Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 65(染付菊に白抜き唐草文七寸皿)

2020-06-05 20:02:18 | 古伊万里
古伊万里の大師匠であるDr.kさんのブログで、幕末の蛸唐草文様の蓋茶碗が紹介されています
思えばワタシが伊万里に興味を持ち始めた20数年前は、蛸唐草の人気は絶大で(仕掛け人はお馴染みのN島先生ですね)
今では信じられないような値段で売られておりました。
そんなこともあって、ワタシはずっと長いこと蛸唐草は敬遠しておりました。しかし、図録等で白抜き唐草(通称逆タコ)
という文様があることを知り、いつの日か欲しいものだと思っていた中、十数年前に新潟の骨董店で購入したのが今回の品です。
「染付菊に白抜き唐草文七寸皿)


黒っぽい江戸後期の雑器のような発色の品ですが、時代的には江戸中期(享保~宝暦)あたりの品だと思われます
十六菊の文様を六個配置していますが、そのうち3個は縁の部分で切れるように半分しか描いていません
そして、菊文と菊文の隙間の部分は白抜き唐草文で埋めています。
↓が白抜き唐草(個人的には逆タコの方がしっくりきますが)部分の拡大ですが、いわゆる蛸唐草と違い唐草文の部分を
白く塗り残すという、現在では考えられないような手間のかかった絵付けがされています。


昔は白抜き唐草は蛸唐草以上に高いお値段が付いていたように思いますが、蛸唐草の人気の凋落と共に
以前よりは安くなったようです。(ただし、圧倒的に現存数は少ない模様)

裏面は典型的な中期古伊万里で、あくまでも普通の品であることが判りますね

ついでながら、困ったことに白抜き唐草についてはここ十数年、中国出来と思われる贋作が結構な数出回っているようで
人気の高さと希少価値故に注意が必要なのも事実です。


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
unknown (遅生)
2020-06-05 22:36:21
逆タコ唐草はよくありますが、これは初めて見ました。
地をゴスで埋めて残った白い部分が唐草模様になったものでしょうか。逆唐草と呼ぶのが良いのでしょうか。
以前、私が紹介したペルシャの盾の地模様は、逆タコ唐草ではなく、この品に相当しますね。
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Unknown (つばめ)
2020-06-06 00:42:09
逆タコ唐草に、菊の文様なんて素敵です!
私もこの手の絵柄に惹かれるのですが、酒田の人さんのように詳しくないので、絵柄(古いものの特徴は見ているつもりです)で購入しているのですが、贋作との違いを見極めるには、どうしたらよいのでしょうか?
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酒田の人さんへ (Dr.K)
2020-06-06 10:22:11
我が家の幕末の蛸唐草と比べたら、雲泥の差ですね!
我が家の蛸唐草は、蛸唐草文の末期も末期、これ以上崩したら蛸唐草と言えないほどで、恥ずかしくてそのままで紹介出来ませんので、もっともらしいテーマを付けて紹介したしだいです(-_-;)

上等な蛸唐草ですね。しかも、数が少なくて珍しい「逆蛸」で、、!
こうなると、いやらしさの伴う蛸唐草のイメージを脱却しますね!
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遅生さんへ (酒田の人)
2020-06-06 20:45:47
伊万里では中期にこのようなタイプの品が登場しますが、やはり磁器が庶民のものではなかった時代故かも知れません。
白く塗り残して唐草を描くなんてことは、並外れた根気が必要でしょうから
ワタシには絶対に出来ません。
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つばめさんへ (酒田の人)
2020-06-06 20:51:18
逆蛸唐草は他の文様と組み合わせるケースが多いですが、やはり一番価値があるのは、全面が逆蛸唐草になっている品のようです。
大皿やそば猪口に存在するようですが、やはりこのタイプは手が出ません。
骨董の真贋を見分けるのは何年収集していても無理な気がします
まして、近年の贋作は精巧に出来ているようですから・・・
「贋物古伊万里」というサイトがありますので、参考になるように思います。
https://gansakubokumetsu.web.fc2.com/
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Dr.kさんへ (酒田の人)
2020-06-06 20:58:10
この品を購入したころは蛸唐草の相場が下がってきた頃でしたが
なにせ人気の高い逆蛸ということで、このような発色の良くない品の購入と相成りました。
何年か前に地元の骨董祭で、見込みが環状松竹梅で周囲が逆蛸の尺皿が売られており
「おおっ!」と思って近づいたら、三つに割れたのをくっつけた品でした。
確か五万円でしたが、残念ながら購入には至らなかった思い出があります。
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