商売の原点を教えてもらう

2009年10月06日 | お客さん宅で
             (MさんのBSアンテナに、ヘチマがぶら下がって)

今日も、午後の後半は届け物をしながら、「アトム特選品カタログ」の手配りです。
南但馬の粟鹿(あわが)神社は、但馬五社と呼ばれる由緒正しき神社、粟鹿地区へは車で40分以上もかかる当店の商圏では一番はずれの一つです。
粟鹿のMさん宅へカタログを届けます。
『奥さ~ん、アンテナにヘチマがぶら下がっていますよ~』と、外から呼びかけます。
気づいた奥さん、「まあ、電気屋さんようこそ」、「大きなヘチマが10本くらい、柿の木に絡んで育ったのよ、あら~、アンテナにも一本」と挨拶です。
コーヒーをいただきながら、『ご主人にお持ち帰りいただいた液晶テレビ、アンテナレベルと設定を見ておきますよ』と、全チャンネルチェックです。

帰り道、養父市のYさん宅にも寄ります。
Yさんはテラスで休憩中、「へ~、粟鹿まで行くの、えらい遠くまでガンバッテいるね」、
「電気屋さん、何がよく売れてるかね~」と挨拶です。
Yさんはたたき上げの商売人で、手広く事業を広げた出世人です。
『テレビがよく売れてますよ、デジタル放送と政府エコポイントに援けられてね』と説明すると、
「100年に一度のチャンスだね」、「でも、この近くの町の電気屋さんは、跡取りがいないのか次々と店を閉めるね~」と淋しそうです。
「近くに大型店が出てきて売れないのは分かるけれど、何かいりませんか~、なんて訪ねてこないよ、おかしいよ」とおっしゃいます。
『商売の原点に帰って、一軒一軒の訪問大切ですね』と相づち打つと、Yさんは、
「わしは終戦直後、神戸の町を車力(大八車のこと)一つで歩き回って商売始めた、但馬に帰ってから豊岡の方に行った時には、電気屋さんの親父さんにいろいろ世話になって」と昔話、
Yさんは、私の父の甥っ子なのです。
「今の商売人は、売れないからと云いながらじっとしている、車もあり、良い商品もあるのに、どうして売りに歩かんのかな~」です。

今日は、85才を過ぎても元気なYさんに、車力の話と商売の原点の話を伺ってしまいました。