ヤフオクを見ていたら、藍九谷では恐らく一番有名だと思われる
「竹虎文七寸皿」が出品されていました。(しかも二つの業者さんから)
まずはコチラのお皿です
かの有名なお皿に色絵で加飾されています
絵付けはなかなか見事で、捻り縁も完璧ですが、問題は見込み表面の使用痕というか、ひっかいて付けたような傷です。
これは贋作によく見られる特徴のようで、紙ヤスリかなにかである種の「時代づけ」を行ったものと思われます。
コチラの「贋物古伊万里」というサイトにその例が紹介されています。
とは言え、実によく出来た品ではあります。
さらにコチラはなんと五客揃いです
この五客揃いについては捻り縁が甘いのと、絵付けが雑なので、近世の写し物であることがすぐに判りますね。
ワタシの記憶が確かなら、ヤフオクではこの図柄の品はここ20年で何度か出品されており
何でも大聖寺で写しが作られていたというのを読んだ記憶があります。
ワタシは十数年前に、「東京ドームプリズム骨董祭」で、この品の本物を見たことがありますが(もちろんガラスケース越しに)
350万円くらいだったように記憶しています。
最初の品なんか、私ならイチコロでひっかかりそうです😅
次の五枚の業者、一見、ウーム、という品を出してきます。実は、私は昔、古九谷で一度ひっかかりました。底をペイントで塗り、汚してあったのを削り取ると、渦福銘が出てきました。古九谷に渦福は無い、と主張し返品しました😭 まあ、キャンセルに応じただけマシかも。暴力団まがいの悪徳業者もいますから😓😓
これなども、やはり、現物を手にすれば、もう少し本歌と写しの違いがはっきりするようには思いますが、、、。
ただ、長くやっていますと、「まず、このように有名なものは、その辺に安く転がっているはずがない」と疑ってかかりますよね。
ところで、暫くぶりに、「贋物古伊万里」というサイトを少し良く眺めてみました。
このサイトだって、何を本物といい、何を贋物とするのか、その基準がわかりませんね。
例えば、江戸後期の柿右衛門を、江戸前期~中期頃の柿右衛門と比較して、贋物としていますね。
本歌を悪意無く写している場合があるわけですから、写しをすべて贋物とすることには問題がありますよね。
とは言え、中には掘り出し物も存在しますんで、これが骨董の醍醐味であり怖いところなんでしょうか。
底をペイントで塗った古九谷・・・、色々な贋作があるものですね。
質感は伝わってこないですからね~・・・。
普通に考えれば、こんな有名な品がそこらに転がっているはずもなく
しかも1000円スタートで売ろうとする人はいるはずがないですよね。
「贋物古伊万里」、こういったサイトを公開していることは大いに意義がありますが
やや力が入りすぎている面もかんじますよね。