そらまめ日記・猫と暮らす会(猫とクラス会)

静岡県浜松市を拠点に、人と猫とが上手に暮らせることを願い
共生をテーマに自分なりの言葉で日々を綴っています

癌と闘ったさくらちゃんのこと

2017-10-17 23:17:52 | 天に還った猫たち犬たち
昨年の10月26日はわたしの愛猫サラちゃんが旅立った日です。


逝ってしまったときの言い知れぬ淋しさ・・・大きな何かが心の中から抜け落ちてしまったみたいな


秋の風が、染み入るような毎日でした。


この季節の風はこんなに冷たいんだと初めて思いました。


そして、その日。


1匹の殺処分に持ち込まれたメスの老猫が・・・あるひとりの女性Kさんの目に留まり


奇跡的に生きるチャンスを与えられたのです。


推定15才


普通ならだれもこの子を自宅に連れて帰ってくれることなんてないのです。


でも、そういう縁だったんですね。


うちの子に迎えますと、彼女のキャリーに入れてもらえました。


すでに亡くなった高齢の飼い主さんの魂の祈りが、この子を助けたのかもしれません。


さくらちゃんという名前ももらって、新しい生活が始まったのです。


三毛猫のさくらちゃん。


若い先住の猫たちのいざこざにも、我関せずのマイペースな子だったようです。



3年も5年も生きそうだね~と話していました。


階段もすたすた登り、かわいいいたずらもして、よく食べてよく眠って



元気印のおばあにゃんでした。


そのさくらちゃんに徐々に異変が起きたのは初夏のころからでしょうか。


顔に元々開いていた穴が広がって、少しづつ骨が溶けるというか皮膚が崩れてきてしまいました。


何が起きているのか・・・。


獣医さんもどうにも対処できないようでした。


はっきりした穴が開いても、さくらちゃんはがんばって自力で食事を摂れていました。


内臓が丈夫で生きる意欲に満ちたおばあにゃんでした。



穴はどんどん広がっていったのですが、それに伴なってさくらちゃんの生きるエネルギーを


まざまざと見せつけられるかのようでした。



この状態でよく・・・。



お世話するKさんもすごい人だなぁと感心していました。


さくらちゃんの話をするときのKさん。


さくらちゃんがたくさん愛されていることが伝わってきて、心があたたかくなりました。


途中点滴のやり方を教えてとさくらちゃんといっしょに来てくれましたが


高校生の息子さんも一生懸命でした。


しっかり家族の一員になれているのです。過ごした時間ではなく、家族に迎えたときの年齢でもなく


もっと深い深いところで繋がっているのを感じました。




最期まで頑張りぬいたさくらちゃんは10月5日の朝、眠るように天に還っていきました。


息子さんを送るために10分ほど家を空けたその間に・・・。




逝くところを見せたら、Kさんがきっとパニックになると気遣ったのかもしれません。


それはさくらちゃんか、さくらちゃんを大切に飼っていた元の飼い主さんの


ありがとうの代わりだったのかもしれません。



秋桜をたくさんいれたママだけど、入れすぎてサクラちゃんが見えなくなっちゃったと

泣きながら話してくれたこと、天国で聞いてたかな


亡くなる直前までトイレに行こうとし、食べようとし・・・苦しい姿を見せることはなかったそうです。


愛おしい子の苦しむ姿を見ることほどつらいものはありません。


安らかでという祈りは聞き入れられ、静かにゆっくりと天に還れたようです。


1年でたくさんの思い出を残したスーパーばあちゃん。


生きるすごさを教えてもらった気がします。


生き抜くということの意味を改めて考えさせられて、胸の奥が熱くなりました。


たくさん驚かせ、たくさん笑わせてくれました。





普通のカラーだと傷が痛そうだからと、食べたくもないカップ麺をあわてて食べて、

あとから胃が痛くなったママのこと覚えててあげてね




わたしからもありがとうと言わせてね。


さくらちゃんを引き取ると聞いたとき、


Kさんの背中を押したのがさくらちゃんの目力だったのか表情だったのか、今となってはわからないけれど


踏み出す勇気と1歩を与えた貴女の魔法


ひとりの人間の心を変えてしまうなんて


まさに運命の出逢いだったんですね。




コメント (6)
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