さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

粉屋の話 カンタベリー物語2

2012年04月08日 | らくがき

 さてお話コンテストの先陣を切った騎士の立派で少し退屈な話が終わると、2番手は無作法な粉屋のロビンだった。こいつが昼間から酒を飲んでひどく酔っ払ってて(オレと気が合うなあ^^)、これから女房を寝取られた間抜けな大工さんの話をするという。

 まわりからはヤメロと野次も入りましたけれど、酔っぱらいを止めることはできません。ここで作者のチョーサーも出てきて断りを入れました。これは悪気があって下品な話をするわけではなくて、粉屋の話をありのままにするのが本当だと思ったからだと。それを書いているのは自分でしょ(ボソっ)。他には道徳的で教養のある話もあるから、どうぞ飛ばして読んでもらっても結構ですし、冗談を真面目に取らないようにお願いしたいわけで、読むのは読者の選択の責任ですよ、と。とゆーわけで、この話を特に選んでご紹介するわたし (^益^)← はいったい何なんでしょう、と思いつつ、これを読んじゃう上品なあなただって


 むかしオクスフォードに、少し年をくった間抜けな大工がおり、そいつには18歳の女房がおりました。大工はその奥さんアリスンを命よりも大切にしており、若くて美人&おてんばな女房が浮気をしないかと心配して、一歩も外に出しませんでした。

 その家には若くて借金だらけの学生が下宿していました。このスケベな学生のニコラス君、主人の隙を見てはかわいい奥さんに言い寄っており、キスをせまったりおしりをなでたり。女房は適当にあしらって楽しんでおり、仲の良いふたりは主人の留守をうかがっておりました。

 さてこの地域の教会の役人に、おしゃれで遊び人のアブソロンという男がおりました。いつでも下心に燃えているやつで、いい女を見つければ必ず口説く。そこで美人のアリスンに目をつけた。しかし亭主も邪魔なら下宿人のニコラスも邪魔になる。やつはチャンスを待っておりました。

 占星術と天文学に詳しいニコラスは、来週の月曜の夜に恐ろしい豪雨がやってきて、世界中が洪水に覆われると大工を脅かしました。驚いた亭主はニコラスに助かる方法を尋ねると、彼はこのように答えたのです。洪水から助かったノアの箱舟をまねて、屋根裏に大きな酒樽をロープで吊り下げよと。そのなかに入って待ち、洪水がやってきたらロープを切りなさい。何があっても外をのぞいたり、話をしてはならず、ひたすら神に祈っていなさい。おかみさんの樽はなるべく離しておかなければならない。声をかけるどころか、見合うだけでも罪になるだろう、と。

 もうおわかりでしょう?^^; ニコラスは、この間抜けな亭主を天井裏に吊るしておいて、その間に美人の奥さんと楽しんでやろうという計画を立てたのです。



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