さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

ヴェネツィア:夜の歌声 ~イタリア紀行31

2010年11月30日 | イタリア


 夜は当然パブに繰り出すわけだ♪どこの街へ行っても、うら寂れた路地の居酒屋を探すのは習性になっている。迷路のような狭い道を歩き、運河にかかる小さな橋をいくつも渡って街の裏手を進めば、ささやかに明かりの灯る居酒屋が見つかる。表通りのパブと違って、こういうところに観光客の姿はなく、自分が異質な世界にまぎれこんだちょっと「よそ者」の存在になる。

 地元の連中が大声を張り上げて歌を歌っている。イタリア人は歌が好きだ。カラオケなんてものは似合わない。数人の常連はなかなかののど自慢で、次々にお気に入りの歌を披露していた。女主人は一生懸命「静かにしてくれ」と眉間にしわを寄せて頼んでいたが、誰も聞いちゃあいない。これだけ騒げば近所から苦情が来るのだろうが、それでもおかみは常連客に強く言えないのだろう。

 イタリア特産の蒸留酒グラッパをちびちびやりながら、しばし彼らの歌を楽しんだ。昼間に運河でゴンドラの漕ぎ手が観光客にサービスの一環で歌っている姿を見かけたが、こちらのほうは商売でないだけ味わいがあるではないかね
(^益^)v

 
さて数いる歌い手のなかで、ひとりのおじさんの声が他より素晴らしいことに気がついた。やがてそのおじさんは、片隅にいるひとりの外国人が聞き惚れていることに気がつき、こちらにやってきて話しかけてきた。残念ながらイタリア語のみw(゜゜)w
それでもこちらがおじさんの声に感動していることは伝わり、もう一曲私のために歌ってくれたのだった。

 そうなりゃこちらが一杯奢るというものだろう。しかしおじさんは身振り手振りで押しとどめ、あちらが「ビール飲むだろう?」と一杯買ってきてくれてしまった。さらにタバコも吸うかい?と一本差し出してくれる。実はこのイタリア旅行中、何を血迷ったか禁煙していたので、10日ぶりに吸った一服は、思わぬ歌のプレゼントとおじさんの好意に、至福の味がするのであった



  こちらが歌のうまいおじさん。いまも元気で歌っているかなあ(^益^)b


この画像は「使い捨てインスタント・カメラ(パノラマ)」で撮ったものです。その写真をスキャナーで読み込んだものですから、あまりきれいでないのはご勘弁を^^;


画像をクリックして見て下さい~^^




ムラーノ島ガラス工房 ~イタリア紀行30

2010年11月27日 | イタリア


 さて美術館に並ぶような超高級ガラス製品を見学したあと、階段を登り上のフロアへ連れて行かれた。今度は手の届く範囲(?)のグラスセットが並んでいる。色とりどりの華やかなヴェネツィアン・グラスが、大きな部屋の四方の壁にびっしりと埋め尽くされている。

 赤、ピンク、緑、紫、何種類の色があっただろうか、よくしゃべる店員は、テーブルの上にセットを並べて説明を始めた。これらのガラスには様々な金属が含まれており、それがこの鮮やかな色を出すらしく、なかでも赤には
が含まれており、一番高級であるそうだ。英国の王室や天皇家が、この色を使っているんだって
w(゜゜)w ガラスといえどもとっても堅く、そうそう割れないぞ、と言いながら店員は驚くほど激しくグラスをテーブルに叩きつけた。ひょおお・・・。

 流暢な英語を話していたが、途中から日本語も交じり出した。「このセットを銀座で買えば、40マン、50マンですよ」それがぐっと安く買えるといったって、考えていた予算の10倍以上だw 「もっと安いのないの」と聞いてみると、「あらあら」という顔をして、そいつはさらに上の階へ連れて行った。そこには安いのがあるじゃあな~いか。客が来たときに出せばいいような、ちょっと立派なグラスです。スカス、一級品を見たあとで眺めるこれらの品々、激しくさえない作りに見えるじゃないかね
(あたりめーだ)


 ここでこれ買って帰るのか!俺は金持ちじゃないけど金満大国からやってきた日本代表ジャポネーズ、安物を持って成田の地を踏めるのか!相手は500年前から監禁されてガラスを作っている職人で
(いまは違うだろ)
、その技を見てやろうとわざわざ地球の裏側からやってきたんだぞ…。



           さっきの階へ戻ろう・・・ _| ̄|〇



 というわけで、いまでも我が家には、激しく場違いのヴェネツィアン・グラス(赤)のセットが、食器棚の奥に並んでいます。いつどうやって使えばいいのでせうかw

 この店員、日本に数ヶ月滞在したことがあるそうで、「二子多摩川」などと言っていた。「なんで来たの」などと聞いてしまったのが愚問だった。相手はやや呆れた顔をし、当然と言わんばかりに「日本語を学ぶためだよ」と答えたのでした。そいつはイタリア語に加えて英語、ドイツ語、フランス語、そして日本語も話せる接客のトップ・プロだったのだ。

 んで会社経費で派遣され、語学の勉強つんできたわけねェ~。



          こいつがその販売員だぁーヽ(`益´)ノヽ(`Д´)ノヽ(`´)ノ
              
ナイスなキャラだったぞ…w(ΦωΦ)w


ムラーノ島 ~イタリア紀行29

2010年11月25日 | イタリア


 ヴェネツィアへ行けば、土産品はヴェネツィアン・グラスときたもんだ。高級品なもんですから、まあオサレなグラスいっこかなぁ、と思っていた。だいたい狭い我が家には場違いな品物。優雅な一軒家の居間の食器棚に並べるような贅沢品ですからねえ。

 それは街中に無数にある土産品店にはほとんどなく、船で30分ほどでしたか、ヴェネツィア本島から離れたガラス工芸の小さな島、ムラーノ島にあったのでした。ルネサンスの時代から、大切な収入源であるこのガラス工芸技術が国外へ流失しないよう、国が職人を閉じ込めたというところ
w(゜゜)w それ以来500年以上もガラス工場の島なんです。

 どうやって行ったものかと思っていたら、ホテルのフロントで申し込めば、小売もしているガラス工房が専用の船で迎えに来てくれるということで、早速予約。翌日ホテルの裏にある乗り場から迎えの船に乗り込み、狭い水路を通って見晴らしの良い運河に出て、船は一路ムラーノ島へ
(^益^)b

 
出迎えた店員に案内をされて、まずガラス工房の見学。ゴウゴウと真っ赤な炎が燃え盛る釜の中へ長い棒についたガラスを入れると、それが水飴のようになって取り出される。職人がそれをチョイチョイとつまんで細工をすると、すぐに立派なガラスの馬が出来上がった。たいしたもんです。

 それから博物館のような素晴らしい工芸品の展示を見る。巨大な花瓶やら置き物が並ぶ。花輪君やゼーゼマンさんのところのようなお屋敷がないと買えないでしょう。売り物であっても、案内人は値段をもちかけるどころか、さっさと先で待っていました。バックパックの客には完全に「圏外」ですなw


裏口のドアが水路に面していて、
そこから直接船に乗り込んで移動するのっていいなぁ^^


ホテルの裏から、狭い水路を船は動き出す。

ヴェネツィアへ ~イタリア紀行28

2010年11月23日 | イタリア


  温暖化で水没の危険がある水の都ヴェネツィア。この美しい街は、新婚旅行などに最適かもしれません。

 ここを訪れるには飛行機で直接行くのも可能だが、ローマやフィレンツェから長距離列車で行く人も多いでしょう。恋人と一緒ならば当然指定席を予約すべし
(^益^)v できれば一等席なんかを奮発するのがよろしい。

 で、ワタスは予約なんかせずに二等席なわけだw ツッコミはよしてもらおう ローマから数時間はかかるというヴェネツィアへの移動なのに、駅についたのが発車の10分前ですた。ホームに行けば沢山の人だかり。こりゃあ座れるわけもねえ、とあきらめていたが、ここはイタリアなのだ。列なんて誰も作りません。列がなければ「ワリコミ」という概念もナイ。うじゃうじゃと混んだホームに列車が入ってくると、ナントいま来たばかりの私の前に、列車のドアがピタリと止まるではないでーすか。というわけで一番に乗り込み、進行方向に向かった窓際の席に落ち着いた。
ビバ、イタリー!アモーレ・カンターレ・マンジャーレ!

 
ヴェネツィアといっても、観光地になっているのは島になっている車の入らない地域だ。もともと湿地帯であったところに埋め立てをして、巨大な歓楽の都に発展したらしい。街の中心をS字型にカナル・グランデ(大運河)が通り、そこには市民の足である水上バスが走っている。あとは街中に無数の水路があり、無数の橋が架かっている。交通手段は陸路を徒歩か、水路をゴンドラ。その入り組んだ街路を散歩するのは、時を忘れさせる小さな発見の連続になる。


こういう運河に面した窓のある部屋に住んでみたいものですねェ。


恋人と訪れたなら、こういうゴンドラに乗って水上のお散歩ですねェ。。。




ミラノで食べる ~イタリア紀行27

2010年11月22日 | イタリア


ミラノを象徴する大聖堂に登りました。壮観!



 イタリアではアイスを「ジェラート」といいます。アイス屋の店内にずらりと並んだフレーバーから、好きなものを好きなだけ選んでコーンに乗せてもらいます(カップもあるぞ)。わたひのお気に入りは、ココナッツとチョコレートの組み合わせ。どちらもコクがあり味わい深い。ココナッツは果肉が舌にザラリと感じやす。一方チョコは、「チョコレートの味がする」ではなく、板チョコを何枚も溶かし込んだような、「そのもの」の味の濃さだ。メロン(赤肉のあまいやつだ)やストロベリー、スイカなどの果物系のシャーベットも、果汁がたっぷりでおいしいぞー!

 ジェラート屋の壁には、ひとつのコーンにドーン!と10種類以上のアイスが乗った絵が飾ってありました。まさかこれは宣伝だけだろうと思っていたら、ほんとうにそんな注文をする奴がいますた!係長みたいに腹がどかんと飛び出しているおっさんだった。ひとつのコーンに、よくもまあアフロヘアーみたいにアイスが沢山のっかるものだ。気温は40度近いので、アイスはみるみる溶けてくる。だから「どの味から食べようか」ではない。いまにも崖崩れが起こりそうな側壁、地すべりが起こりそうな下部から食べてゆかねばならない緊急事態だ。

 おっさんは全方位をすばやく点検し、落下のせまっている最も急を要するアイスを見定め、かぽっと食らいついた。ひとつの塊りを、ひと口だ。ほがほが…と味わいながら、鋭い視線は次の目標を追っている。ひとつの味に10秒以上はかけない。時間との闘いなのだ。

あの~、スミマセン、一度に2つか3つずつ注文して、味わいながら何度か食べればいいのではないのでしょうか… w(゜゜)wデモソウシテミタイノネ…


旨かった料理

ミラノ風カツレツ 薄くて大きい、まさにワラジ。香ばしく、サクサクとして柔らかい♪イギリス人のみなさん、揚げ物好きなら学びなさい!

手長エビの塩焼き 皿にズラリと並んだ手長エビが運ばれてきただけで感動 L(゜益゜L)オウイエ♪ 塩焼きにレモンを絞りかけるだけのシンプルな料理。それだけに素材の旨さが引き立つんだあ。すぐにソースをかけたがるフランス人、反省せよ!

真鯛のグリル どかんと尾頭付きの肉厚なやつを、まるごとこんがりグリル。これをナイフとフォークでざくざくと崩し、ばくばくといただく…。箸でほじくる日本料理では体験できない豪快な味わい^^