさをまし

lemon色の時は鏡を透かして

一瞬 少女の笑顔を覗かせた