岩にたまたまこんな穴が空いたもんだから、人間がワンサカ押し寄せてきて写真を撮る…。そういえば中国にもこんな岩があって、撮影用の台ができて観光客が沢山来ていたなぁ~(^益^;
ここに日が沈むときなどは、カメラをもった人々がひしめきあうのかな?(^益^;
熊楠の『十二支考』
以前中国に行ったとき、日本ではイノシシ年だったのにあちらではブタの人形が飾られており、中国人の友人に「イノシシじゃないのか?」と訪ねたら、不思議な顔をされて「ブタだよ」と言われ、中国から日本に「十二支」が輸入されたとき、何かの拍子に変化したのだなあ、と気がついた。
シンガポールのマクドナルドで、十二支のフィギュアのおまけが配られたとき、ブタを不浄なものとするイスラム教徒に配慮して、そこだけ「キューピーちゃん」にしたらしいが、この変更に対して中国人の抗議があり紛糾したらしい。私は今や世界中に繁殖しているMには入らないし、寅年なので関係ありませんが(^益^)
さて熊楠の著作にこの「十二支」を研究したものがあります。12の動物(?)について、世界中の伝説や民話を紹介し、人間と動物の関係を広く比較考察しようとする野心的な作品です。その引用たるや、英語、日本語、中国語、フランス語、ラテン語、イタリア語、ドイツ語、オランダ語、スペイン語など、すべて原典を読んだものです。どれほどの苦労が積み重ねられたのでしょうか。。。
わたしの干支、虎の章では、まず狼に育てられた人間の子供の話から入っている(虎なのに狼からくるわけです)。この考察によって人間の本能、属性と環境の影響が検証される。今で言えば人類学、心理学、生理学、言語学などの分野にまたがります。さらに人間と動物の交流・関係が比較考察され、虎と戦う人間の話が紹介される。そういえば虎ってなぜか「戦う相手」ですよねえ。
竜の章では、中国のみならずオーストラリア、アメリカ大陸、中東、アフリカ、ヨーロッパにまたがる伝説が引用され、この架空の生き物がどのように創作され、信仰されてきたのかを論証する。あまりにもスケールの大きい仕事でした。