昨年の話になります。
令和3年の6月に浜松市外でしたが、庭に来ている猫に餌をあげてしまい
子猫が生まれて困っているという内容の相談を受けました。
子猫シーズンに突入し、大変なときでした。
正直、浜松市内限定で相談を受けないと
にっちもさっちもになってしまうと思っていましたが
親猫の手術の約束ができ、費用負担もできるということになったので
子猫たちも引き受けることになりました。
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手前のひとまわり小さい子がひのちゃんです
実際、保護できた子猫2匹が会に来たのは7月14日のことで
人慣れ修行もけっこう大変な月齢にかかってきていました。
頼むのならもっと早くしておくれよ~と思ったりもしましたが
担当スタッフさんの熱意で連れ帰ってきました。
最後の1匹が保護できたのは7月19日のことでした。
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それから4日ほどしてお迎えに行ったのですが
なんと637グラムしかなくて、先の2匹の子猫たちの体重が半分でした。
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ひのきと名づけられて・・・わが家にやってきました。
慣らすことも大切ですが、まずは大きく育てる、食べさせるのが
第一目標になりました。
三白眼でにらみつけてますが、がんばっちゃってる姿が
妙にかわいらしかったです。
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この子だけ、やたら小さくて人間で言う未熟児だったんですね。
よく育ってきたと思います。
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ケージの目の前に布団を敷いて寝ました。
できる限りいっしょにいる時間を増やそうと思いました。
かなりしっかり食べるようになり、体重も増えて
別のスタッフさん宅に移動しました。
そこでは愛情をたくさん注いで、家猫修行、人慣れ修行をしてくれました。
他の猫たちといっしょに、社会性も身に着くように育ててくれました。
そのひのきに8月末に声がかかり正式に迎えてくださることが決まりました。
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順調に過ごしているとばかり思っていました。
実は、おうちの子に迎えてもらったときから
やっぱり食が細かったり、お腹の具合が悪かったりが続き
病院通いの回数が重なっていたんだそうです。
そんなこととはつゆ知らず・・・。
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11月22日に手を尽くしたにも関わらず、会の子猫が逝ってしまいました。
そのご報告をご尽力いただいた動物病院の先生にお伝えしたときに
ひのきちゃんの具合がよくないことを教えていただきました。
びっくりして、担当スタッフさんから連絡を入れてもらいました。
ひのちゃんは、不治の病とされるFIP/猫伝染性腹膜炎の疑いありと
されて、検査のため細胞を取り結果待ちの状態でした。
確定診断を受けてから、スタッフさんが
11月29日にひのちゃんに会いに行ってくれました。
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高額ではあるけれど、治療薬の話もしたそうです。
でも積極的治療はしない選択をすでにされていました。
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痩せて体重の落ちたひのちゃん
近い病院すら嫌がるひのちゃん
何かすることでこれ以上苦しいかもしれないことは増やしたくないと
そう考えての決断だったようです。
大事にされていること。
たくさん想ってくださってることをスタッフさんから聞くことができて
ほっとしました。
ひのちゃんのことを考えて愛情を注いでくれる飼い主さんが
出した答えです。
それがいちばんの答えだと思います。
どうかひのちゃんの時間が穏やかで安らかで、すこしでも楽しいこと
嬉しいことがあるようにと祈りました。
12月12日にひのちゃんは天に還っていきました。
前の晩、大好きな焼きカツオをたいらげご機嫌だったそうです。
寝る前に何度も何度もお母さんの手を舐めていたそうです。
お母さんのお布団で冷たくなっていて、気づかなかったと・・・・。
たぶん眠ったまま静かに息をひきとったんですね。
美味しい物を食べて、大好きなお母さんに甘えてお別れもして
可愛いひのちゃんは神様にもらった時間をまっとうすることができました。
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あんなに怖がりだった子が、
最後はお膝に入る愛らしい娘になっていたことに心から感謝です。
そして、いつ逝ってしまうかわからない時間は
ご家族にとってさぞ不安だっただろうと思います。
そして1週間後、ご挨拶にいらしてくださいました。
病気と闘ってくださったお礼と、できることならもっと元気な子を
お譲りしたかったと言うわたしの言葉をさえぎり
『ひのちゃんで良かったんです』
ときっぱり言い切ってくださいました。
とはいうものの、
いなくなって力が出なくて、家の中の光が消えたみたいな感じがすると。
猫と暮らす喜びや楽しさを、ひのちゃんは確実に残していったことに
心の中でひのちゃんを誉めずにはいられませんでした。
そして、もしできるのならひのちゃんの繋いだ縁なので
空いた場所に違う子を迎えてもらえないかとお願いをしました。
ひのちゃんとは違う性別、柄、大きさの子がトライアルにいき
年末、いっしょに暮らしたいとお返事をいただくことができました。
新しく迎えた子だけじゃなくて、
姿形は見えずともひのちゃんもずっとずっといっしょです。
小さくて病気と闘いながらも、ものすごく大きな宝物を
ご家族の中に残していってくれました。
ひのちゃんすごいよ、えらいぞひのちゃん。
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最後の最後まで、自分の一生を走り抜いたひのちゃん
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そして、きちんと向き合ってくださった里親様ご一家に
心から感謝です。
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自分の命は終わっても、大好きな飼い主さんの中に
別の命を託していく
こんな風に紡いで、いつしか振り返ったらひのちゃんの生きた証が
しっかり家族の中に刻まれていくのだと思います。
ひのちゃんまたね