Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 72(藍九谷花文五寸皿)

2020-07-21 23:45:55 | 古伊万里
 伊万里の収集をある程度続けていくと、やはり自分の好みがはっきりしてきます
とはいえ、色絵柿右衛門や鍋島、色絵古九谷、藍柿右衛門の優品などは、いくら好きでも経済的に無理というのが
サラリーマンが収集する古伊万里の限界だったりします。
それでも比較的に安価で十分に時代もあり、収集の対象として満足感の髙かったのが寛文期の染付の品で
結果的にワタシの好みは寛文期の藍九谷と相成った訳です。

前置きが長くなりましたが、今回の品も寛文期の特徴を持つ染付五寸皿です。
「藍九谷花文五寸皿」

この時代の品にわりと良く見られる、三方に同じ文様を配置したデザインの品で、それぞれの文様の中は
この時代を代表する技法と言っても過言ではない「墨弾き」で、なにやら花と葉のようなものが描かれています。

正直なところ、この丸みのついた菱形の文様が何であるのかは判然としませんが、文様の中に墨弾きで描かれているのは
どうやら「梅の花」のようには見えます。

裏面は寛文期~延宝初期に見られるタイプの描き方で、落款はあまり見たことのない銘が入っています

同様のデザインの七寸皿を以前に見かけたことがありますが、ワタシの買える値段ではなかったように記憶しています。
(五寸と七寸のあいだには、大きな壁があります)


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4 コメント

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unknown (遅生)
2020-07-22 06:27:26
ちょっと見ると、菱形模様が三つ、大胆に配置された皿と思いました。
しかし、そのなかに墨はじきで花弁が描かれているのですね。
こういう大胆で繊細なデザインは前期伊万里の特徴なのでしょうか。
Dr.Kさんの海藻貝小皿の丸紋にも、墨はじきで文字がかかれていました。
江戸の粋を感じますね。
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酒田の人さんへ (Dr.K)
2020-07-22 09:23:31
私が今回紹介した「伊万里 染付貝藻に文字丸文小皿」の丸文には、各丸文の中に文字が墨ハジキで書かれていました。
この頃の時代には、文様の中に更に墨弾きで文様が描かれているケースが多いんですね。
細かなところまで気を使っていますよね。

ホント、「五寸と七寸のあいだには、大きな壁があります」ね!
もっとも、7寸となると、迫力が違いますものね。
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遅生さんへ (酒田の人)
2020-07-22 21:35:37
墨弾きという技法は、伊万里の技術水準をアピールする要素もあったのかも知れません
墨弾き自体はもう少し前の時代から登場しますが、特に寛文期の品では特徴的に使われているのは確かです。
あと、この大胆なデザインもこの時代の特徴のようです。
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Dr.kさんへ (酒田の人)
2020-07-22 21:40:40
墨弾きはこの時代の品では珍しくありませんが、やはりこの時代ならではの大胆なデザインと相性がいいように感じます
手間のかかる仕事だったとは思いますが、やはり伊万里をアピールしようという気概が
当時の職人さんにあったということかも知れません。
盛期までの伊万里では五寸と七寸では値段が一桁違いますからね~・・・
やはり経済的に五寸皿という選択になってしまいます。
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