木彫展示館

2018年07月15日 | 但馬の建物
               六方平野の夏の空


(但馬ふるさとづくり協会転載許可済)
平成28年 第11回但馬検定(2級)問題より

【78】養父市大屋町にあり、現在は養父市立木彫展示館として活用されている
明治中期の建築物は何でしょうか。

(a)旧宿南家住宅            (b)旧森田家住宅
(c)旧栃尾家住宅             (d)旧吉川家住宅

 全国公募展「木彫フォークアート・おおや」の入賞作品の常設展示と、木彫等の
創作活動ができる「木彫展示館」は、養父市大屋町大杉(おおすぎ)にあります。

この大杉地区は、3階建て養蚕農家住宅がまとまってよく残っているところで、県
の歴史的景観形成地区に指定されています。
なので、質問の建物は養蚕農家住宅ではないかと思うところですが違います。

この建物は、大杉地区の入り口に位置し明治時代中期に建てられた診療所なのです。

切妻造りの屋根に、土塗外壁の寄せ棟の診療所兼住宅は、旧栃尾家住宅といいます。
当時のままの外観を残して、現在は養父市の「木彫展示館」に改修されているので
す。

この建物も歴史的に貴重なものであるとして、県景観形成重要建造物に指定されて
います。答えは、(c)の旧栃尾家住宅なのです。

 ちなみに、(a)の宿南家住宅は養父市八鹿町宿南にあって、入母屋造り茅葺き
屋根の養蚕農家住宅で、養父市の824軒の旧養蚕住宅の中で最も古い建物です。
建物は県の重要文化財に指定されています。

(b)の旧森田家住宅は香美町香住区隼人(はやと)にある建物で、大規模な養蚕農家
であり庄屋屋敷として残された貴重な建物です。
国の登録有形文化財に選ばれています。

(d)の旧吉川家住宅は、朝来市生野町口銀谷(くちがなや)にあります。
吉川(きっかわ)家は、銀山を所有していた山師(やまし)・井筒屋の建物で、天領
であった生野の公儀の宿舎にも利用された貴重な建物です。

国の登録有形文化財でもある旧吉川家住宅は、「生野まちづくり工房井筒屋」として
地元住民によって管理運営されています。

ふるさと但馬には、とても多くの文化財的な貴重な建物が残っているのです。


『りこもん』

 「ミオちゃんは一人で留守番出来て、りこもんだな~あ」って、帰ってきた母ちゃん
に褒めてもらってたね。

「賢いこと」を、但馬弁では「りこもん」と言うんだよ。
いや、「賢い子供のこと」を「りこもん」と言うのかな。

但馬のばあちゃんじいちゃんは、子供を褒める時に「りこもんしとったな~あ」、「今
日はなんちゅうりこもんだにゃあきゃ」って、賢くしていた時、素直にしていた時には
「りこもん りこもん」と褒めるんよ。

「りこもん」は、「利口(りこう)」から来ているんだろうけれど、特に子供に向かっ
て使うんよ。