懸案の奥歯のインプラント(手術)がようやく完了。では歯をいれますからね、と頭上からの声。診察台は水平に倒され、眼鏡の奥の冷酷なまなざしが目に入る。そういえば治療を受けるときはいつも目を開いたまま。ぼーっと天井をながめていたけれど、普通はどうなのだろう。目をつぶったままなされるがまま、という患者もいるのだろうか。
ともあれ、左下の(もとの)奥歯があったあたりのアゴの骨に「チタン製です」と告げられたネジが埋めこまれてから2カ月余りで、その上ににせの歯がはいった。費用を計算すると、ネジが15万円。その上にかぶせた金属の突起が2万円。そして「歯」は10万円だったから、都合27万円。消費税と他の治療費を含めると30万だ。以前、「インプラント」「口腔外科」などのキーワードで調べた歯科医の手術代平均は40万くらいだったから、相場よりは安いのだろうか。
いやいや、左下は完了したものの、右の奥歯ももう長いことなさそうですね。こちらもやはりインプラントがおすすめです、と初診の日に言われていたのだ。つまり「しばらく様子をみましょう」といった期間が過ぎると、さて右の治療にかかりましょうか、とくるに違いない。最初の1本が高いと患者も二の足を踏むだろうから、まずはちょっと安めの料金にしておいて…という魂胆に違いない。歯ぁ~。「来週もう一度来てください。お大事に」の声に送られて歯医者を出る。
入り口のドアを開けそのまま数歩進み、目の前の扉を押すとそこが接骨院。
「こんにちはぁsakiさん」「いらっしゃいぃ」「お待ちしてましたぁ」と次々に威勢のいい声がかかる。毒食らわば皿まで。ついでに「瞬間骨格矯正」をしてもらうことにする。以前、誕生日プレゼントでもらった無料サービス券の有効期限がせまっていた。さあ、どうやって瞬間的に強制、じゃない矯正するのだろうと申し出る。この台にうつぶせで寄りかかってください。と機械仕掛けのちょっと不気味な治療台に連れていかれる。
身長ほどの長さの青い台。一般のものと違い、全体が5、6箇所に分割されていてそれぞれが稼働する仕掛けだ。うつぶせ状態で顔と腰の位置を調整したら、台が水平に倒される。さっきの歯医者と正反対。うつぶせで寝かされる。顔があがりますよぉ、次は胸です。の声に合わせて上に持ちあがった分割台が、突然がくっと下に下り、プシュー。ギギギギぃ、プシュー。これを何度か繰り返し、合間に手わざで骨格を押したり引いたり、20分ほど終了。一丁上がりである。骨格は、矯正されたような気がした。
歯も、調子がいいような気がする。今のところ。
最新の画像[もっと見る]
- 滝がはじまる時(F6) 6日前
- 昇仙峡の小さな滝(F8) 2週間前
- 石門の向こう(F4) 4週間前
- 滝を背景に(B4) 1ヶ月前
- 花崗岩の石門(F6) 1ヶ月前
- 昇仙峡・千ヶ滝(F8) 2ヶ月前
- 丸太ころがって(F6) 2ヶ月前
- 青梅・釜の淵公園(F6) 3ヶ月前
- 梅岩寺の枝垂れ桜(F10) 3ヶ月前
- 奥多摩街道のケヤキ(F6) 3ヶ月前
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます