こちら2016年に廃線となった留萌線の終着駅、旧増毛駅。
ターミナルの線路が残されています。
広い構内は駅の名残りがありました。
高倉健、倍賞千恵子が出演している「駅STATION」のロケ地、風待食堂が観光案内所
として残されています。お隣の木造3階建ての旅館も残されていますね。旅館のほうは
公開されていないようです。
40年以上前の映画で、そのときすでに古い建物だったわけですから、よくまあ
維持してきましたねえ。
では入ってみましょう^^
おお、ちときれいですが、倍賞千恵子さんが女将をやっていた酒場が再現されています。
こんな女将さんがいたら通っちゃうよ(*´ω`)
「風待食堂」という名前は、ここから連絡船が出ていたからです。秘境だから
船が主要な交通手段で、風が強いと船が出ない。だから「風待ち」の人が出てくる
わけだ。ここから少し北に行ったところの沖にある離島「焼尻島」「天売島」は
風が強くなると移動不可になるそうです。
「駅STATION」では、高倉健と倍賞千恵子がデートで留萌まで行って映画を観る
場面がありました。当時は「あ~少し大きな町に出ないと映画なんて見られないん
だなあ」と思いました。数年前に寂れた留萌を訪れたことを思い出し、いま検索して
みると、やっぱりいまは映画館がありません。旭川、札幌まで出ないとないんだって。
そりゃ映画はテレビやネットで見られるようになったから、映画館はなくなるよなあ。
増毛はアクセス不便な田舎ですが、北前船の往来が盛んだった昔はむしろアクセスの
いいところで、ニシン漁で栄えたのです。だからこんな立派な建物があちこちに。
この凝った玄関! 思わずカメラを向けた私に、ここに連れてきてくれた小樽在住の
人が「珍しいんだ?」と意外そうな顔。たしかに小樽もすごぉ~く栄えた街だから、
こういう建築があちこちに残っていて珍しくない。そういえば新潟と鳥取の田舎出身
同士の夫婦と地方に遊びに行ったとき、私が山や草花の写真を撮っていたら「何が
面白いの?」と不思議に思われたことがありました。俺には珍しいの!
おー、スゲー! 地元の人には「何が珍しいんじゃい」と思われるだろうがw
石狩湾を北上しています。ぐるっと回って向こう側にはうっすらと小樽方面が見えて
います。あっちからいつもこっちを見ていて、いつかは行ってみたいなと思って
いたのが実現しました。
海岸沿いは断崖絶壁が続くので、長いトンネルが続きます。さぞかし開通させるのは
大変だったことでしょう。しかし秘境だったところが車であっという間に行けるように。
右側に見える印象的な形の山。富士山よりも角度が急だから映えますねェ。
少し曇ってきたら、海の色がザ・日本海。
というわけで増毛に到着~♪ まずは昼飯に刺身定食。
さて街歩きは国稀酒造から。日本最北の酒造だとか?
こっちが入口だ。試飲できるかな(^益^)w
杉玉。スギ花粉は嫌いだけれど、これと赤提灯を見るとワクワクしますぅ。
お、早速試飲だ♪ こちらの蔵限定品、大吟醸、純米吟醸といいやつを選んで飲んで
みました。こりゃあ1本でも買わないとな、という気もしたが、旅先なので部屋で
ひとりで飲むのもなあ、と控えてしまいました。つまりタダ飲みしただけ^^;
国稀は北海道では有名で、あちこちの酒場に置いてあるのですけれど、私はあまり
好きな酒ではない。でも滅多に飲めない純米吟醸などは美味しかったですよ(^益^)
展示品をプラプラと見物。味わいがあっていいねえ。
うしろの巨大な酒瓶、1斗ですよ。
私が訪れた町であったら必ず入るのが酒造、郷土資料館系。どちらも地味なせいか?
ウェブサイトで「観光スポット」と検索してもあまり上位には出てこない。
変わりモンなのかな(´・ω・`)
晴れました~♪
今日はこちらに出来たお友達に、増毛へのドライブに連れて行ってもらうことに
なりました。公共交通機関専門の私ですから、「車でないとなかなか行けないところ
に行きましょう」と誘ってくれたのです。そこで考えたのが増毛。「ぞうもう」では
ありません、「ましけ」です(^益^)b
地図をご覧くださればわかりますが、小樽からは石狩湾に沿って北上したところ。
この海岸線は断崖絶壁が続いており、昔は通るのが大変でした。高倉健と倍賞千恵子の
映画「駅Station」では、小樽から留萌に行くのには連絡船でしたね。
私はコロナが真っ盛りな頃、深川から留萌本線で留萌に行きましたけれど、そこから
増毛までの鉄道が廃線になっていたので増毛には行かなかったのです。しかし今や
その留萌本線までも廃線になってしまいましたw
車に乗せてもらうのに、隣町までバス。それが札幌行きの高速バス。高速に入って
すぐに高速道路の途中にある停留所で下車。そこから階段を下りて下界に。なんか
非日常的体験な気がしましたぞ。
さあて出発!滅多に車に乗らないので特別な遠足気分。地方の人はいつも車なので
逆なんですよね。
しばらく走ると石狩川。車だと速い。1時間歩かないと行けないようなところが
数分という異常さ。移動の感覚が違います。
石狩川はとっても川幅が広いんですー。
そして厚田という町に出ました。
道の駅でひと休み。
ここには「恋人の聖地」なんていう展望台があるのです。
上がってみませうw
石狩湾をぐるっと回ってやってきたので、向こう側には小樽が見えるはずなんだが
さすがに遠いのでよくは見えません。
西のほうは日本海。ずっと行けば北朝鮮か?
そして北に行けば稚内だ。見えるわけないけど。
うしろの山にはまだ雪がありますね。あと1ヶ月はあるでしょう。ううむ、「恋人の
聖地」という名の展望台だが、残念ながらそういう状況ではない。景色を見ていたら
おじさんがひとりでやってきた。これでしあわせそうなカポーに来られても面白く
ないんだが。
ようやく展望台に到着しました。190m! 山登りというほどではありませんが、
街がずっと下に見えていますよ。
西方面。
港を見渡す。ちなみにここはあんまり人も来ないから、地元では「恋人たちの聖地」と
呼ばれているそうです。最初誰もいませんでしたが、しばらくして地味な青年が
ひとりでやってきました。そしてアジア系観光客家族がやってきて、4人でポーズを
とったりして写真を撮り、すぐに車で帰りました。恋人たちが来るのは夕方とかか?
街の中心に目を向けますと、現在の我が家が見える。さっきあっちからこの展望台を
見たんだから当たり前なんですけど。
アップにするとよく見える。建物の5階まで階段で上がるのは大変な気がしますが、
あそこから来たんだから何階分登ってきたんだあ?
対岸には石狩方面が見えるのです。今日は曇っていてくっきりとは見えませんが。
増毛とか留萌はどのあたりなんだろう?近々あちらにほうに行ってみようと考えて
いるのです。
展望台からすぐのところに小林多喜二の碑があります。
彼は共産主義思想の持主だと危険視されて、警察に捕まって拷問されて亡くなったん
ですよねえ。蟹工船に乗って身を削るような作業をしても、利益はみんな資本家に
とられてしまう理不尽さを小説に描きました。いまも厳しい環境での作業をして
時給1000円の人がたくさんいて、片やPC上でカチカチお金を動かすだけで年収
ウン億円なんて人もいる。経済格差がどんどん広がる世界になってしまっていますが、
それを「おかしーじゃねーかっ」と勝手に騒いでも拷問されなくなっただけでも
ましというものでしょうか。
左の顔は、無名の漁場労働者だそうです。多喜二は右上の小さいやつ^^;
さあて、降りるのは楽ちん。
おー、先日ちらりと見た小樽カトリック教会。テーマパークみたいだ。
我が家を通過して、手宮の湯の花温泉に歩いて行きました。
おー、花が咲いている。雪が融けて、あっという間じゃないかー。
観光客のみなさん、LeTAOみたいなお菓子屋さんが並ぶ通りには群がっておりますが、
こっちには来ないんだなぁ~^^;
今日はだいぶ歩いたゾ。
小樽は快晴。線路わきの雪も消えた。右のほうの山の麓に小樽商科大学があります。
あそこの学生さん達は、毎日通学するのにあそこまで登っているのです。
右のほうに目を向けると、山の上に展望台が見えます。天気もいいし、酒ばっかり
飲んでないで少し運動してみるか。北海道では電気&ガス会社のCMに元日本ハム
ファイターズ監督の稲葉が「やってみるかっ!」というのをよく耳にします。
それとは関係ないけど、登ってみるかっ!
朝だったので、通学する学生さん達がゾロゾロと登って行きます。バスにもいっぱい
乗っています。定期代を惜しんで歩く連中と、優雅にバスに乗るのと別れるのですな。
私は学生時代、いつもわずかなお金でも節約して歩いた軍団に所属しておりました。
なかなかの坂です。学生さん達は若いし慣れているので、私は次々に抜かされて
いきます。ぬぬぬw
ここは「地獄坂」という名前なんです。
キャンパスの手前で山道に曲がるといきなり誰も来ない。そりゃそうだw
みなさんはお勉強頑張って下さい。(^◇^)/
急な上りは続くが、誰もいないのでせいせいとのんびり歩きます。抜かされていくと
ちと面白くないが、ひとりなら気持ちいいもんね^^
こんな景色を貸し切りだから、とっても贅沢な気分になりますねェ。こんな時間が
旅の中でも一番いい思い出になるものです。
山の上のほうはまだまだ雪が残っているよ。
時折小鳥の声が聞こえます。
雪解け水が溢れているぞ。
かなりの流れなので、靴を濡らしながらなんとか通過。音も大きいぞー。ザザザザ!
少し息を切らして、まもなく頂上だ。
おー、到着♪ 低い山でも頑張ればそれなりの達成感。眺めは次回~(^益^)w