堺北民主商工会

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Compliance

2007年04月06日 10時43分40秒 | 世間の話
 最近、よくCompliance(コンプライアンス)と言う言葉が使われる。Complianceとは法令遵守と訳され、「要求、命令などに従うこと、応じること」を意味する。
 しかし、ここで問題なのは、その法令がどのような内容なのか。そして、どういう目的を達成するために、又、誰のために作られた法令なのかである。
 かって悪名高い「治安維持法」と言う法律(令)があった。この法令は1928年に作られ、全7条で構成されていた。しかし、1941年3月10日、全65条に全面改訂(改悪)され、軍国主義日本の戦時体制維持・強化の法令として整備された。そして、国体(国家体制)を変革するあらゆる行為に対して刑罰を科する法令として生まれ変わった。しかも、最高刑は「死刑」である。
 この当時の日本はどのようなものだったのか。軍国主義を基調にした絶対主義的天皇制、東南アジアから広く、中国に跨る地域を経済権益拡大と軍事拡張政策によって、国ぐるみで侵略し、多大な犠牲者を出した国体であった。国会は文字通り、他国の侵略を挙って賛美する「大政翼賛会」。
 この暗黒時代に国家の行為に異議を唱える者は警察権力(特高)によって検挙、投獄され、極刑に処せられた。治安維持法に基づく検挙も最初は共産主義者だけであったが、次に、科学的社会主義に共感する人達(主に学者や文化人)、果てはキリスト教徒までもが!
 少なからずの人達が獄中で残虐な拷問によって、死に追いやられた。
 この法令(治安維持法)に対するComplianceとはどう考えれば良いのか。
 本来、人間社会において法律は「国民の生活を守り、向上させ、更には生命を守るもの」でなければならない。そして、その法律を遵守する事によって、人類社会の進歩を促進」するものでなければならない筈だ。
 人間は社会生活(学習)を通じて、社会的常識、権利や義務、規律などを体得していく能力を本来、持っている。それに対して「アレをやったらあかん」「コレはしても良い」などと事細かに法律(令)を作り、規制するのは社会の進歩・発展に逆行する国である。
 それなのに、今、社会の進歩に逆行するような怪しい法律(令)が次から次へと作り出され(ようとし)ている。
 新自衛隊法、新教育基本法、平和憲法(9条)改悪のための国民投票手続き法案………etc.
 このような時代、私達はどの法律(令)が悪法なのか、それとも良法なのかを冷静沈着に、しかも、正しく見極めていかなければならないだろう!