
楽(たの)しみは 懐かしきメーデー 今日じゃなく 一昨日(おととい)済んだ 記事を読むとき
「暑かったね~。顔を真っ赤にしてどうしたの、
さ~さ座って休み、休み」と姉は言います。
『うん、今日はね扇町公園でメーデーの集会があったの。
参加せんとあかんで~と言われて出てたの。この陽気夏みたいで暑くて暑くてクタクタなったわ』と言いながら、差し出す冷たいカルピスを飲みます。
53年前のことです。
大阪に就職した私は、
扇町公園でメーデーに参加した後、東淀川の西中島南方で食堂をしている姉の所に寄ります。
昭和39年5月1日のことです。
阪急電車、西中島南方駅のすぐ前で、
食堂を経営している姉に会いに行ったのです。
姉の子が4歳くらいかな、女の子がいました。
「子供を連れて、そこいら散歩してきておくれ」と姉は言います。
西中島南方の周辺は民家ばかりの普通の町です。
少し先に行きますと、田んぼや畑も広がっています。
女の子の手をとって、町のはずれを2,3百メートル散歩します。
目の前に、大きな建物の工事現場が現れてきました。
東海道新幹線の新大阪駅の建設現場です。
まわりは田んぼや畑の所に、ポツンと大きな建物が出来上がっています。
東海道新幹線は東京オリンピックに間に合うようにと、線路や駅舎の建設が進みます。
昭和39年10月10日に間に合わせるように、最後の追い込みです。
遠くから女の子の手をつなぎ、新大阪駅の建設を眺めます。
53年前のメーデーの日、暑かった5月1日の思い出です。