心あふれて

締め切りが迫ってるのに、ペースダウンしていて焦っていた。
そんなとき、お友達からのメッセージ。『ひとつひとつ片づけていってね』のことばに救われた。ふぅぅぅっと深呼吸。気持ちを落ち着かせ、心をこめて、夫のお弁当を作った。ハートなんて、結婚してはじめて。長女が目をまん丸にして見つめていた。
休みの日は、子供たちとパソコンの取り合いになる。ノートでまとめて、パソコンが空いた時に、パチパチッと打てばいいんやけど、パソコンの前にいるほうが集中できる。けれど、子供たちは母ののらりくらりを許さない。イスから引きずり降ろされる。母も負けてはいない。おやつで惹きつけ、その間に急いで入力。そんなことしてるもんだから、思うように進まない。
早めに寝かせて、夜にかけようと思った。さぁ、寝るよぉとテレビを消そうとしたら、長女が頭からお布団をかぶったまま、テレビを見て泣いていた。マイケルＪフォックスがパーキンソン病だと告白した番組。あら…、パソコンに向かう手をとめて、一緒に見ることにした。
家族の姿をひと目見たいと、脳に電極を埋め込んだ全盲の男性。一生歩けないといわれた娘とリハビリを続けるお母さん。悩まないという脳をもった女性…。
感動がおしよせて、心があふれそうになった。心にわぁぁぁっと波が立つかんじ。
目の前の原稿を見る。テーマは命。あまりにも頭で書こうとしていたことに気づかされた。原稿が冷たい。資料をかたっぱしから読んで、知識ばかりいっぱいにしてたけど、頭で書いてちゃだめなんだ。心で書かないと…と思い知らされた。
娘の障害にしても、受け入れることとあきらめることは違うということ。大切なことを教えてもらった気がした。
頭をリセットして、あふれる心で原稿に向かった。