さきち・のひとり旅

旅行記、旅のフォト、つれづれなるままのらくがきなどを掲載します。 古今東西どこへでも、さきち・の気ままなぶらり旅。

静かな湖を探して

2011年01月31日 | 英国

画像をクリックしてご覧下さい(^益^)b

さてさて、ウィンダミアやグラスミアといった有名な湖は、人であふれているのに驚いた。宿のオヤジにその話をすると、車で30分ほどの距離に静かな湖があると教えてくれた。たしかに定期観光バスの路線から離れたところはぐっと人も少なく、やっとのんびりと散策を楽しむことができたのだった(^益^) きれいなところにゆっくり座りこみ、弁当に持ってきたサンドイッチや苺などを食べる。冬とは違うまったりモードw



これで少し、のんびりムード。別に有名な名前でなくたって、この地方にある湖はどこもこんなきれいなところです~^^



観光客がいないので、カヌーの練習などをしている人がおりました。



湖から少し離れて、木立のなかを散歩します。



やっぱり人が少ないところがいいですねェ(^益^)b


湖水地方 ~冬から夏へ

2011年01月29日 | 英国

冬の湖水地方をご紹介しながら、ラスキン先生の碑を見てだいぶ回り道をしましたが、ここで夏の車で英国一周の旅に戻ることにしましょう^^;



         画像を整理していたら、同じ場所の冬と夏の写真がありました。
         ↑ どうですか、この風景の違い(^益^) ↓



さて夏のウィンダミアに到着して驚いた。前回冬の夜についたときは、真っ暗でした。そして翌朝散歩に出ると、人影はほとんどなく、冷たい風が吹き抜けてゆくだけだったのに・・・。



      こっこれわっ! 夏の軽井沢か、上高地か清里かっ w(゜゜)w



   人がうじゃうじゃうじゃうじゃうじゃ。みんなアイスクリームを食べていて
     あちこちの土産屋にはテディベアのぬいぐるみが山盛りだぁ!



      湖の上には人を満載した遊覧船があっちにもこっちにも。
         いーですかみなさん、船には人がぎっしり。
        そして湖にはそんな船がぎっしり!w(゜゜)wウワー


とゆーわけで、のんびり散策するムードではなく、
とりあえずこんなところでティータイム。
チョコレートケーキを注文したら、「アイスクリームのせる?」と聞かれ、
「うん」と答えました。するとケーキはレンジにかけてあつあつ。
それにバニラアイスを乗せるもんだから、アイスはとろとろと
溶けてきて、微妙な感じになりますた( ゜Д゜)y-~~


「百合」~女性の美徳 ラスキンその4

2011年01月26日 | 英国


 ラスキン先生の語る「王様の胡麻」に続いて、今回は「女王の百合」をご紹介しませう。男は「知恵と良識」を勧められました。女に「百合」とくれば、まあ想像つきそうでしょ
(^益^)b

 
先生はいきなりこう言います。「男子の最上の力は知的労作において現れる。女子については、日々の行動や品性において現れるのぢゃ!」

 
ワー!怒られる、怒られるぞォ~!こんなこと言ったらフェミニストたちが烈火のごとく怒り出すこと間違いなし!

 
さて、ラスキン先生は女性に対しても読書を勧めます。いちおう復習しましょう。

 
よく指導された道徳的訓練と、しっかりと選ばれた読書とは、共に踏み迷った人々や無学の人々を支配する力、その程度に従い最も真実の意味で王者のごとき力を所有するに到らしめるということを皆様に了解して頂きたい。そしてその力は、実に人間のあいだに存在しえる一番の純粋な王権を付与するものであります。

 書物を正当に利用するということは、助力を求めて書物に向うということです。私たちの知識と思考力が及ばない困難にぶつかったとき、書物によって、より広汎な見識と、より純粋な思考とに導かれ、さらに私たちの孤独なたよりない意見に対して、あらゆる時代の批判者や忠告者の一致した考えを受けとることができるのです。

 
さて本題に移りますぞ。女性たちの権威、その男性を支える美徳といったものを考えるとき、過去もっとも賢く偉く純潔な心を持った人たちの意見を見てみるのです。ラスキン先生は過去の大作家たちの作品を次々に引用し、そのなかで悲劇が起こるとすれば、いつも男たちの愚かな行為や過失によるもので、もしそこに救いがあるとすれば、それは女性の知恵と美徳によるものだ、と指摘します。

 
ううむ、そこまで言い切るかよw たしかに大規模な戦争を起こす奴、困った政治家や軍人は圧倒的に男だ。凶悪犯罪やとんでもない事件を起こす奴も圧倒的に男か?悪いのは男で、すばらしいのは女かよー。「男は知力、女は品性」なんて言われて怒っちゃう女性の方々、こう言われたらどう答えますか?

 でもちょっと待てよ、その大作家たちはみんな男だ。だから失敗する男を救う永遠の「ミス美徳」が登場するんじゃないかぁ?そりゃ甘ったれた男の願望&幻想が入ってますぞ。女の作った話では、やさしくて誠実な、心が広い「ミスター包容力」が出てくるぞー。だからいくら「賢い大作家」と言ったって、男の求める理想の女性像をあげ連ねて、「女のほうが素晴らしい」と結論されましてもねェ・・・。

 
それではラスキン先生の御意見をまとめて引用させて頂きます。

 
男の力は 能動的、進歩的、防御的。特に行為者であり、創造者であり、発見者であり、防御者である。男の知力は思索と発明に適し、その精力は冒険と、戦争が正当である場合には戦争と、征服が必要な場合には、征服に適している。

 女の力は、統治に適して戦争には適していない。その知力は発明や創造に適せず、気持ちよい秩序立てと整頓、決定に適している。女性の偉大なる職分は、「(男の)賞賛」であります。女性は永久に、徹底的に善良でなければなりません。本能的に絶対的に賢明で、自己発展のためでなく自己否定のために賢明でなくてはなりません。慎ましやかな奉仕、情熱的な柔和のための賢明さを持たねばなりません。男性の仕事を理解せしめ、さらにそれを助けさせるようなすべての知識を女性に持たせなければならないのです。
 

ぐはー w(゜゜)w

やっぱり怒られそうだー (( ;゜д゜))アワワワワ 

 「仕事は男に任せて、女はおとなしく派遣でコピーと掃除をしてなさい」って聞こえるんですけど、せんせい・・・。善良で賢明な助力者って悪くはないですけどね・・・

(*´`*)

 でも、これは日本でいえば江戸時代に書かれたものだと、皆さんこころにとめておいて下さいね^^;

 少年より少女のほうが早く知力が成熟するので、早くから深い真面目な問題の手ほどきをさせなければならない。少女の読書の範囲は少年より軽いものではなく、かえって一層真面目なもので、生まれつきの鋭敏な思想と活発な機知とに、忍耐と慎重との美徳を加え、さらに高尚純潔な思想的空気の中に保つべきなのです。

 こう言われると、女性を蔑視どころか、男より立派なものだというように聞こえますね。でも、「国家の一員としての男子の義務は、国家の維持と進歩と防御に助力すること、一方で女子の義務は、国家の秩序と慰安と装飾に助力することです」なんて言われると、別に女性を蔑視していなくたって、「一般論で決めつけんぢゃねーよ!(╬゜益゜)ピキッ」と言われますな^^; いや~「一般論」ではなく、そういうのを「一般的」と決めつける「悪質な刷り込みだ」と言われそう。

 
ラスキン先生は、実直で笑われそうなほど理想主義者でした。立派で尊敬しないではいられない人なんですけど、私の理想を言ったらどんな顔をするんでしょうか。

 それはですね、大きな忙しい酒問屋のひとり娘のところに養子に入ったバカ旦那で、仕事には邪魔になっても役立たない。だから店のきりもりはすべて奥さん!旦那は夜通し本を読むのが大好きで、ふらりと田舎の温泉にでも出かけて行ったら何日も帰らない・・・。「王様の胡麻」を食して女の助力で生きてゆく!せんせい、これでよろしいでしょうか・・・
(*´д`*)b


「胡麻」続き ~ラスキンその3

2011年01月25日 | 英国

                                     
                                               ラスキン先生

 ラスキン先生が勧める「良書の精読」の目的とは、民衆の啓蒙です。

 紳士的国民」が「野蛮な群衆」からもっともよく識別される点は、「紳士的な人間の感情は変わりなくして正しく、正当な熟慮や過不足なき思索の結果であるということだ。

 一方で野蛮な群衆は、どんなふうにも説得されてしまう。彼らの抱く感情は概して寛大で正しいかもしれない。しかし彼らはその感情に対する根拠も、その感情の支配力も持っていない。なだめすかしてやれば、誰でも彼らに思い通りの感情を煽り立てることができてしまう。彼らは大体病気がうつるように、ひとつの考えにとりつかれてしまう。そして発作が起こると、どんな小さい事についても熱狂して喚きたてないことはない。そしてその発作が治まると、どんな大きな事でもすぐに忘れてしまう。これに対して、紳士的人間の熱情は、正しく節度があり、永続的なのです…。

 たしかにごもっとも。現代の日本でもきれいに当てはまってしまいそう。出世したり金持ちになったりすることに一生懸命になるよりも、まず「ブタ」になるな、ということですね。そのためにはまず立派な思想を読んで理解せよ、というわけだ。言いたいことはわかるけど、やっぱり聴いてくれる人は少なそうだなぁ~
w(゜゜)w

 農民に銃剣術の練習の代わりに読書の訓練をさせること。殺人軍の代わりに思想家軍を組織して訓練し、立派な統帥と給料を準備してそれを支えるということ。射的場ばかりではなく読書室に国民の娯楽を見い出す。的に弾を当てることだけでなく、ある事実の正鵠を射ることに対しても賞品を与える。文明国の資本家の富が、戦争の代わりに文学を支持するようになるということ。言葉にしたら、なんて途方もないことなんだ!

 ラスキン先生も自分で「途方もない」と言っていますね。経済的発展やら国威発揚ではなく、「教養を深めろ。とにかく古典をじっくり読みましょう」ですからね。

 美術館や博物館といった貴重な施設の計画も必要だが、書物の計画は最も容易で最も必要とされるところだ。それは英国国家にとって大きな強壮剤となるはずだ。今や英国は水腫病にかかって悪性の飢えと渇きに苦しんでおり、もっと衛生的な食餌が必要なのだ。そのパンは王様の宝庫にある、魔力を持った昔のアラビアの穀物である胡麻からできたパンなのだ。

 こんなこと言っても、やっぱり世の中から無視されるかな?いえいえ、わたしもゴマが大好きです。そしてこういうこと言う人、大好きなんです゜益゜ いまでも静かな湖のほとりで、ラスキン先生の碑がひっそりと立っています。だあれもいない侘しさがぴったりの雰囲気でした。でも先生はずっとそこに立っていて、こころの弟子たちが会いに来るんですよ(^益^)

 「胡麻」(知恵と良識)のすすめは、男性諸君に対してでした。次回は女性諸君に向けた「百合」をご紹介します。


「胡麻」~ラスキンその2

2011年01月23日 | 英国


  さてラスキンが嘆く19世紀当時の英国のありさまは、男性諸君については「出世、金儲け、名誉の追及」が公然と叫ばれている、ということでした。頑張れば誰もがチャンスを与えられる民主主義の競争社会、それが格差を呼んで「勝ち組」と「負け組み」の色分けが進むこの日本で、子供の頃から受験戦争に勝ち抜いていい大学に入り、就職してからも出世して立派な年収と自慢できる地位を得るというのは、誰もが望む、というか、一般の風潮として親が子供に求めるものではないでしょうか。それが嘆かわしい、と言われたって・・・。

そこでラスキンさんがおっしゃるには・・・


良書を読みなさい!ときたもんだ



ヽヽ(゜益゜≡゜益゜)ノノ


だっ だれも聞かんぞ・・・。そんなこと言っても…w(゜゜)w


ラスキン先生、汚いガード下でギターかき鳴らしながら
ヘタクソで意味不明の歌を喚いている奴に負けないくらい
世の中から無視されませんか?

上記の人たち、ゴメンナサイw
学校の朝礼で全員を整列させて「自覚」だの「責任」だの
意味不明のカラオケ的自己満足の説教を
長々とたれ流す校長先生に負けないくらい
誰からも無視されませんか?


 まあとにかく、もう少しラスキン大先生の言うことを聴いてみませう。何が「良書」なのかという問題はともかく、その読み方が面白い。「徹底的な精読」なのです。あらゆる語調や表現に細心の注意を払い、常に著者の立場に身を置き、自分の個性を没して著者の個性に立ち入ろうと勤め、「大作家を読んで私はこう思った」ではなく、「大作家がこう思った」と確信をもって言えるようにすることが大事だという。

 感想など持っちゃいけないんです。ただひたすらどのようなことが書いてあるか、正しく理解することだけに専念せよ、というわけだ。ラスキン先生曰く、「だいたい普通の読者は非凡で明晰な思想など持ち合わせてはいない!」(聴衆を目の前にして、「あんたたちそうでしょ」と言うんだコレ)。ゆえに「考える」のではなく「知る」べきなのである、と。「良書」の相手が、ダンテ、ミルトン、シェイクスピアですからねェ。ふつー難しくて読めねーぞ。。。

  それではそういった大作家の著作をひたすら拝読して、どのような意味があるというのでしょうか。立身出世や金儲けに役立つわけでもなかろう、大変な時間と労力をかけて積み上げる「教養」の意義ですね。それはまた次回に(^益^)ノ