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(但馬ふるさとづくり協会転載許可済)
平成28年 第11回但馬検定(2級)問題より
【57】但馬に残る次の民俗芸能のうち、お盆に行われないのは、どれでしょう
か。
(a)海上の傘踊り (b)岸田さえもん踊り
(c)丹土はねそ踊り (d)ささばやし太鼓踊り
それぞれの踊りが、どこの町でいつ行われているか見てみましょう。
(a)の海上の傘踊りは、新温泉町海上(うみがみ)に伝わる傘を回して踊る民俗
芸能です。
鳥取県から戦後に海上の青年が習って広めたのは、盆踊りの行事として始まった
のです。
無数の鈴をつけた長柄の傘を「シャンシャン」と回す踊りは、県内でも名が知れ
渡る勇壮活発な素晴らしいものです。
(a)は、8月14~15日に行われますから、お盆ですね。
(b)の岸田さえもん踊りは、新温泉町岸田(きしだ)に伝わる手踊りを主とした
念仏踊りです。
鎌倉時代中期に、山陰地方を巡回した上人が「さいもん」と名付けて、盆供養の
行事として伝えたものが今に残っているのです。
(b)も、8月14~15日に行われますから、お盆ですね。
(c)の丹土はねそ踊りは、新温泉町丹土(たんど)に伝わる戦国時代に仏前で供
養に剣術を踊ったのが始まりと言われ、歌舞伎の要素が入った踊りです。
これも8月14~15日に行われますから、やっぱりお盆の行事です。
さて、(d)のささばやし太鼓踊りは、豊岡市但東町虫生(むしゅう)にある安牟
加(あむか)神社の虫除け雨乞い祈願の踊りです。
新温泉町ではありません。
祭りも、秋の10月第2日曜日なのです。
この行事はお盆ではありません。答えは、(d)のささばやし太鼓踊りなのです。
ふるさと但馬の各地で、いろいろな民俗芸能がお祭り行事として、今にしっかり
伝承されています。
『彼岸花(ひがんばな)』
「彼岸花」って、じいちゃんちの墓にとてもたくさん生えてるだろ。
昔からずっと生えていたんよ。
「彼岸花」は葉っぱもなく、スックと一本立ちしてパっと赤く花開く、不思議な
姿の花なんよ。
きれいなようで、見方によっては気色悪い色も形も、ちょっと特異な花だね。
じいちゃんの子供のころから「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)、家に持って帰った
らいけんよ。持って帰ると火事になるんよ」と、大人から教わったんよ。
狐の花とも、火事を呼ぶ花とも言われてあまり喜ばれない花なんよ。
「彼岸花」はお盆過ぎて秋が来て、彼岸の頃にきちんと去年も咲いていたところに
咲く花なんよ。
ケンちゃんちの墓、いつもお盆に墓参りするところ、秋に向かう彼岸の頃、墓も田
んぼも、あぜ道も、そりゃあ見事に「彼岸花」の花が満開なんよ。