これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

長崎タウンで遊ぶ

2017年01月22日 19時54分33秒 | エッセイ
 長崎は坂の街である。



「ふうふう、バスに乗りたい……」
 脂肪肝を抱える夫は、上り坂でも下り坂でも苦しそうだ。
「大した距離じゃないんだから歩きなよ」
「そうそう、いい運動だよ」
「ひいい」
 妻と娘に追い立てられ、夫はいやいや歩いていた。原爆資料館から南へ南へと進んでいく。
「えーと、ひいらぎカフェ……あそこだ」
 昼食のピークは過ぎていたが、店内は7割方、座席が埋まっていた。なかなかの人気店らしい。明るすぎない照明が、落ち着いたムードを醸し出している。まあ、写真を撮るには、もうちょっと明るいほうがありがたいが。
「おや」
 壁の一点で目が止まる。いかにも長崎らしい絵が飾ってあったからだ。



「聖ミカエル」と書いてあるが、モンサンミッシェルにミカエル像とはあまりにも違う。



 同じ大天使を描いたものであろうが、和のテイストで味付けすると、このような風貌になるらしい。長崎代表という存在感で、大いに気に入った。
「お待たせしました。開運チーズオムライスです」



 この店ではオムライスが人気だという。ライスに載った玉子をサッと切り開き、ジュワーッという音が響くと幸運がやって来そうだ。ライスに入った肉も、しっかりした味がついていて美味しい。
 食後のデザートには、シフォンケーキをおススメする。



 ふわふわのスポンジになめらかな生クリーム。なにより、この「どデカ感」が素晴らしい。
 ちなみに、翌日の昼食はグラバー園近くの中華料理屋に入った。



 定番のちゃんぽん、皿うどんに加えてチャーハンも頼んだら、どれも3人分の取り皿をつけてくれた。親切だったし、満足のいく味を堪能して非常に得した気分になった。
 シフォンケーキを胃袋に収めてお腹いっぱいになったあとは、市内をふらふらする。
「眼鏡橋に行ってみたい!」
 娘が地図を指さし叫ぶと、夫が「よし!」と頷き道案内をした。この辺りには坂がないので、元気が出てきたようだ。天気に恵まれて何よりだった。この日は、キレイな眼鏡になっている。



 川辺に下りて遊ぶ若者もいたが、さすがに50歳間近のオバさんが同じことをするわけにはいかない。我慢我慢。おっと、「コスプレやったじゃない」というツッコミはなしにしていただこう。
 出島にも立ち寄り、タイムスリップ感を味わう。





 すっかり暗くなってから、空港行のバスに乗るため長崎駅に向かった。
「あ、ツリーだ。キレイ~!」
「ホントだね」



 たくさん遊び、食べ、学び、のんびり過ごせた旅行だった。
 東京にいると、家事に仕事に趣味にと追われ、ゆっくり休める時間がない。でも、それは「怠けていない自分が好き」という理由だったり、「やることがないと生きている感じがしない」という思い込みのせいではないか。
 長崎では、注文してから料理が出てくるまでの待ち時間が長かった。路面電車もバスも、待ち時間が多少はあったが、何も考えずにボーッと過ごすことがイヤではなかった。
 東京に戻った今も、なるべく心と頭を休ませる時間をとるようにしている。
 航空機内で娘が撮った、とっておきの一枚。



 休息のお供にどうぞ。


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コメント (12)
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