午前中にデータ入力作業を終えて、午後からは「応急救護講習会」に参加。前日は新年会が2件あり、飲み過ぎ寝不足で最悪のコンディション。いかんいかんと思いながらも、前半の座学・講義の時間帯は眠くてしかたなかったし、控えめに言っても半分くらいは居眠りしていたかもしれない。
でも「職場や家庭で応急手当てを普及させる」ための研修なのだから、半分は仕事だ。スライド上映が終わり、いよいよ実技が始まる。椅子をひく音とざわめきで身体が復活。大災害発生時には、医師や看護師などの医療従事者だけでは手が回らないから、市民の協力が不可欠。そのためにも災害医療について理解しなければ、とのもっともな説明にうなずく。
二人一組のペアで行動する「バディ・システム」、生命の兆候を把握する「観察カード」の記入方法などの説明を受ける。
「災害時には、応急手当ての内容をすべて知っている人が一人いるより、ひとつのことだけ知っている人が百人いるほうが多くの命を救える」のだから、いつまでもあくびをかみ殺しているわけにはいかない。
配布された三角巾やガーザ、パンスト(これが簡易包帯として便利)を使っての応急措置。生命の兆候(バイタルサイン)、脈拍の確認方法にバディと一緒に取り組む。さらに人体の構造、骨格の図解を確認し、傷病者の寝かせかた、毛布の使い方と研修は休みなく続く。
人体には1キロあたりおよそ80ml(男性は8%、女性は7%)の血液があり、その3分の1が失われると生命の危機だ。つまり体重70キロの男性なら(自分はほぼこれに匹敵)5,600mlの血液があるから、ざっと1800ml(一升瓶1本だ)流出すると危ない。逆に言うと、牛乳ビン数本程度の出血なら、もちろん止血は必要だけれど、大丈夫ということ。ただし、それだけの流血を見ると、かなりあわててしまう。一面、血の海、と思ってしまう。
そうした現場ではともかくパニックにならないことが大事。状況判断、情報の伝達がうまくいかないと医療従事者も混乱する。緊急度、優先度を判断する「トリアージュ」、状況を把握し、評価、行動する「アセスメント」の重要性に納得する。
最後に搬送(トランスポーテーション)の実際を体験。リーダーを含む5人一組で人(あるいは65キロの人体模型)をタンカに載せて階段の登り降りだ。4人で65キロを支えているのに、かなりの重量負担だ。足をケガした人に肩をかして歩く補助歩行、背負ったけが人がひっくり返らない正しいおんぶ(パックストラップキャリー)なども体験し、終了。
いつの間にか、初対面の「バディ」との連帯感が生まれ、帰りに一杯誘おうかとさえ思う。余ったガーザや三角巾、添え木をもらい、時々はせめて「イメトレ」でもしないと忘れてしまうに違いないけれど、やはり訓練、大事だねえと同僚と話ながら帰路につく。
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