これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

稲佐山ノボレ

2017年01月19日 21時31分43秒 | エッセイ
 何とかと煙は高いところに上るというが、私はロープウェイが好きである。
「あっ、稲佐山展望台に行かれるロープウェイがあるよ。ここ行こう」
 類は友を呼ぶから、夫も娘も異論はない。
「いいよ~」
 長崎市はコンパクトにまとまっている。市街地からブラブラ歩くと、20分ほどで乗り場に着いた。時間は午後3時。夜景がウリの場所だから、陽が高いうちは空いているようだ。貸し切り状態で山頂に着いた。展望台に上ると長崎が一望できる。
「おお~」
 見晴らしはいい。



 360度ぐるっと楽しめる景色を、どうやってカメラに収めようかと考えていた。
「そうだ」
 カメラの取扱説明書を見たら、私のミラーレスでもパノラマ写真が撮れると書いてあった。ここで練習してはどうだろう。
「えーと、スタート地点でシャッターを押し、ゆっくり右にカメラを動かしてください、か」
 カシャッ。
 そのままカメラを動かしたら、メッセージが出てきた。
「撮影できませんでした。ゆっくりカメラを動かしてください」
「うーむ」
 ちと早かったようだ。再チャレンジしたら、今度は上手くいった。



「おーし」
 しかし、このアングルはひどい。ワイドに写っているだけの風景写真だ。どこに美があるのかわからない。
「やっぱり、長崎港を入れなくちゃね。さあ、もう一度」
 気を取り直して被写体を変える。さっきは速くて失敗したから、今度はもっと遅く動かさないと。
 しかし、またもやメッセージが表れた。
「撮影できませんでした。もっと早くカメラを動かしてください」
 どっちなんだよッ!
 心の中でクソッと呟きながら、やり直す。できた!



「むううう」
 今度は港だけしか入っていない変な写真になってしまった。どうも、カメラの動きに気を取られ、肝心の被写体がおろそかになるらしい。もっと空に近づけてみよう。



 これも、インパクトがなくて間の抜けた写真になっている。撮影中、何度も「もっと早く」とか「もっとゆっくり」などと罵られた。めげずにトライしてみたが、バッテリーの無駄づかいはご法度だ。「もういいや」とあきらめ、普通の写真を撮り始めた。



 山頂には30分ほどいただろうか。気が済んだところで下りのロープウェイに乗り、ふもとまで下りてきた。
「あっ、あそこで写真を撮ろう」
 撮影スポットがあったので、夫にシャッターを押してもらう。



 この写真は妙に気に入った。看板を作った人に拍手~!
 ホテルに戻り、娘がアイフォンで撮ったパノラマ写真を見せてもらった。





「くうう、私より上手に撮れてる……」
「当たり前じゃん、写真部だもん」
 最初は上手に撮れなくて当たり前か。
 またどこかに上って、しつこくしつこく頑張らなければ。


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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
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コメント (4)
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