【創作びより】

現実と非現実の割合


事件が起きた。身近なところで。困ったなぁ。どうしようかなあ。保育所の先生に頭を下げ、家に戻る道すがら……、これ、使えるかも?という思いがもたげてきた。
掃除機をかけながら、推理を進める。簡単には、謎が解けそうにない。でも、そのほうが読者は楽しめる。頭の中がパンパンになったとき、原稿を書き始めた。
飛ばし過ぎないよう、ペースを考えながら進んでいく。煮詰まると、アイロンをかけたり、洗濯物をたたんだりした。そういうとき、ふっと浮かぶことがある。いや、まだまだ、うん、これいけるかもと、自分の中で綱引きしながら、書き進める。2時すぎ、26枚の草稿完成。
できあがったことが、すごくうれしかった。昨日までは、突飛なところを掘ろうとしてたんじゃないだろうか。まっすぐに素直に掘り進めたら、表へ出られた。
さっそく、プリントアウトして、原稿を読み進める。
うっ……、じみっ。
話が小さくまとまってる。大きな事件もなければ、激しい動きもない。けど、あれ?と思ったことがある。現実の話をそのまま書いたつもりが、読み返すと、ところどころに現実がちりばめられているものの、ほとんどが創造だった。
そっか。現実20%と非現実80%、この比率がいいのかもしれない。もっと上手くなれば、非現実100%で書き進められるかもしれないけど、今の自分には、これくらいの割合が書きやすい。
そういえば、過去の作品も、現実を基点に書いたものが多かった。推理モノだからって、まったく創造だけで書こうとしたから、しんどかったのかも。
そう思うと、他の作品も、現実をプラスすることで、壁を突破できそうな気がしてきた。
夜、長女に「お話、書き上がってんけど、聞いてくれる?」とたずねると、「ママが読んで!」と、布団に飛び込んだ。娘の表情を見ながら、原稿を読み進めていく。現実をモチーフにしてるから、「うわ、いっしょやん」と、たまに声があがる。意外なところで、「その子腹立つ!!」と脇役に怒ることも。「だって、ほら」とヒントをにおわせると、「待って、言わんといて」と必死で当てようとする娘。最後は、ガッハッハと笑ってくれた。
「面白かった?」と聞くと、「うん、だってぇ、うちの姉妹とかぶるんやもん」
そ、そうきたか……。
「他の子が読んでも、面白いやろか?」
「それはわからんな」
どてー。珍しく面白いって言ってくれたのに、ぬか喜びもいいとこだ。
声に出して読むと、あらがごっそり見つかった。ムラがあることにも気づいた。スムースに流れるところと、ガタガタしてるところ。このあたりを直さないと、青くて、外に出せない。
かなり大規模な改修が必要になりそうだ。
手放すまで、何度も手を入れよう。

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