但馬の民俗芸能

2018年07月03日 | 但馬の民俗芸能
               日高町八代の家並み


(但馬ふるさとづくり協会転載許可済)
平成28年 第11回但馬検定(2級)問題より

【57】但馬に残る次の民俗芸能のうち、お盆に行われないのは、どれでしょう
か。

(a)海上の傘踊り             (b)岸田さえもん踊り
(c)丹土はねそ踊り            (d)ささばやし太鼓踊り


 それぞれの踊りが、どこの町でいつ行われているか見てみましょう。

(a)の海上の傘踊りは、新温泉町海上(うみがみ)に伝わる傘を回して踊る民俗

芸能です。

鳥取県から戦後に海上の青年が習って広めたのは、盆踊りの行事として始まった

のです。

無数の鈴をつけた長柄の傘を「シャンシャン」と回す踊りは、県内でも名が知れ

渡る勇壮活発な素晴らしいものです。

(a)は、8月14~15日に行われますから、お盆ですね。

(b)の岸田さえもん踊りは、新温泉町岸田(きしだ)に伝わる手踊りを主とした

念仏踊りです。

鎌倉時代中期に、山陰地方を巡回した上人が「さいもん」と名付けて、盆供養の

行事として伝えたものが今に残っているのです。

(b)も、8月14~15日に行われますから、お盆ですね。

(c)の丹土はねそ踊りは、新温泉町丹土(たんど)に伝わる戦国時代に仏前で供

養に剣術を踊ったのが始まりと言われ、歌舞伎の要素が入った踊りです。

これも8月14~15日に行われますから、やっぱりお盆の行事です。

さて、(d)のささばやし太鼓踊りは、豊岡市但東町虫生(むしゅう)にある安牟

加(あむか)神社の虫除け雨乞い祈願の踊りです。

新温泉町ではありません。

祭りも、秋の10月第2日曜日なのです。

この行事はお盆ではありません。答えは、(d)のささばやし太鼓踊りなのです。

ふるさと但馬の各地で、いろいろな民俗芸能がお祭り行事として、今にしっかり

伝承されています。


『彼岸花(ひがんばな)』

 「彼岸花」って、じいちゃんちの墓にとてもたくさん生えてるだろ。

昔からずっと生えていたんよ。

「彼岸花」は葉っぱもなく、スックと一本立ちしてパっと赤く花開く、不思議な

姿の花なんよ。

きれいなようで、見方によっては気色悪い色も形も、ちょっと特異な花だね。

じいちゃんの子供のころから「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)、家に持って帰った

らいけんよ。持って帰ると火事になるんよ」と、大人から教わったんよ。

狐の花とも、火事を呼ぶ花とも言われてあまり喜ばれない花なんよ。

「彼岸花」はお盆過ぎて秋が来て、彼岸の頃にきちんと去年も咲いていたところに

咲く花なんよ。

ケンちゃんちの墓、いつもお盆に墓参りするところ、秋に向かう彼岸の頃、墓も田

んぼも、あぜ道も、そりゃあ見事に「彼岸花」の花が満開なんよ。