グラフィック系ソフトのベンダー「コーレル」から新商品の案内メールが届いた。「はじめてパソコンで絵を描く方にぴったりのソフトウェア」という紹介文の「はじめて安心 お絵かき画廊(ギャラリー)」と、その上級版の「大人の上質 写真アート倶楽部」だ。日経MJ(流通新聞)にも記事が掲載されており、コーレルはシェア切り崩しを狙い、時間とお金のあるシニア層を開拓する、と書かれている。
グラフィック系のソフトといえば、マクロメディア社を買収した米アドビ(システムズ)がシェアをほぼ独占しているのだが、コーレルはそこにチャレンジする。その戦術としてアピールするのが「ライフマスターズ版」というパッケージ商品だ。55歳以上なら3,000円引き。これまでも学生や教育関係者向けの「アカデミーパック」という割引商品はあったがシニア優待は珍しい、と記事でも強調している。
また、ライフマスターという名称でシニアを定義している点も初めてかもしれない。ライフマスター=シニア=55歳以上、ということだ。シニア関係の記事で紹介した「アクティブシニア」がこれに相当する。従来のシニアという概念は一般的な定年の60歳からをさしていたが、さあ明日からは毎日日曜日状態だ。何か趣味をさがさないと、という姿勢では時流に乗り遅れてしまう。せめて定年の5年くらい前から、趣味や楽しみを見つけておかないとうまくいかないんすよ、お客さん。それにはこの55歳ライフマスター版が最適です、というマーケティング戦略。
そうはいっても、初めて使うグラフィックソフトって面倒そうだし、と思うでしょ。ですから今なら何とこれもおまけにつけちゃいます、の3大特典とは、
【特典1】 メキメキ上達! トレーニングDVD
【特典2】「大人のぬり絵」サンプルイラスト
【特典3】 安心!追加オプションサポート
と、メルマガに記載されている。あ、やはり「大人のぬり絵」はすでに商品化されていたんだ。うーん、残念。ウェブに掲載されているサンプル塗り絵は「ヒマワリ」だった。線画を開いて色をのせていく方法だ。それでも操作にまごつく時は電話サポートも受けられる。特典とはいうもののこのサポート料金も製品に含まれているけれど。
「ソフト業界では画期的な、55歳以上のパソコンライフの充実を目指す方への優待パッケージ」の「大人の上質 写真アート倶楽部」のお値段は、通常版が1万6,980円で、販売店の店頭で55歳以上の身分証を提示すると3,000円引きの1万3,980円。「はじめて安心 お絵かき画廊」の通常版のライフマスター版は9,980円。ただしどちらのパッケージにも「R55」のロゴがはいっている。まあいいか。どっちがいい? と55歳シニアの友人に聞かれたら、「写真アート倶楽部」のほうが何かと便利、と勧めるかもしれない。発売はともに7月7日。
3月終わりからの2ヶ月ちょっとで、「アメリカ、家族のいる風景」「白バラの祈り」「プロデューサーズ」「RENT」「ブロークン・フラワーズ」「スタンドアップ」そして「ナイロビの蜂」と観てますから、結構、貢献しているかも知れません。 夫婦50割引がなかったら、せいぜい2本くらいしか観なかったところですから…。