【創作びより】

フレッシュ

子供達を保育園へ迎えに行って、帰ってきたら、岩崎書店から白い封筒が届いていた。開けてみると、『第4回 ジュニア冒険小説大賞 発表』という黄色い表紙がついた冊子だった。
ふぅぅぅぅ。すでに、落選したことには気づいている。おもたい気持ちで、ページをめくった。すると、あった。2ページ目に、自分の作品名と名前が。あ……、第一次選考通過の12作品に入ってたんやぁ。印刷された自分のタイトルを見たら、すっごく照れるかと思いきや、うれしかった。が、ほわっとしてるすぐそばから、ボンッとおばさんにぶつかられたように、くやしさが追い抜いていった。
また、一次選考止まりか…。人に言われないうちに、もっと言っとこう。また、一次選考か…。
伸び悩む自分が、情けなく思えてきた。選考経過を読むけれど、難しいことばかりで、さっぱり理解できない。このあたりに、最後まで残る人との大きな落差があるんだろうなぁと思えた。
くやしいなぁと思いながら読み進めていると、選考経過の最後に、こんなことが書かれていた。
『偶然とはいえ、受賞作四編の作者がすべて20代であったことは、本賞のフレッシュな特質の表れだろう』
に、20代!! フレッシュ~!? くそぉぉぉぉ!! さらに、こうも書かれていた。
『つねにフレッシュ(年齢とは関係なく)でユニークなエンターテインメントをもとめているのである』
年齢とは関係なく! ちくしょぉぉぉ!!
いま、年齢のことで腹が立つのにはわけがある。外で働く仕事を探してるんだけど、いいなぁと思った求人が、34才まではアルバイトなのに、35才を過ぎると、パートになる。しかも、時給が200円も下がる! くぅぅぅ、と年齢の壁にぶちあたり、悔しがってたとこだった。
そこへ持ってきて、児童文学の世界まで、20代全盛とは!! 
あー、若さがほしい! 娘たちのエキスを吸ってやろうか(笑)
ページをめくり、受賞された方々の生年月日を見て、またまたひっくり返りそうになった。ほんまに若い! フレッシュこのうえない。
けれど、3人の先生方の選評を読み進むうち、自分に足りなかったもの、勉強しなければいけない点が見えてきた。若さだけじゃないんだねえ…と謙虚になる。
晩ご飯を食べたあと、何度も選評を読み返し、赤線も引いた。夕方は、一次選考止まりなのが悔しかったけど、だんだんと、気持ちも変わってきた。一歩一歩、階段のぼっていくしかないんだ。
いろんなことに気づきながら書き続けていれば、下がることはないだろう。一段一段、ふみしめて上がっていこう。
そう思いながらも、夜、いつもよりたっぷり化粧水をつける自分がいた。
小さな小さな若さへのあがきだった。

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