東京は37度だの38度だのという猛暑の連日。ホテルの宿泊費は上がりっぱ
なしだし、旅行は少し控えて部屋で映画を観ています。井上尚弥の試合が
見たくてLeminoのお試し視聴をしており、いろんな人に面白かった映画の
お勧めを聞きまくって片っ端から観るのです。
映画も本と同じで、本屋には山ほど並んでいるが、自分にとって面白い
本はごくわずか。ベストセラーや人気ものだって当てにはならない。
しかし自分の知らないエリアできっといいものがたくさんあるはず。
というわけで、知り合いに新しい世界を紹介してもらうのです(^益^)b
そこで推薦されたのが、このハリウッド映画「バットマン」ときたもんだ。
まず絶対に自分では選びません。推薦されても映画館には行きません。
無料視聴期間で、観るに耐えられなければ止めてしまえばいい、という
気軽さから観ることにしました^^;
アメリカ映画ではお決まりの正義と悪。まあそこまで単純でもなく、悪い
奴らは一掃すればいいのか、いや簡単に殺せばいいというわけではなく、
頑張って平和をもたらすんだ、という努力を続けるべきか?なんて葛藤が
あるわけです。
しかし、これまたお決まりの主人公の格闘術修行(せいぜい10分くらいなの
ですが)、カンフーめいたものから忍者の飛んだり消えたりという訓練まで!
後半の悪者たちとの戦いでは、銃を相手に格闘技の肉弾戦で何人でもブッ倒し、
また剣術の立ち回りも。「スターウォーズ」でもそうでしたが、どうして
最新式の銃を雨あられと撃ってくるのに剣や素手で闘うのかーしーら。
主人公には絶対に当たらない。いや必ず腕か肩にかする。混雑した道路を
主人公が車やバイクで疾走するが、他の車は並んでいないのでジグザグに
ひょいひょいと追い抜かしていく。うちの近くの甲州街道なんて、いつも
ぎゅう詰めに車が並んでるぞ?しまいにゃ人がワンサカいるショッピング
センターをすごいスピードで通り過ぎて行く。正義の味方が一般市民を
何人も轢き殺すこと間違いなさそうだが、、、もちろんそれはない。
「くだらねー!」と言ってはいけません。これは「ルール」なのです。
それを受け入れて楽しむものなのです。水戸黄門だって、助さん格さんと
少人数で悪人大勢を懲らしめるではないか。大怪我する人が皆無で。
ウルトラマンだっていきなりスペシウム光線をぶっ放しはしないではないか。
ホームドラマだってそうです。何人かがワイワイやってるとき、きちんと
順番にセリフを言います。私が日々目の前にしている会話は、やたらに
人の発言途中でかぶせて自分の話したいことを強引に割り込んで話す人や、
お互い相手の話は話半分にしか聞かずに、一応は「フンフン」言いながら
微妙にずれた会話を続ける人たちなんかがいるぞ?あんまりきれいに
順番に話すのが不自然だと思い始めると気になるものです。
つまり映画に「リアル」を要求してしまったら面白い作品じゃなくなっちゃう。
「こっちのほうが面白い」と言われて、バットマン2作目の「ダークナイト」
を観た。「暗い夜」ではなく、「暗黒の騎士」です。バットマンに敵対する
すんごい悪者「ジョーカー」が登場。金儲けやのし上がりたいという野望
ではなく、とにかく混乱と恐怖をまき散らしたいというハチャメチャな
悪人だ。こういう極悪人に、正義の味方はどう対処したらいいのか?
そういう葛藤は、「ならず者国家は爆撃してせん滅するべきだ」という
米国政府の方針に対するアンチテーゼなのかしら?
これはバットマン・シリーズじゃありませんが、「ダークナイト」で
出てきた極悪人ジョーカーに扮した犯罪者の話です。生まれも育ちも不幸で
大人になってピエロの恰好をしてアルバイトをしている主人公。ひどい目に
遭い続けて誰にも助けてもらえないどころか目もかけてくれない生活に
ついにプッツン。狂った殺人者となってしまうのです。
これはもうリアルすぎるアメリカ社会の闇を描いています。よく出来てる
だけにうんざりげんなりさせられる。救いがないからなー。いや~んw
小説でもありますよねえ。子供たちの残酷さをリアルに描いたゴール
ディングの「蠅の王」とか、全体主義の恐怖政治を描いたオーウェルの
「1984年」とか。「いい作品」だけど、「とことん嫌~な気分にさせ
られる作品」。そうだ、俺がファンである倍賞千恵子さん主演の映画
「PLAN75」もそんな暗い気分に落っことされる作品だ。なんでわざわざ
げんなりさせられるために観たり読んだりするのか。。。
そんな世界に住んでなくてよかった、とほっとするとか、そんな世界に
させないぞ!と力が湧いてきたりするのかな。w(ಠ_ಠ)w