Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 60(色絵桐に鳳凰文六寸皿)

2020-05-10 21:31:47 | 古伊万里
 回想の古伊万里シリーズも60回目でありまして、在庫の半分あたりまで来たことになります
今後はつまらない品が多数登場する予定ではありますが、とりあえず最後まで行ければというところでしょうか。

さて、今回の品は、前回に引き続き鳳凰の描かれた中期の伊万里を紹介します
「色絵桐に鳳凰文六寸皿」


染付と色絵を併用したいわゆる「染錦手」の品で、見込み上部に鳳凰を描き、下には二つの桐文
そして中央には鳳凰文と組み合わせはあまり見ない宝珠が描かれています。
桐と鳳凰の組み合わせは定番というか、鳳凰は桐の木に巣を作り繁栄するという故事からきていますので
極めて一般的な組み合わせですが、このようなデザインの品は多くはないのかもしれません。


柴コレの図録で調べると、鳳凰文は初期伊万里から登場し、相当な数の品が収録されていますので
とても人気のある文様であったことが想像されます。


裏面を見ると、典型的な元禄色絵に見られる裏文様になっていますが、全体的な印象からは
若干時代の下がった享保あたりの品かも知れません。
桐文も鳳凰文も個人的には好きなので、値段が安かった割にはいい感じの品だと思っています。




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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
驚きの皿 (遅生)
2020-05-11 06:08:21
この皿の絵付けには、正直驚かされました。
裏模様からすれば、元禄の上手!とおもうのですが、表は意表をつく大胆な絵付け。
デザインもですが、色使いがすごいです。横尾忠則の現代アートですね。
染付けと色絵を併用していますから、入念に検討しての絵柄だと思います。
輸出を意識して、実験的試みを大胆に行った品でしょうか。
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酒田の人さんへ (Dr.K)
2020-05-11 09:01:38
典型的な中期伊万里ですね。
鳳凰に桐の文様のものは、思いっ切り艶やかで華やかなものが多いですよね。
それでいて、案外、しつこさがないですよね。余白のとりかたが上手だからでしょうか。
私は、このような思いっきり華やかなものも好きです(^-^;

この皿には、鳳凰に桐の外に、中心に火焔宝珠まで描かれ、絵の全体を中心に向けてギュット引き締めていますね。
裏面高台内の針支えも、その跡から、バラバラな位置に置かれたのではなく、ちゃんと計算された位置に置かれたことが分かり、上手であることを示していますね。
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遅生さんへ (酒田の人)
2020-05-11 22:59:48
ドクターさんも書いておられるように、中期伊万里における鳳凰文は華やかな色使いが定番ですが
この品の場合は桐文もインパクトのある色使いになっているのが特徴かも知れません。
ちょっとだけイレギュラーな魅力のある中期伊万里かも知れませんね。
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Dr.kさんへ (酒田の人)
2020-05-11 23:05:49
良く見るとかなり派手な色使いなんですが、それでも装飾過剰な感じがしないんですよね~
この落ち着いた感じの色絵は享保期に多いというのを何かで読んだことがあります
文様的な珍しさはないものの、似たような品もあまり見かけないようにも思います。
確かに中央に火焔宝珠がないと、少々間の抜けた感じになりそうですから
十分に計算されたデザインなのかも知れません。
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