昼のガスパール・オカブ日記

閑人オカブの日常、つらつら思ったことなど。語るもせんなき繰り言を俳句を交えて独吟。

サンソン・フランソワのラヴェルとユゲット・ドレイフィスの『フランス組曲』

2015-04-22 06:35:32 | アート

音楽、特にクラシック音楽が好きだ。かーたんの職業柄、門前の小僧になったのは否めない。オペラは良く観る。さすがに本公演を何回も、という訳にはいかないが、知り合いからゲネプロのチケットをもらったり、DVDなどでよく鑑賞する。
自分ではフルートを少しやる。しかし演奏歴は長いがちっともうまくならない。それでもいいと思っている。自分が演奏に苦労しているので、各奏者の演奏を聴いていると、あそこまで行くにはどれだけ大変か分かって、それなりに鑑賞できる。一方で、矛盾するようだが、粗も聞き分ける耳が出来てきた。オカブに言わせれば今のフルート奏者は皆、ヘタッピィーである。
さて、声楽でもフルートでもないがオカブが「神」として尊敬する演奏家が二人いる。ピアノのサンソン・フランソワとチェンバロのユゲット・ドレイフィスだ。オカブに言わせればこれ以外の演奏家は・・・・声楽でもフルートでも・・・カザルスでもホロヴィッツでも塵のようなものだ。
この二人はちょっと「変った」演奏家だ。
フランソワの個性の強さは昔から巷で言われているが、この人はラヴェル以外の曲を弾かせてはいけない。ショパンなどの演奏は噴飯ものだ。
しかし、ラヴェルの曲がこの人の手にかかると、作曲家の得た霊感が、何倍にも膨らんで聴衆の耳に木霊する。
『夜のガスパール』、『ソナチネ』、『水の戯れ』・・・いずれもミューズがこの演奏家に特別な賜物と霊感を与えたかのような演奏だ。
確かに「フランソワ嫌い」の聴衆もいるので何とも言えないが、オカブの中ではこれらの曲はフランソワの演奏が決定盤としたい。
もう一人のドレイフィスはアルザス出身の奏者。一応フランス人であるので、クープランやラモーを得意とするとされている。しかし彼女の演奏するクープランやラモーはいかにも平凡で常識的な演奏だ。
オカブが最も好むドレイフィスの演奏はJ.S.バッハのフランス組曲2番。これはこんなバッハの演奏があったのか、と驚かされる解釈である。しかも、それの完成度が高く、やはりフランソワと同様に、作曲家の得た霊感が何倍にも膨らまされている。
特に「メヌエット」は、ほのやかな憂愁とアンニュイを含んで、荒んだ心を慰めてくれる。何度かの傷心をドレイフィスの演奏によって慰められたことか。
オカブが『フランス組曲』の演奏を聴いたのがドレイフィスが最初だったこともあるが、その後、ヴァルヒャの演奏を聴いて、それが、なんと無機的で機械的で無味乾燥な解釈なのかと思った。
世間の注目度は低いが素晴らしい演奏家の二人だ。

庭の花数えて惜しむ行ける春   素閑 

             



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