晴れ時々休み

雨でも晴れでも地球は回る。夏でも冬でも日は昇る。だから一歩ずつ時々休んで前向いて歩く♪

ゆっくり歩け

2009-10-14 | ●読書百変
村上春樹のベストセラー「1Q84」はやはり続編の第3部が用意される、という新聞記事を読んだ。来年夏をめどに執筆中だという。うん、やはりね、3部で完結すればいいけれど、と思った。

そんなおり、実家に寄ったときに娘に借りたのが文庫版の「アフターダーク」だ。2004年に単行本が刊行されたと記載されている。「海辺のカフカ」の2年後だけれど、この作品は知らなかった。1日で読んだ。

神の視点かなあ、と頭ぼりぼりかきながら悩む構成はアレだけど、一冊の本、特に小説からは一箇所でも気に入ったフレーズ、メタファー(隠喩)があればもうけものだし、登場人物に身をそわせることができるから十分なのだ。

今回は、高橋くんの人生のモットー「ゆっくり歩け、たくさん水を飲め」がなかなか含蓄があって気に入った。コオロギのひとこと、「人間ゆうのは、記憶を燃料にして生きていくものなんやないかな。その記憶が現実的に大事なものかどうかなんて、生命の維持にとってはべつにどうでもええことみたい」にもうなずいた。

それにしても(という接続は強引だけれど)つい先日、今年2度目に読み返した藤沢周平の「用心棒日月抄」シリーズはいいなあとしみじみ吐息がもれる読書の秋。
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7 コメント

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神の視点…。 (axbxcx)
2009-10-15 09:51:43
ほおお、神の視点ですかあ。 ときどき使う表現だったりしますが、「これが正解だ」「これが正しい」と、時代が証明する前からわかっているような見方をするという感じですかねえ。

ただ本当に神様なら、一人一人のことがわかるはずですが、そこは人間なものですから、表面しか見ていない、マスとしか扱っていないという皮肉も込められる訳ですが…。

Kenさんはケララにいるそうで、南インド料理ファンとしては羨ましいです。
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視点>axbxcx (saki)
2009-10-15 19:21:23
いや、それが文字通り視点に限定されていて、グーグルアースみたいに家の内部から屋根をつきぬけ空をすーっと上空まであがって、という視点なんです。部屋を通り抜け、テレビ画面に入り込み、じっと、ただ見つめるのです。主要な登場人物の何人かの「その後」が解明されずそのまま話がすーっとひいてしまう、というのか、不思議なテイストは賛否両論でしょうね、きっと。
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神の視点再び (axbxcx)
2009-10-15 21:00:23
なるほど。 昔から空撮(例えば「サウンド・オブ・ミュージック」の導入部とか、気球からの撮影)やIMAXシアター、360度画面が好きでしたから、グーグルアースみたいな奴を映画で観たときもいいなあと思いましたが…。

最近、映画でもあの人何のために出てたんだっけとか、なぜそんなエピソードが必要だったんだろうと思うことがあります。 そういう「余韻」の残し方が流行っているんでしょうか…。

歩いてユナイテッド豊島園に行き、「わたしのなかのあなた」を観て来ましたが、あの映画にもそういうところがありました。
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映画鑑賞 (torieshi3003)
2009-10-15 21:09:11
axbxcxさんに横レス
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視点・・・ (torimeshi3003)
2009-10-15 21:19:14
「私の中のあなた」とても考えさせられました。「きみが僕を見つけた日」も鑑賞しましたが、ぐっと耐え抜いた「ビィヨンの妻」も鑑賞予定です。







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わたしのなかのあなた (axbxcx)
2009-10-15 21:49:54
torimeshiさんに横コメ。 あのプロット、なるほどと想いました。 沢木耕太郎の「銀の街から」などによると原作とは終わり方がずいぶん違うと言うので、気になって原作を注文したところです。 それにしても子役たち、スゴイです。

今年観た中では「扉をたたく人」「スラムドッグ$ミリオネア」(DVD買ってしまいました)が特に印象に残っています。

「きみがぼくを見つけた日」、もうご覧になったんですか!
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藤沢周平の魅力 (axbxcx)
2009-10-17 18:47:44
今日は西荻で蕎麦を食べて、杉並中央図書館に行ったのですが、イベント情報に

講演会「藤沢周平の魅力 昨今の時代小説ブームを見渡しながら」《日時》10月31日(土曜) 午後2時~4時《講師》高橋敏夫(早稲田大学文学部大学院教授)
《定員》50名《参加費》無料《申込み》電話または直接中央図書館(03-3391-5754)へお申し込みください。

とありました。 土曜日だとお忙しいでしょうねえ。 私もその頃は出稼ぎで。
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