さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

飲めるか高額ワイン

2021年01月05日 | らくがき

たまに一緒にワインを飲む人が、「テレビで、1本400万円のワインを見たよ」と
驚いていました。アンリ・ジャイエか?一生飲むことはないのは確実。しかしもっと
高いのがあるはずだ、と思って「ロマネコンティ」を検索し、さらに「高い順」に
してみたら、コレが出てきたわけです。0の数を数えてみんしゃい。

3Lの大瓶とはいえ、1本の酒にこういう値段がつきますかー。400円の牛丼を毎日
食って、226年ぶん。私は安い居酒屋に行って3000円くらい払ったりしますが、定休日の
日曜は休んで、盆暮れも休まずに毎日行ったら、35年ぶん!1万1千回!若者が定年
退職するまでくらいじゃねーか。

1945年といえば、原爆の落とされた年ですよ。ワイン畑は戦争で荒廃し、働き手も
いないからワインはほとんど造られなかったとか。しかしなんとその年は気候が
良くて当たり年。品質が良いうえに本数が少ないもんだから、値段が上がったわけだ。

それにしてもだよ、1日の重労働で1ドルしか稼げないビンボーな人の900年ぶんの
賃金が1本の酒ときたもんだ。まともな労働の対価じゃないよ、この金額。

金があふれている。

金っつ~のは、価値を交換する道具だ。山で狩りをするやつが1匹のウサギを持って
きたら、海でカツオを獲ったやつと交換する。漁師は海がシケで船を出せないときも
腹は減るから、ウサギをもらっといて金を払う。山が大雪で猟ができないとき、その
金を払ってカツオをもらう。山の薪、海岸の貝とか大きな鹿、マグロなんかだと
価値が違うから、貨幣は交換に便利だ。金ってもともとそういうもんだろ。

しかし、資本主義というやつがこの世界に蔓延し、バカな首相も「輪転機をフル回転
させて金を刷りゃ景気がよくなるんだよ」とお金をじゃぶじゃぶ発行するもんだから、
金というものがどんどん投機の対象となる「商品」になってきた。ミヒャエル・エンデ
も困ったもんだと指摘しています。

お金は手堅い預金で利子がつきます。もうちょっと投機的なものだとリスクも上がり
ますが、利益も上がる可能性が高い。長い目で見て、平均3%ぐらいで回るとしましょう。
100万円だと、1年間で3万円に過ぎませんので、飲んだら終わりですなあ。しかし
1億円もっているやつだと300万円だぞ。ちょっとしたサラリーマンの年収が、何にも
しないのに入ってくるんだぞ。まさに不労所得。それ、誰が払ってるの?

10億円持っているやつなんて、いまや珍しくもないんだろうが、利子が年に3000万円
だぞ。その金がまた利子を生む。利子が利子を生んで、加速度的に増えるんじゃ。
山でウサギもとらずに、海で魚もとらずに、人が一生働いた分の金が、何にもせんのに
入ってくるのよー。誰が払ってるの?

そういうやつらがワラワラいるもんだから、一本の酒が3億円にもなるんだろ。
俺は100万円の束を持ったことがあるが、月に3万円のこずかいだったら3年分だよ。
それが10束だったら30年分、ショルダーバッグにぎっしり。
しかし3億って、でかいダンボール3箱ぶんだから、とてもじゃないが持てないぞ。
それがワイン一本じゃー。

グラスに注いで「飲んでいいよ」って言われたらどうしますか?
「これでいくらぶんかな」って思うでしょ。
「俺のこずかい何年分」とか考えたら、きっと旨くね~ぞ♪



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