Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 71(染付菊に雲気文五寸深皿)

2020-07-15 21:08:39 | 古伊万里
江戸期の古伊万里には様々な落款が見られますが、前回紹介した「古人」などと同じく延宝期に見られる落款に
「車輪福」があります。(別名「車落款」)。
この車輪福も優品が多いことで知られる落款で、なかなか入手できず、ウチにあるのも今回紹介する品だけです。
「染付菊に雲気文五寸深皿」


直径14.5cm、高さ5cmほどの深皿で、白く上質な土、清麗な発色の染付、そして細かい筆致
盛期伊万里の技術水準の高さを感じさせる品で、業者さんが「藍柿右衛門」と称して売るにはふさわしいレベルの品でしょうか。
中央部を白抜きしたデザインも延宝~元禄あたりに見られる特徴のひとつではあります。
裏面の唐草も丁寧な絵付けになっており、このあたりからも上手の品であることが伝ってきます


さて、高台内の落款に注目して下さい

さて、問題はこの品の落款です。↓がその画像ですが、ウチの品はちょうど目跡があって判りにくくなっていますが
この落款が「車輪福」です。
左がウチの品で、右が借りてきた画像です


基本的には「福」の変形であろうことは想像できますが、この落款の特徴は福の字の「田」の部分の形状にあります
大八車の車輪のような形をしています。この部分から「車輪」というネーミングになったのは間違いないところでしょう。
この品は今から16年程前に、ヤフオクで23000円で落札したように記憶しています。
(当時としてはかなり安く入手できたように思いますが・・・)




最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
酒田の人さんへ (遅生)
2020-07-16 06:21:06
上手品ですね。垂れ込めた雲の下にある一軒家と松(?)も独特の雰囲気ですね。

この銘、初めて見ました。なるほど、車輪福ですか。
見立ては好きですから、私ならさしずめ・・・・「一輪自転車に乗ろうとしている人」銘・・・・長過ぎ(^^;

返信する
酒田の人さんへ (Dr.K)
2020-07-16 15:08:53
おぉ! 今度は車輪福の登場ですね!
我が家には、車輪福はありません(><)
やはり、上手の銘とされている物には、銘だけを見て買ってもハズレがありませんね。
このような銘は、上手品にのみ入れることが許された銘だったからなんでしょうね。
今なら、さしずめ、一流ブランド銘というところでしょうか(^-^;
返信する
遅生さんへ (酒田の人)
2020-07-16 23:38:28
確かに菊文はともかく、その他の文様については「?」という感じはしますが
中国磁器あたりの影響なんでありましょうか。
>一輪自転車に乗ろうとしている人
す、鋭い!、確かにこの車輪は一輪車ですし、上の部分は人が手を広げたように見えます
さすが遅生さんです!
返信する
Dr.kさんへ (酒田の人)
2020-07-16 23:45:46
車輪福については、この品を購入した後も何度か見かけたんですが
なにせ予算と見合わず購入もしくは落札できませんでした。
確かにどの品も上手で良い品ばかりでしたから、もう一つくらいは欲しいところです。
このあたりの時代の伊万里の場合は、落款は窯印としての意味よりも
ブランドや製作者を知らせる意味もあったのかも知れませんね。
この品はたぶん、ウチの染付の品の中でも屈指の出来の良い品のように感じます。
返信する

コメントを投稿