スイカが好きです・・・
そりゃあ地方都市の寂れた居酒屋で飲む酒や、そこで働くエプロン姿が素敵な女性
なんかも好きなんですけど、そういうことじゃなく、シャクシャク食べる夏のスイカが
大好きなわけです。
近年はスーパーで切ったやつが売られています。あれって、パックに入っている冷えた
アジフライ(2つ入り)とか、自分でビニール袋に入れる焼き鳥(タレ)くらい許せん。
だってスイカは包丁でパカッと切るのが大事じゃん?ビールとかワインとか、自分で
栓を開けるのが大事なプロセス。自分で背中のファスナーを引き下ろさないと、最初から
下着まで脱いで出てこられちゃあ嬉しさ半減でしょうが!(ちとずれたか?)
でも、おかあちゃんがスイカ好きだったけれど、晩年は重くて持てなかったから、
小さく切って売っているのもしかたないのかなー。
さて、届いたのは鳥取のブランド、「大栄すいか」。大栄町のスイカは日本一!
ふっふっふ、それはすでに食べたことあるんだよ。。。今回はそれだけじゃねえ。
「ドバイの太陽」なんだよ! ジャパニーズ・ウォーターメロンって書いてあるだろ。
シールの下のほうを見て( ゚д゚)クレ。アラビア語で書いてあるんだよ(^益^)b
アラビア語は右から左に読むんだ。そんなん知ってても読めないけど。
むかし鳥取の飲み屋で、「アラブの大金持ちは、大栄町のスイカにいっこ何万円でも
出すそうだぞ」というのを聞いたことがあります。ほんとにそうなんだよ!!!
んで大栄町のスイカのなかでも一番品質の高いやつを、「ドバイの太陽」と名付けて
ブランド化したわけだ。鳥取の太陽を浴びたスイカなんだけど。
たしかに美味い。シャクシャクと歯触りが良く、甘くて汁気たっぷり。
文句のつけようがない隙のなさ。・・・しかしなぜだ?この微妙に満たされない気持ちは?
そォ~だっ、これは清水の舞台から後方伸身2回ひねりをしながら飛び降りた気持ちで
シャトー・ムートン・ロートシルトを飲んだときの気持ちだ。
香り、深み、味わい、すべての要素にひとつの難点もなく、完成されたバランスの良さ。
だからこそ感動がないんだよ。まるで銀座の高級クラブか?ものすごく高そうなソファーに
座り、最高級のシャンパーニュが出され、すらりとした美女がおそらく1時間以上はかけた
化粧姿でそつのない丁寧な応対をしてくれるっつーかー。行ったことないんだけど。
すると金持ちは決して喜びの連続ではないな。普段からドバイの太陽を食ってロート
シルトを飲み、銀座の高級クラブで「まーね」とほどほどに満足はするが、感動はない。
むしろ「このスイカ旨くないな」とか「このワインは酸っぱいな」とか、ホステスに
「つまらないやつだな」と不満があったときに、「はずれ」に慣れてないことが問題だ。
ちょっとしたことで不快になりやすく、満足感が当たり前になってしまっているだろう。
そうなると幸せなのは、「このスイカ当たりだよね!」とか、「このワインはえらく
コスパがいいよねェ」と喜んだり、うら寂れた横丁の居酒屋で話の面白いバーさんに
気に入られたりするほうなんだろうなあ~。ムム、それは俺だ。
こちらは土佐から取り寄せた「わけありスイカ」。安いのです。返品不可。こんな小さい
のが段ボールにいくつも入っていました。小さすぎて売り物にならない?たしかに傷も
ある。そういえば傷のついたスイカって、売ってないよねー。
皮がない!なかなか甘いよコレ。全然「できそこない」ではないぞ?
売ればいいじゃないか。「傷があるから100円引き」とかにすれば売れるだろう。
曲がったキュウリも売れ!皮に傷のあるナスも売れ!失敗したケーキでもいい。
「はずれ」のなかに、「当たり」あり。